J1 1st 第5節 湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸
▼開幕から低調が続くベルマーレだが・・・
湘南ベルマーレ1−2ヴィッセル神戸
菊池大介のラッキーな先制点で幸先良く試合を進めた湘南だが、ディフェンスのミスからの失点で流れは神戸へ。その後追加点を挙げた神戸が危なげない試合運びで湘南を降ろした。
リーグ4勝目を挙げ、今シーズン公式戦6勝1敗と絶好調の神戸。この日の敗戦でリーグ5節を終え、未だ勝ち点2と低調が続く湘南。
現有戦力を基盤に、GKキム・スンギュをはじめ守備的な選手を補強し万全の体制で2016年を迎えた神戸に対して、キャプテン永木とリオ五輪日本代表の遠藤航、GK秋元ら主力選手を大量放出するなど、大幅な戦力ダウンが懸念されていた湘南。対極にある両者だが、湘南がこのままシーズンを終えてしまうとは到底思えない。
その理由は、チョウキジェ監督の存在にある。主力選手と共に移籍が噂れていたチョウキジェだが、彼が下した決断は、湘南への残留だった。
リーダーとエース、そして守護神を失ったチーム状態は、会社やお店に置き換えると、その厳しさを身近に感じることができるかもしれない。店長とトップセールスマンとマネージャーが一気に居なくなったのだから、大打撃以外の何物でもない。
この非常事態を乗り切る方法は一つしかない。監督の手腕、会社でいえば社長の采配に委ねられる。
▲湘南スタイルは着実に継承されている。
チョウキジェの戦術は一貫している。それは試合後のインタビューを聞けば一目瞭然だ。
「やるべき事をやるだけ。」「何度も何度も同じ事を言っている。」「自分たちがどうあるべきだか、選手は全て理解している。」言葉尻は違えども、チョウキジェは、勝っても負けても、このようなコメントを残すことが多い。
選手頼みの采配ではなく、チームとしてミッションを共有し、選手全員がそこに向かって邁進する。チョウキジェのチームは、練習と試合、分析と練習を積み重ねることで常に成長し続けているのだ。
チョウキジェが示す、成長型のチームづくりのキーワードは一貫性だ。スタートこそ難しいが、昨夜の試合で何度か見せた、得点を匂わすシーンからは、湘南スタイルが着実に継承されているように見て取れる。運動量と走力で相手を混乱に陥れる、昨季魅せてくれた湘南サッカーが観られる日もそう遠くはなさそうだ。