明治安田生命J1第22節 ジュビロ磐田2-3湘南ベルマーレ(ヤマハスタジアム/13.762人)
45+1分 山田大記(磐田)
46分 山崎凌吾(湘南)
80分 山田直輝(湘南)
82分 杉岡大暉(湘南)
90+2分 大井健太郎(磐田)
夏の移籍マーケットで活発な動きを見せた両チームの対戦。
特に磐田は名波監督の辞任、攻撃のキーマン ロドリゲスの移籍などを受け大幅な戦力補強を敢行、降格圏脱出に向け必死だ。この日は多くの新戦力がメンバー入り、G大阪から完全移籍で加入した今野泰幸とタイリーグで得点を量産したストライカー ルキアンがスタートから起用された。
一方の湘南はC大阪が山崎凌吾を獲得かという報道があったものの当人は残留を決意。(した模様)この日もスタメンに名を連ねた。新戦力の山田直輝とクリスランはいずれもベンチスタートとなった。
浦和戦の劇的勝利から泥沼の5連敗、それでもチームはここ3試合で2勝1敗と調子を取り戻しつつある。前節、鹿島相手に劇的ゴールで勝利した勢いを継続させたいところだ。
湘南のスタメンは前節から一枚の変更のみ。鈴木冬一に代わり古林将太が先発復帰、攻守にわたりアグレッシブな姿勢が印象的だった野田隆之介はこの日もスタートからピッチに立つ。
試合は序盤から湘南ペースで進む。
トップの山崎が的確なポストプレーでボールを収め、シャドーの松田天馬が絡む。すかさず野田が山崎を追い越し一気にゴールに迫る。14分に見せた攻撃はまさにこの形だった。山崎と松田が絡み、抜け出した野田がループ、シュートは一旦GKに弾かれるも松田が詰める。しかし惜しくもクロスバーを叩き得点には至らない。
楔のパスが収まることで生まれる連動性はこの日も際立っていた。やはり山崎の存在は今の湘南には欠かせないと改めて思う。
さらには齊藤未月がボールを奪い、金子大毅が左右に散らす。中期離脱から復帰した金子の復調とともに湘南の若きドイスボランチはますます輝きを放つ。縦への意識が先走らず両ワイドの上がりを巧みに引き出す。得点は時間の問題だと思われた。
しかし、先制したのは磐田の方だった。前半アディショナルタイム、右からのCKを今野がヘッド。このシュートを山田大記がフリック。まるで突然のアクシデントに見舞われたかのような、一瞬の隙を突かれた失点だった。
嫌な時間帯に失点を喫した湘南だったが、この悪い流れを断ち切ったのは山崎の左足だった。後半開始からわずか1分、インターセプトから金子が一気に加速。そのまま左サイドを駆け上がると、中央で待ち構える山崎目掛けてクロス、山崎はワントラップから左足一閃。このシュートが逆サイドのゴールネットを揺らし湘南が同点に追いつく。
この後、試合はこう着状態が続いていたが、曹貴裁監督は62分、野田から山田直輝、73分には古林に代えて岡本拓也を投入。攻撃性の高い交代カードを次々と切ると、80分、ついに歓喜の瞬間が訪れた。後方からのフィードに抜け出した山田直輝が角度のないところから巧みに右足を振り抜くと、これがゴールネットに突き刺さり湘南が逆転に成功する。浦和から二度目の期限付き復帰となった背番号「10」が殊勲のゴールでチームを救った。
そしてそのわずか2分後、シュートゾーンで得たFKを杉岡が左足一閃。このシュートは壁に弾き返されてしまうが、このこぼれ球を再び杉岡が豪快に蹴り込み湘南が3点目を挙げる。アディショナルタイムに1点を返された湘南だったが、リードを守り抜いた湘南が敵地で勝点「3」をもぎ取った。この試合を終えて湘南は11位に浮上、降格圏内とチームとの勝点を引き離すことに成功した。
湘南はこの後、鳥栖戦、仙台戦とつづくが、この下位チームとの3連戦は残留に向けて大きな勝負どころとなる。
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