J1 2nd 第9節 川崎フロンターレvs鹿島アントラーズ(等々力)
▼22632人を動員した満員の等々力。
まず嬉しかった事があった。それはアウェイ鹿島のユニフォームがエンジ色だったことだ。大抵、ホームはチームカラー、アウェイは白。チームカラーが似たような色なら仕方がないが、やはり両チームともチームカラーのユニフォームでピッチに立って欲しい。サッカー馬鹿のささやかな願いが叶ったのだ。
▼今でこそ、チームカラー同士の対戦は珍しい。
さて、2ndステージ首位の鹿島を迎えた等々力球技場、首位さながらの試合巧者ぶりを発揮した鹿島が川崎相手に3ゴール、3ー1で勝利した。
エウシーニョをサイドバックに配置し、今夏新加入のアルトゥール・マイアを先発起用した川崎。大久保をワントップに据え、杉本とアルトゥール・マイアを両サイドに、中村憲剛を前目のポジションに置く超攻撃布陣は前半戦、川崎らしいテンポの良い攻撃で鹿島ゴールに迫るがスコアレスで折り返す。
対する、今節まで5連勝の好調鹿島は、柴崎、小笠原の両ボランチが中盤の攻防に冷静に対処、ボール奪取から素早い攻撃のスイッチで前線を活性化、金崎、土居がサイドに流れカイオ、遠藤が連動する。前掛かりな相手の逆手に取る。
先制ゴールは51分、右サイドを抜け出した土居のクロスをカイオがゴール左に狙い澄まし鮮やかに決めた。
2点目のきっかけも右サイドから生まれた。柴崎が抜け出し、遠藤に繋ぎ、最後は金崎がゴール。
中盤を制圧された川崎は、山本から中野へメンバー交代で対処を試みるも時既に遅し。エウシーニョのゴールで1点を返すも試合終了間際、途中出場の赤崎のゴールで試合を決定付けた。
▼多勢の鹿島サポーターのど迫力のチャントに脱帽
ボールを持たされた、あるいは、踊らされたという表現が相応しいゲーム展開に終始してしまった川崎だが朗報もあった。小林悠の復帰だ。後半途中からアルトゥール・マイアに代わり出場した小林悠は、今試合は得点こそなかったが、ヘディングでのゴールが少ない川崎に違いを生み出せる選手であることに変わりはない。
2ndステージもいよいよ折り返し終盤戦に突入した。スコアこそ開きはあったが、両チームそれぞれが持ち味を発揮し、今後に期待を抱かせる好ゲームだった。この試合に勝利した鹿島は6連勝で首位をキープ。浦和独走の1stステージから一転、広島、鹿島の台頭、そして、調子を上げてきた横浜や柏。益々、Jリーグが面白くなってきた。
勝村大輔