明治安田生命J1第20節 コンサドーレ札幌5-2湘南ベルマーレ(厚別公園競技場/9055人)
18分 進藤亮佑(札幌)
21分 ジェイ(札幌)
36分 大野和成(湘南)
71分 ジェイ(札幌)
80分 A・ロペス(札幌)
84分 チャナティップ(札幌)
90分+4 野田隆之介(湘南)
「大敗したほうがすっきり顔を洗って、2週間後の次の鹿島戦に向かえるということもあります。」と潔く敗戦の弁を述べた曹貴裁監督。
精度が高い福森晃斗のピンポイントクロス、なんでもないセンタリングをヘッドでねじ込んでしまうフィジカルに優れたジェイ。圧巻の3ゴールにただただ傍観するしかなかった。これが正直なところだろう。
追いすがる湘南はリスク覚悟で攻勢に打ってでるも、逆に空いたスペースをチャナティップらに使われてしまい駄目押しの2失点を喫してしまう。
湘南は大野和成のゴールと野田隆之介が試合終了間際のヘッドで一矢報いるも結果は2-5。完敗だった。
この日の湘南は連勝の勢いそのままに前節と同じスタメンで臨んだ。注目の新戦力からは金沢から完全移籍の毛利駿也とレバークーゼンU-19から加入の18歳、トカチがベンチ入り。ここ2試合でアシストを記録している古林将太は引き続きスタメンに名を連ねた。
ここ2試合、サイドからの攻撃が際立っていただけに、両ウイングバック古林と杉岡大暉の奮闘に期待が集まる湘南だったが、対峙する札幌の両翼、菅大輝と白井康介を前に沈黙。
後半開始早々に決定機を演出した古林だったが、それ以外に目立った活躍を見せることはできず「攻撃の最後のフィニッシュの部分など、もっと精度を高めなければいけないですし、ディフェンスもワンチャンスでやられてしまった。」と反省を口にした。左サイドの杉岡に関しては、白井にぶち抜かれ失点に関与してしまうなど精彩を欠いていた。
3バックの脇、ウイングバック背後のスペースを突かれ失点を招いてしまう。コンパクトな陣形を前がかりに保つ湘南にとってこのスペースが急所になってしまうのは仕方がないのかもしれない。それだけに両サイドにおける攻防は試合の行方を左右する大きなポイントになる。このポジションはこれまでに小野田将人や鈴木冬一を起用するなど試行錯誤が続いているが、離脱中の岡本拓也の早期復帰が待ち遠しいところだ。
そしてこの試合において最も注目を集めたのは、やはり途中出場を果たした新戦力トカチだろう。67分、金子大毅に代わってピッチに立ったトカチは左サイド前目のポジションに配置。プレー機会は幾度かあったが試合にはまったく入っていけず残念ながら存在感を示すことはできなかった。
結果的に前がかりになったところを突かれ大敗を喫した湘南だったが、リスク覚悟で攻め入った曹監督の試合終盤の采配はひとつの見どころだった。ボランチを一枚削り、シャドー武富孝介のポジションを1つあげてツートップ気味に配置。自由度が増し果敢に攻め入った松田天馬だったが、左サイドに押しやられたトカチは完全に孤立。効果的なシステム変更とはならなかったが、この日のベンチ入りはならなかったが、もし新加入のクリスランと山崎凌吾のツートップが実現したら?そんな妄想を抱かせるシステム変更だった。
このあと2週間のインターバルを挟んで再開されるJ1リーグ。湘南にとっては、菊地俊介、岡本拓也、坂圭祐ら主力の戦列復帰も待ち遠しいところだが、クリスランをはじめとする新戦力と既存メンバーとのフィットが目下の課題だろう。第20節を終えた時点で12位、自動降格圏内のチームとの勝ち点差は「6」。連敗が許されない状況がつづいているが、リーグ再開後の巻き返しに期待したい。
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