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2019.12.14

「カスハラ」から身を守るために、お店がとるべき3つの対策とは?

「カスハラ」とは「カスタマーハラスメント」の略。客からの暴言や迷惑行為、常識を逸脱した悪質なクレームなどにより従業員が精神的苦痛を受けることをいう。

本記事では「カスハラ」から身を守る、お店がとるべき対策をお伝えします。

こんにちは 勝村大輔(@gunners5050)です。

この記事を書いているボクは、人口20万人の市内で20坪ほどの小さな美容室を営んでいます。お店はまもなく開業から15年目を迎えます。

当店はこれまでの14年間で、一度も「カスハラ」に遭ってません。

「・・・?」

いえ、数回「カスハラ」寸前のクレームを受けたことがありました。

これについては後述します。

さて、先日、Twitterのトレンドワードに「#カスハラ」が挙がっていました。

何やら、日テレの情報番組『スッキリ』が取り上げたことが引き金になっているらしい。

主なツイートは下記のとおりです。

 

言葉を失うほど、酷い。

というより、本当なこんな事が日本で起きているのかと目を疑ってしまうほどです。

最近では「カスハラ」と並び、『飲食店 ドタキャン』も話題になってますよね。

「飲食店 ドタキャン」とは、飲食店などで予約した客が連絡せずに来店しない「無断キャンセル」を指します。

ドタキャンを食らったお店は、見込んでいた売上を失うだけでなく、準備した食材や人件費が無駄になり損害を被ります。

この件に関しては、お金すら支払っていないので、お客でもなんでもありません。威力業務妨害の類に該当します。

既に裁判で決着がついた案件もあり、メール記録や電話番号などの証拠さえ残っていれば、そのほとんどが原告側(お店側)に勝訴が言い渡されているそうです。

ただし、被告の身元特定に興信所を利用しなければならない事情が伴い、たとえ被害額が戻ってきたとしても、そのお金のほとんどが興信所に支払う調査費用で相殺してしまうのが現実だそうです。

このように、昨今、お店とお客さまとのトラブルは頻発しています。

それらは、厚生労働省が対策に乗り出すほど、大きな社会問題になっている。

ではどうしたら、このようなトラブルに巻き込まれずに済むのでしょうか。

お店が講じるべき対策は下記の3つです。

  1. お客を選ぶ
  2. 事前説明&確認作業を徹底する
  3. 適正価格で販売する

ひとつずつ解説します。

1. お客を選ぶ

お客を選ぶことは悪いことではありません。

むしろ、親切です。

お客を選ぶということは、

「当店が提供する商品やサービスは”このような方”に喜んでいただけます。」

と、お伝えすることです。

ニュアンスは似てますが、ドレスコードのような厳格な規定を設ける必要はありません。

まずは、お店に相応しい(来て欲しい)お客さまを想定する。

そのお客さまが好む雰囲気を演出します。

だからといって、外観やインテリアを変える必要はありません。

例えば、

  • BGMを変える
  • 装飾品を変える
  • 接客やオペレーションを工夫する

一輪挿しを飾るだけでも、お店の雰囲気をカンタンに演出することができます。

大切なのは、自分好みではなく、お客さまの好みを意識した雰囲気を醸し出すことです。

お店に相応しいお客さまに喜んでもらう一方で、お店に相応しくないお客さまに”場違い”を認識してもらう。

ミスマッチを未然に防ぐことで「カスハラ」を回避することができます。

2. 事前説明&確認作業を徹底する

とはいえ、お客を選べない業態もあります。

お客を選べない店舗には、不特定多数の客が訪れるので、残念ながら「カスハラ」が起こる可能性は高いです。

こうした業態の場合は、起こり得るトラブルに先回りして、約款を作成しておく、あるいはシミュレーションするなど、事前に備えておく必要があります。

さらに、防犯カメラの設置や、お客さまとのやり取りを録音しておくなど、もしもの時の備えて証拠を抑えておくのがベストです。

それでも、理不尽な言いがかりや、悪質なクレームに見舞われた時は、速やかに警察に通報することをお勧めします。

まずは、従業員の身を守ることを最優先に行動することです。

しかし、初歩的な対策として、事前説明は徹底すべきです。

ボクの美容室で起きたクレームも、お客さまの「聞いてない!」からはじまりました。

クレームが起きた経緯をカンタンに説明すると、

1回限りのサービスを実施したところ、2回目も1回目と同じ価格でサービスを受けられると誤解を招いてしまい、クレームに至りました。

問題は、説明不足ではありません。

“言った言わないの状況”を作ってしまったことが失敗でした。

お客さまの「聞いてない!」を回避するために、事前説明と確認作業を徹底しなければなりません。

そもそも「お客さまは説明など聞いていない」という前提を忘れずに。

3. 適正価格で販売する

「カスハラ」がもっとも起きやすい業態は、

不特定多数の客を相手に、
安さを売りにしている店舗です。

理由は2つあります。

1つ目は、こうした業態は「薄利多売」が目的なので、客が集まりやすい。

2つ目は、安い商品やサービスには、安く提供できるだけの理由があるからです。

つまり、クレームを生みやすい商品を、多くの客に販売するのですから、当然、「カスハラ」の発生率は高まります。

ここでお伝えしたいことは、

「カスハラ」を回避したければ、まずは、こうした業態で働かないこと。

そして無闇な安売りは避けるべきです。

適正価格での販売を心がけましょう。

加害者に「カスハラ」の認識はない。

最後にお伝えしたいのは、

「カスハラ」の加害者には、そもそも「カスハラ」を犯している認識はないということ。

以前、市役所などの公共機関で、大声で職員を罵倒している人を見かけました。

事の詳細は知りませんが、言葉の端々から、

「自分は正義だ」
「自分には文句を言う権利がある」

というような主張を繰り返し訴えていることは分かります。

公共機関で文句を言う人は、たいてい

「税金払ってるだろ!」

という根底があるように思えます。

でも、そういう人に限って、大した金額を納めてません。

あなたにも「税金払ってるだろ」というおごりはありませんか?

正直なところ、ボクにはありました。

だから、この光景を目の当たりにした時に、

「あ〜 自分もこうなってしまう可能性はあるな」と自覚しました。

それと同時に、受けている恩恵に感謝しないといけないなと反省しました。

「カスハラ」にまつわる一連の騒動を俯瞰すると、

「オレは金払ってるんだぞ!」という傲慢な客がいて、「お客さまは神様じゃない!」と主張するお店があります。

たしかに、お客さまは神様ではありません。

ですが、それは、お店はお客さまに感謝しなくてもいいということではありません。

「カスハラ」を肯定する気は微塵もありませんが、もしかしたら、こうした騒動の根底には、お店側の配慮も欠けていたのではないかとも思えます。

そして何よりも、日本人の民度の低下が嘆かわしい。

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