数字の呪縛から逃れなければ、今そこにある”関係性”を感じることはできない。
「もう数字を追うのはやめよう。」何度そう誓ったことか。未だ数字の呪縛から逃れられない経営者をボクはたくさん知っている。
売上目標を立てる、目標を達成したら、更にその上の目標を設定する。成長ありきという考え方に異論を唱えるつもりは毛頭ない。
ただ、それだけじゃないよね。
スタッフは満足しているのか、お客さんは喜んでいるのか。売上指標だけでは店内の満足値は測れません。
皆が満足しているからこそ売上は上がるわけで、売上が上がったから満足しているのかというと、そうとは限らないからだ。
“ありき”が逆さまになってしまっている。
その癖を治さないと、全てにおいて”数字ありき”が弊害を生むことになる。
SNS一つとってみても直ぐに分かりますよね。フォロワーを闇雲に増やそうとする、インプレッションを上げたくて、やたらと「イイね!」を押しまくり、コメントを繰り返す。残念なことに、その下心が白日のもとに晒されていることにも気付かずに。
売上目標を掲げ、尻を叩くというやり方は、このような横暴を他人に強要するようなものです。当然、疲弊を生み出してしまう。
マニュアルを採用する理由は底上げするためだと主張する経営者もいる。
「ご一緒にポテトはいかがですか?」というフレーズはあまりにも有名ですよね。今思えば「ロボットかよ!」と言いたくなってしまうくらい全員が同じタイミングで同じ台詞を吐く。
これでポテトの売上は上がるのかもしれないけど、お客さんとの関係性は確実に悪化しますよね。出来ない奴を出来るように導きたい、その手法をマニュアルだけに委ねるのは余りにも危険です。
極端な話、売上を上げたいのならば「新商品が発売になりました!」といきなり告知してみたらいい。販売促進なしでどれだけ売れるか。それが今のお店の実力です。
そのお店に絶大な信頼があれば、そのお店のスタッフが愛されていれば、自ずと商品は売れていくはずです。
SNSがなぜ有効なのか、もはや言うまでもありませんね。錆び付いたマーケティング手法は嫌われ、販売促進の手法も大きく変わりつつあります。
指標にすべきは数字ではなく”関係性”です。人はつい目に見えるものを追ってしまいがちですが、残念ながら”関係性”は目に見えません。感じとるしかないのです。
数字はあくまでも一つの指標に過ぎません。大切なことを見誤らないように気をつけたいものです。
〈了〉
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来年のスタートダッシュにいかがでしょうか。
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