東アジア杯 北朝鮮代表vs日本代表
▼Jリーガーで構成された新生日本代表
今更何を言うのか。そう言われても仕方はないが、今の代表に足りないもの、それは遠藤保仁に他ならない。ゲームメーカーを置かない、縦への早い攻めが信条のハリルサッカーには緩急が感じられない。遅攻、速攻、あるいはパス回し。決してポゼッションが目的となってしまった前代表の戦術を支持するわけではないが、攻めてはいるが、支配しているようには見えない。現代表にはアジア王者の風格がまるでない。
パワープレーに苦しみ、北朝鮮相手に逆転負けを喫してしまった日本代表。シンガポール戦に引き続き、目を覆いたくなる試合結果となってしまった。
欧州組がいない、過密日程、完全アウェイ、しかも酷暑の中開催された東アジア杯である。言い訳はいくらでも挙げられるが、試合後、ハリルホジッチ監督が語った苦言は、フィジカルの弱さだった。
苦言の焦点は、失点シーンに集約される。同点被弾、逆転被弾とも、途中出場の長身FW、20番のヘディングによりもたらされたものだったからだ。
失点シーンを悔いるハリルホジッチのインタビューに、腑に落ちないファン、サポーターも多いのではないだろうか。そもそもの原因は決定力不足であることに疑いの余地はないからだ。
個の犠牲を強いるハリルJAPANには、意外性がない、アイデアがない、つまり個性が感じられない。どの選手が出場してもクオリティを落とさない、W杯予選の厳しさを警戒する思惑は理解できるが、アジアのライバルたちは想像以上にレベルが高いのだ。
サッカーはミスのスポーツだ…。何処かで見かけた、この言葉が物語る通り、相手を混乱に陥し入れることができない限り得点は生まれない。個を活かすアイデア。相手の意表を突く閃きなくしては、勝利を掴み取ることはできないのだ。
前大会同様、Jリーガーのみで構成された今大会に臨んだ日本代表だが、この大会こそ、今後の戦いに向けての”ターニングポイント”となることは間違いない。だからこそ台頭してほしい。個性輝く選手の活躍を期待したい。
勝村大輔