サッカー馬鹿

2019.6.15

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広島の猛攻を前に”らしさ”沈黙。リーグ3連敗も「間違っていない」〈明治安田生命J1第15節広島2-0湘南〉

 
明治安田生命J1第15節 サンフレッチェ広島2-0湘南ベルマーレ(エディオンスタジアム/6491人)
67分 ドウグラス・ヴィエイラ(広島)
88分 稲垣祥(広島)
 
とにかく広島の強さが際立った試合だった。
 
代表ウィーク明けの第15節、2週間の中断期間を経てピッチに送り込まれたスタメンは前節から7人変更。U-20W杯から齊藤未月と鈴木冬一が戻り、出場停止の山崎凌吾と負傷明けの大野和成が復帰。長期離脱から復活した金子大毅が待望の今季初スタメンを飾った。その一方で、梅崎司や岡本拓也など主力選手のメンバー外が気になるところでもある。
 
スタートはデフォルトの[3-4-2-1]。主だった変更点は両翼のウイングバックとボランチだ。センターバックの小野田将人を左ウイングバックに置き、鈴木冬を右で起用。開幕以来、ダブルボランチは齊藤未月と松田天馬のコンビが定着していたが今節は復帰の金子を抜擢。
 
この試合に先立ち、”縦への意識”をテーマに掲げた湘南は、高い位置からのボール奪取を試み、奪った瞬間、縦への効果的なパスで一気に打開を図る。こうした狙いは序盤こそチャンスを作り出していたが、それ以上に広島の猛攻の前に再三のピンチを招いてしまう。
 
これまでも前がかりの両ウイングバックの背後を突かれるシーンは目立っていたが、そこに加え後方から次々に飛び出してくる選手を捕まえ切れず幾度も決定機を作られたが、GK秋元陽太が好セーブを連発し前半をスコアレスで折り返す。
 
「自分たちの時間が長くなるような戦いをしなければいけない」試合後にこう語っていた曹監督たが、広島の緩急をつけた攻撃に翻弄され続ける湘南は完全に後手に回ってしまった。そして先制を許したシーンは一瞬の隙から生まれてしまう。
 
相手FKのこぼれ球を収めようとした武富孝介が狙われボールロスト、そのボールを奪い返そうと出した足が相手に引っかかってしまいPKを献上。このPKをドウグラス・ヴィエイラに決められ先制を許してしまう。
 
追いすがる湘南は古林将太、松田天馬、鈴木国友と立て続けに交代カードを切るが88分に稲垣祥にゴールを決められ万事休す。この広島の追加点のシーンは観るも鮮やかな連携だった。逆に湘南にとっては目を覆いたくなる失点シーンでもある。
 
一本のパスでウイングバックの背後を突かれ加速を許すと、マイナス気味に放り込まれたクロスに後方から飛び込んできた選手がピタリと合わせる。このゴールシーンは広島の狙いどおりの形であり、湘南サポーターにとっては何度も目にしてきた屈辱の再来でもある。
 
これまで一貫した攻撃的なスタイルを継続している湘南だが、良くも悪くも今季これまで残してきた数字はこのスタイルの特性を顕著に表している。それは昨季とは比較にならないほど量産してきた得点数であり、その代償として積み上がった失点数だ。
 
ハイラインは攻撃に厚みを生み出す傍ら、背後に膨大なスペースを与えてしまう。そんなことは分かりきったことだが、これほど同じパターンでの失点シーンを見つづけていると、本当にこのままでいいのかと疑念を抱いてしまう。
 
それでも収穫はあった。ひとつは左サイドで奮闘した小野田だ。持ち前の前への推進力で攻撃を牽引した小野田は惜しいシュートを放つなど存在感を示した。もうひとつは「日本を代表する選手になって欲しい」と曹貴裁監督が期待を寄せる金子の復帰だ。まだフィットしてるとは言い難いが昨季後半に見せた活躍を考えれば台所事情の厳しい今の湘南にとって大きな追い風となるはずだ。
 
この敗戦により湘南はリーグ3連敗となった。厳しい台所事情もあるのだろう、それでも頑として己のスタイルにこだわる湘南の選手たちは口々に「間違っていない」と口を揃える。その秘めた信念をピッチで表現できた時、湘南の逆襲が始まるのだろう。

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