サッカー馬鹿

2019.3.18

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飛び級移籍の小野田がリーグ戦デビューで初ゴール!〈明治安田生命 J1 第4節 湘南ベルマーレ2-1ベガルタ仙台〉

明治安田J1 第4節 湘南2-1仙台(BMWスタジアム/9.290人)
43分 小野田 将人(湘南)
63分 山根 視来(湘南)
85分 ハモン・ロペス(仙台)
 
小野田のゴールが決まった瞬間、誰よりも派手なガッツポーズを決めたのは曹貴裁(チョウ キジェ)監督だった。
 
飛び級移籍と話題になった小野田 将人はJFL FC今治からレンタル移籍で湘南に加入。ルヴァンカップで公式戦デビューを果たした。積極的な攻撃参加を見せるなどポジションの枠にとらわれない曹監督好みのCBはついにリーグ戦の舞台に抜擢された。
 
メンバー外となったキャプテン大野 和成に代わり左センターバックに起用された小野田は試合開始から9分、松田 天馬のスライディングに体勢を崩した相手選手からボールを奪った小野田はそのままドリブルで前線に切り込み対峙するシマオ・マテをフェイントでいなし挨拶がわりのミドルシュートを放つ。FW経験を持つ小野田はディフェンダーながらに持ち前の得点感覚を見せつけた。
 
試合は拮抗する時間帯がつづいたが43分、ついに湘南が均衡を破る。ディフェンスラインから小野田がドリブルで持ち出すと、オープンスペースを見つけそのままペナルティーエリア付近までするするっとボールを運ぶ。相手を引きつけながら一旦左サイドの山崎に預けてゴール前にスライド、山崎がダイレクトにグラウンダーのクロスを送ると、走り込んだ小野田が体勢を崩しながらスライディングシュート。このシュートがGKシュミット・ダニエルの左手を弾きゴールネットを揺らす。
 
殊勲のゴールを決めた小野田の起用の理由を「岡田(武史)さんからそろそろ使えと言われたので(笑)」とおどけた曹監督だが、会心のガッツポーズは”狙い的中”の証に違いない。
 
ディフェンダーが得点に絡むシーンは、全員攻撃全員守備が信条の湘南スタイルにおいてさして珍しいことではない。
 
1点ビハインドで前半を折り返した仙台は梁 勇基と長沢 駿に代えて阿部 拓馬と吉尾 海夏を同時投入。後半開始から攻撃的な選手の二枚替えで攻勢に打って出た仙台だが、スコアを動かしたのは湘南の方だった。
 
62分 自陣でボールを奪った梅崎 司が松田に受け渡し、前目の齊藤未月につなぐ。左サイドを駆け上がる梅崎が再びボールを受けるとそのまま前線に持ち出し中央を切り込む。相手を引きつけてからペナルティー手前中央で待ち構えていた山根 視来へパスを送ると、 巧みなトラップから左足一閃、サイドネットに突き刺すファインゴールが決まり湘南が追加点を挙げた。
 
「前にスペースが空いていたので」とゴールシーンを振り返った山根だが、この日湘南が挙げた2ゴールはいずれもセンターバックの果敢なオーバラップが生み出した得点だった。
 
積極的なプレスでボール奪取を試み、すぐさまカウンターに転じる。これまでも走力で相手を圧倒するサッカーを展開してきた湘南だが、特筆すべきはカウンターの精度だ。細かいパス交換を生み出す精度の高いカウンターは選手間の距離、選手同士の意思疎通がなければ体現することはできない。シャドーの梅崎が自陣でボールを奪い、センターバックの山根がゴールを決めた2点目の得点シーンはまさに全員攻撃全員守備の真骨頂だった。
 
追い込まれた仙台は85分、途中出場のハモン・ロペスの得点で迫るも、湘南はその直後に梅崎から秋野 央樹にスイッチ、89分に松田に代えて中川 寛斗を投入し試合をコントロール。逃げ切った湘南がリーグ戦の連敗を2でストップ、開幕戦につづく2勝目を挙げた。
 
戦前、連敗中にもかかわらず、曹監督はポジティブなコメントを残しつづけていた。「開幕2試合で4点取れているということはこれまでになかったので、非常にポジティブに考えたい」と攻撃面において手応えを掴んだ第2節 東京戦を振り返れば、数的不利の中、アジア王者相手に惜敗した第3節 鹿島戦を「非常に清々しい気分」と語っている。
 
試合内容に自信をのぞかせる背景には、ミッドウィークに行われたルヴァンカップでの新戦力の台頭が大きくかかわっていると想起できる。
 
なぜならこの日ピッチに送り込まれたメンバーの中には、水曜日行われたルヴァンカップGS 横浜FM戦の勝利に大きく貢献した高卒ルーキー鈴木 冬一がリーグ戦プロ初スタメンを飾れば、同じくJリーグデビューの小野田、カップ戦で調子を上げてきた梅崎が名を連ねたからだ。さらに横浜FM戦で活躍した秋野も途中出場を果たしている。
 
横浜FM戦の新戦力の躍進に「メンバーを選ぶのにこれで難しくなった」とこぼしていた曹監督はその勢いのままに調子の良い選手を次々にピッチに送り込む。選手層の厚みに加えて熾烈なポジション争いを繰り広げる湘南は確実にステージを上げていくだろう。
 
(勝村 大輔)

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