J1 2ndステージ 第2節 横浜FMvs柏(ニッパツ三ツ沢)
▼夏の夕暮れとニッパツ
やはり、ニッパツでのマリノス戦は格別だ。平日開催のJ12ndステージ第2節横浜FMvs柏
ニッパツ三ツ沢球技場に駆け付けたファン、サポーターは8038人。前節の半分以下の観客動員数に留まるものの、ココは15000人収容のニッパツである。両ゴール裏は超満員。ピッチとスタンドの距離が近いサッカー専用スタジアムが作り出す臨場感に、身を乗り出して応援するサッカー少年の姿が印象的だった。
サッカー少年の真剣な眼差しの先には、おそらく中村俊輔や斎藤学、アデミウソンらが繰り出す華麗なテクニックが映っていたのではないだろうか。
▼平日開催にも関わらず両ゴール裏は超満員
この日の横浜FMのスタメンは、GK飯倉 DF下平 、中澤、ファビオ、小林祐三、前節から変更のないディフェンス陣に、ボランチに中村俊輔、熊谷アンドリュー、MFに斎藤学、三門、藤本、ワントップには伊藤翔が入った。アデミウソンから藤本、喜田から熊谷アンドリューへ、前掛かりの印象が強かった前節に比べると、中盤の選手たちが流動的に、自由に動き回る。試合は序盤から横浜FMがペースを握る。
しかし、28分、前節と同様に一瞬の隙を突かれ、柏にまさかの先制ゴールを許してしまう。その後、後半から熊谷アンドリューに代えてアデミウソンを投入。トップ下の三門をボランチの位置へ下げることで、中村俊輔の上がりを促進、更に攻勢を強める。それでも得点が奪えない横浜FMは、中村俊輔から兵藤へ、藤本から端戸へ、モンバエルツ監督は、前節同様の采配を見せるもこのままタイムアップ。0ー1 終始ペースを握りながらの敗戦にスタンドからため息が漏れた。
中村俊輔の起用法を模索するモンバエルツ
▼サッカー少年の目を釘付けにする中村俊輔
1stステージ調子の良かった頃のチームと不振が続く現在のチームを比較すると、その大きな相違点に中村俊輔の存在が挙げられる。奇しくも負傷により欠場が続いた中村不在の横浜FMの方が強かった。そう思わざるを得ない点が幾つか挙げられる。
その一つが、下平、小林祐三、両サイドバックの攻撃参加だ。中村俊輔をボランチ起用し、前線に選手を並べる現行の布陣では、スペースが少なく、サイドバックのオーバーラップが激減してしまったという点。その背景には、藤本やアデミウソンら攻撃的な選手と中村俊輔との共存を図ったモンバエルツ監督が迷いがあるのではないだろうか。
そしてもう一つに、三門の存在が挙げられる。1stステージ好調時の立役者は、限定的なプレーエリアでは、持ち前の運動量が発揮されず、決定機に顔を出すことが殆ど見られなくなってしまったという点である。ボランチ起用の中村との共存に一番苦しんでいるのは、三門であることに疑いの余地はなさそうだ。
テクニカルなプレーに観客を沸かせる中村俊輔だが、どうやら、その起用法が上位浮上の鍵になることは間違いなさそうだ。今後のモンバエルツ監督の手腕に期待したい。
勝村大輔
Categories & Tags