FIFA ワールドカップアジア2次予選 カンボジアvs日本
▼2-0カンボジアに勝利し年内最終戦を終えた。
2015年の年内最後の代表戦。アウェイに乗り込んでのロシアW杯アジア2次予選。カンボジア戦に勝利し、第6節を終え、2位シリアとの差はわずか1ポイント。辛くもグループ首位で折り返すことに成功した我らが日本代表だが、そこにはかつてのアジア王者の風格は微塵も感じならなかった。
今年1月に行われたアジア杯での屈辱の敗戦。八百長問題に揺れる指揮官ハビエル・アギーレ新体制で臨んだ日本代表は、予選リーグこそ順当に勝ち進んだものの、決勝トーナメント初戦UAEにPK戦で敗れ、ベスト8で大会を去った。尻に火が付いた監督の采配では勝てるはずはない。落胆の日々はここから始まった。
アギーレからハリルホジッチへ、アギーレ解任後、新指揮官に就任したハリルJAPANの船出は一見、順調かに思えた。初陣チュニジア戦に快勝し、その後、ウズベキスタン、イラクに立て続けに勝利。だが、全ての試合がホームゲームだったこと、そして、全ての対戦相手が格下だという点を考慮すれば、及第点という評価が妥当なとこだろう。
ただし、柴崎や宇佐美など、これまで選出されていなかったメンバーを数多く登用したことや、本田、香川に依存するかつての戦術に拘らないハリルイズムは、少しずつではあるが、確実に日本サッカーに変化をもたらしつつあった。
しかし、たとえアジア2次予選でも、見切り発進で通用するほど甘くはない。初戦、シンガポール相手にまさかのスコアレスドロー、その後順当に勝ち進んでいたかに見えた中、行われた今回のカンボジア戦での辛勝。
未だかつてないであろう激動の1年だった。多くのファン、サポーターは、恐らくボクと同意見だと思う。だからこそ最終予選へ向けて、日本代表がどんな進化を魅せてくれるのか、楽しみでならない。
4年前、岡田体制を引き継いだザッケローニは、現有戦力を生かすべく、フルモデルチェンジを避け、マイナーチェンジを選択した。その結果、アジア杯を制し、アジア予選でも危なげない戦い魅せた。全てが順調かに思えたが、結局、ブラジルW杯は惨敗で終わった。
今思い返せば、ザッケローニ体制のピークは、アジア杯だったのではないだろうか。もし、この仮説が的を得ているのであれば、今もがいているハリルJAPANのピークが、ロシアW杯本番であることを願わずにはいられない。
▲ハリルホジッチの目指すサッカーとは・・・。
ハリルホジッチがチャレンジしているフルモデルチェンジは、着実に進化をもたらしつつある。今年の初戦、1月12日のパレスチナ戦と、今年の最終戦、カンボジア戦のメンバーを比較すれば、その違いは明らかだ。
所属チーム探しが難航している川島や、連戦の影響もあるが、この2戦だけを比べても、先発メンバーのうち、実に6選手が入れ替わっている。南アフリカでの快挙を引きずらず、一からのチーム構築を目指したハリルホジッチの理想形は、まだ道半ば。そう考えた場合、ここまでの道程は、必然なのではないか。そう信じたい。
本田、香川の二枚看板からの脱却、ポスト遠藤の発掘。問題は解決したのか、それとも来年に持ち越されたのか。その答えは、最終予選で明らかになる。まずは、激動の2015年を無事に終えることができたことを評価したい。