2002の熱狂を思い出すなぁ。こんな話をしてしまうと、化石の様に扱われそうですが、愛野駅からエコパまでの道程には、当時を彷彿させるモニュメントが其処彼処に点在している。
小田原からこだまに乗り込んで1時間15分程度、掛川から東海道線に乗り換え1つ進むと愛野駅に辿り着くことができる。ボクの自宅のある神奈川県大和市からでは、ナイトゲームだと日帰りは無理だなぁと感じた。だから15時キックオフのこの日のゲームに標準を合わせることにした。
愛野駅からエコパまでは、およそ15分程度で辿り着くが、ボクはさほど時間の経過を感じなかった。その理由は、先に話した2002年日韓W杯を名残に思わず足を止めてしまうからだ。
特に驚いたのは、コレだ。坂道に造られた動く歩道。そして、かなり古びた、何だろうコレ?モノレールかな?FC東京サポーターたちが物珍しそうに近づいて乗り込んでいました。(実際動くんですよ)
山を切り拓いて建てられたであろう広大な高台にエコパはあった。この日はまだ6月というのに、とにかく暑い。試合開始3時間前に到着したボクらの目的は、もちろんキンキンに冷えた生ビールであることは言うまでもない。
そんなボクらの目論見は、みんな一緒なのね(笑)スタジアム前の大広場には、既に多くのサポーターが陣取っていた。中には広場側の芝生の上にテントを張ってる強者までいた。
エコパのスタグル(スタジアムグルメ)は、ご当地色豊かに出迎えてくれる。個人商店や地元レストランが出店するメニューには、バラエティー豊かで、歩き回るだけで楽しい。やはりサポーターは肉食系が多いのか。ガッツリ系のフードには、長蛇の列が出来ていた。
腹ごしらえを済ませ、生ビール3杯をあおったボクらは、試合前のウォーミングアップに登場する選手に声援を送るためキックオフ1時間前には、席に着くことにした。
アウェイ戦でのジュビロサポーターは、何度か目撃したことはあるが、正直なところ、チャントが古臭く感じ、迫力もあまりなかったように思えてたが、この日はさすがのホーム。
上下左右サックスブルーで埋め尽くしたゴール裏のジュビロサポーターの迫力に、ボクの気持ちは完全に持ってかれた。次回は是非ヤマハスタジアムのゴール裏に身を埋めてみたい。そんな衝動に駆られた。
ところが、対岸のガスサポ(FC東京サポーター)のチャントもヤバかった。アウェイにもかかわらず、選手入場時にユルネバ(You’ll Never Walk Alone)を合唱するわ、エコパをホーム化すべく試合中も休むことなくチャントは繰り返された。「なめンなよ」の横断幕さながら戦闘モードが、確実に観戦価値を高めていた。
そして、この日、ボクが注目していた事があった。それはFC東京の選手紹介のシーンだ。2年前、前所属ジュビロのJ2降格後にFC東京に移籍した前田遼一を、果たしてジュビロサポーターは、ブーイングで出迎えるのか。それとも拍手で歓迎するのか。
ジュビロサポーターのピースな応援スタイルに驚いた。移籍後も尚、前田遼一はジュビロサポーターに愛され続けていたのだ。
観戦の目的はもう1つあった。先日行われたキリンカップで日本代表に選出された小林祐希だ。先月、吹田スタジアムでのG大阪戦でのプレーに圧巻し、その後直ぐに代表選出。今、国内で最も目の離せないプレーヤーであることに間違いはない。
でも残念ながら、この日の小林にはキレを感じなかった。疲労と酷暑が襲うこの日のピッチでは、小林だけでない、前線のジェイ、アダイウトン、太田ともにキレがなかった。
磐田0ー0FC東京
結局、試合は疲れの見える磐田に対して、積極的な選手交代で勝点を奪いに出たFC東京の健闘むなしく、スコアレスのまま終了した。
ピースな応援スタイルのジュビロサポーターに魅力された今回のエコパだが、是非次回は、静岡ダービーを観戦してみたい。エスパルスと共にサッカー王国を誇りを取り戻す、その瞬間に立ち会えたらこんなしあわせなことはない。