J3 第29節 町田ゼルビアvsレノファ山口(町田市立陸上競技場)
▼5000人を超える観客動員に驚き!?
さて、J3初観戦である。
職場から電車とバスを乗り継いで約1時間。街中の風景から一転、木々に囲まれた野津田公園の敷地内にスタジアムはあった。
さっそくビールを調達すべく、スタジアム外に設置されたグルメコーナーに向かうと、そこには、地元有志の方々の和太鼓の演奏があり、おそらくボランティアであろう方々が蛍光色の帽子を被り、生ビールを注いでくれた。
シルバーウィークということもあってか、会場には、小さなお子さん連れの家族や年配のご夫婦の姿が目立つ。サッカー観戦というよりは、地元のお祭りに来たかのような、そんなローカルな雰囲気があったが、いざスタジアムに一歩足を踏み入れると雰囲気は一変、スタンドには、たくさんの横断幕が張り巡らされ、熱狂的なサポーターのチャントに、臨戦モードが漂っていた。
▼J3 第29節 町田ゼルビアvsレノファ山口
首位山口を、二位の町田が迎え討つ。首位攻防戦に駆けつけたファン、サポーターは5191人。J3にしては、というと語弊があるが、これほど沢山の観客がいるとは、想像もしてなかった。
試合は、一進一退の好ゲームを展開していたが、13本のシュートを放った町田が1得点、8本中3本をゴールに結び付けた山口が、スタッツが示す通りの勝負強さを発揮し3ー1 山口が町田を降し首位をキープ、J2昇格に向けて盤石の勝利を挙げた。
▼チャントを叫ぶサポーター
J1とJ3には大きな違いがあった。それは敗戦ムードだ。首位攻防戦に敗れ、ましてやホームでの敗戦なのに、怒号ひとつ聞こえない。仕方ないという諦めや、どうせこんなもんだという愚痴は聞こえてくるものの、それは選手に向けられたものではない。悔しさを覆うドンマイという風潮は、J1ではあまり感じることはない。
それでもゼルビアは、着実に地域の文化として根付き始めていることを実感した。どうしてそう感じたのかというと、小さな子供たちが、一語一句間違えずに、大声でチャントを叫んでいたからだ。町田市の近隣には、FC東京や横浜Fマリノスなど多くの人気チームがある。それでも、その子供たちにとっては、ゼルビアが一番なのだろう。
この日、このスタジアムならではの風景があった。試合中、大声でチャントを叫んでいた子供たちが、ハーフタイムになると同時に、スタジアムの外に走り出し、公園でサッカーを始めるのだ。
J2からJFLへの降格、そして今J3からJ2への昇格が近づいている町田ゼルビアだが、チームとサポーター、そして地域との絆は着実に深まっているようだ。
このスタジアムに浦和レッズの大サポーターがやってくる。まだ気が早すぎるけど、そんな妄想をしながらスタジアムを後にした。
「J3だって捨てたもんじゃない!!」
勝村大輔