今シーズンから2ステージ制が復活したJリーグに賛否両論が巻き起こっていましたが、いざ始まってしまえば、そんなことはどうでも良くて、むしろ、短期決戦ならではの熱戦を楽しむのも悪くはないなと思う。混戦必須の短期決戦ですから、当然勝ち点の重みも増すわけで、一戦にかける意気込みは、チームのみならずサポーターも同じだ。
Jリーグ第8節、現在リーグ3位。好調川崎Fが迎え撃つのは、ACLグループリーグ突破を決め勢いに乗る柏レイソル。
水色一色の等々力球技場の片隅に追いやられ当然の如くアウェイの洗礼を受けるレイソルサポでしたが、彼らが叫び続けるチャントは、90分間一度も鳴り止むことがなく、確実に選手を後押ししていた。
同じ関東圏のチームとはいえアウェイにまで乗り込むサポーターは、やはり強者揃いなのでしょう。彼らの一体感はハンパなく、声援というよりはチームと共に戦っているように映るのはきっとボクだけではなかったはず。ゲームを支配したのはチームだが、スタジアムを支配したのは、間違いない、レイソルサポでした。試合は、先制点こそ奪われたレイソルでしたが、その後すぐに追いつき、2G1Aを記録した工藤の活躍で、4ー1、柏レイソルの圧勝劇で幕を閉じました。鈴木、エドゥアルドの屈強なセンターバックを中心にしっかりと守り、カウンターから工藤が相手の背後に走り込み、確実に得点を奪う。アウェイらしい戦いで難敵川崎Fを撃破したレイソル、そして圧倒的な存在感でアウェイをホームの雰囲気に変えてしまったレイソルサポ。アウェイこそ、チームとサポーターの一体感が勝利への推進力になる。そのことを強く実感しているのはアウェイに乗り込むサポーター自身なのではないでしょうか?
Jリーグの発展に欠かせないこと、それはACLで優勝することでも、チーム数が増えることでも、スポンサーが増えることでもない。サポーターをもっともっと増やすこと。Jリーグを支えてるのは、スタンドを埋め尽くす観戦者ではありません。どんな敵地でも乗り込む、チームと共に歩むことを誇りに感じている熱狂的なサポーターなのですから。この日のアウェイに乗り込んできたレイソルサポの声援に感動さえ覚えました。
そういった意味合いでは、2ステージ制に移行した改革は、成功したのではないかとボクは思う。これまで培ってきたホームの一体感に加え、アウェイの醍醐味を作り出すことができた。今後もっともっとビジター席が、アウェイに乗り込むサポーターで埋め尽くされるようになれば、Jリーグはおのずと進化を遂げるのではないか。
勝村大輔