J1 2nd 第5節 浦和レッズvsヴァンフォーレ甲府(埼スタ)
▼22,363人を記録した平日開催の埼スタ
1stステージ王者浦和の苦戦が続いている。2ndステージを迎えて、これまで1勝1分2敗。ここ3試合未勝利の浦和は第5節、ホームに甲府を迎えての一戦に臨んだ。
8月2日から始まる東アジアカップによるリーグ中断前、最後のゲームを勝利で飾りたいという意気込みは、チームのみならず、サポーター、そしてスタジアム全体から、ひしひしと伝わってくる。ゴール裏で巻き起こる声援に鬼気迫るものを感じたのは、おそらく気のせいではないだろう。
▼埼スタホームゴール裏はいつだって熱狂的だ。
サポーターの怒号がピークに達したのは65分の失点シーンだった。
決定機を外し、倒れ込む興梠を余所に、甲府のカウンターが一気に加速、フリーでボールを受けた下田が、左サイドを駆け上がる伊東にピンポイントパス。伊東がそのまま岡本をぶっち切り右足を一閃、鮮やかなカウンター攻撃で甲府が同点に追いついたシーンだ。
シュートをセーブされ、仰向けに倒れ悔しがる興梠に対して、なぜボールを奪い返そうとしないのか。アシストを決めた下田に対して、なぜ誰もチェックに行かないのか、ディフェンダーの枚数が揃ってるにもかかわらず、なぜカンタンに裏を取られてしまうのか。闘う姿勢が感じられない選手に対して、サポーターからの叱咤激励は続いた。
▼サポーターからの怒号が飛び交う
その後、浦和は、ズラタン、梅崎と、次々に攻撃的な選手を投入し、勝ち越しゴールを奪うべく甲府ゴールに迫るも結局、試合は動かず1ー1のまま終了。身の丈にあったゲームプランを着実に遂行した甲府が、アウェイの地で、貴重な勝ち点1を獲得することに成功した。
この試合を終え4戦未勝利となった浦和だが、リーグ中断期間に開催される東アジアカップに多数の選手を輩出することで、リーグ再開後の真夏の連戦にさらなる不安を残すこととなった。
総力戦必須の戦いを強いられる今後の浦和の鍵を握るのは、この日、欠場した森脇に代わり先発出場した岡本のような控え選手に他ならない。この日は、失点に絡み、負傷退場に終わってしまった岡本だが、ゴール裏の声援の多くは、彼へ向けられていた。
今後起こりうる危機を予見しているのは、チームよりも、これまで幾度の苦境を共にしたサポーターなのかもしれない。
勝村大輔