J1 2nd 第16節 ヴィッセル神戸vs松本山雅
▼山雅のゴール裏はいつも満席だ。
遂にこの日が来てしまった。
残り1節を残して、松本山雅のJ2降格が決まってしまったのだ。
今シーズン初のJ1に挑んだ松本山雅。今季ボクは4試合、彼らの挑戦をスタジアムで目撃した。
闘将田中隼磨を中心に守りを固め、一気に前線のターゲットマン、オビナにロングボールを蹴り込む。屈強揃いのJ1勢に対して、弱者の戦いに徹する。反町監督が貫いた身の丈にあった戦術は、序盤戦こそ奮闘するも、もろくも崩れ去る結果となった。
確かに、山雅のサッカーは、J1の舞台では通用しなかった。けれども、他のJ1勢に負けず劣らないこともあった。それは山雅サポーターの存在感だ。ホームスタジアム”アルウィン”での試合は常時満席。ホームゲームはおろか、遠方のアウェイにも関わらず、全国どのスタジアムでも、山雅のゴール裏はいつもチームカラーの深緑色に染まっていた。
山雅サポーターの熱狂ぶりは、確実に今季のJを盛り上げていた。
ボクが山雅びいきになったきっかけは2年ほど前に遡る。チームの奮闘と地域との絆を描いたドキュメンタリー映画”クラシコ”を観てからだ。志半ばで失った松田直樹への情熱を受け継ぎ、あらゆる苦難を乗り越えて、ようやく辿り着いたJ1の舞台。サッカー馬鹿なら誰もが心動かされないわけはない。
残念ながらボクが観戦した4試合では、彼らの勝利を見ることは出来なかったが、サポーターの熱狂ぶりはJ1随一であったことは、間違いはなかった。
特に印象に残っているのは、2ndステージ9節、降格を争う山形との大一番、アルウィンでのホームゲームだった。試合は土壇場で山雅が追いつきドロー、降格へ首の皮一枚繋ぐ死闘だったが、印象に残ったのは試合ではなく、試合後に語り合った熱狂的なサポーターの一言でした。
『J2に落ちることは恥ではない。』
おそらく多くの山雅サポーターにとっては、J1であろうと、J2だろうと、それはチームを応援する理由ではないということだろう。ボクはそう理解した。
俺らは常に挑戦者
横断幕に書かれてるとおり、再び、挑戦者として、松本山雅はJ1の舞台に舞い戻ってくるに違いない。