サッカー馬鹿

2015.10.15

川崎の貫禄勝ちに想うこと。【天皇杯 3回戦 川崎vs京都】

天皇杯 3回戦 川崎フロンターレvs京都サンガ

▼天皇杯も川崎サポは熱かった。
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名古屋、福岡を破り見事ベスト16入りを果たしたJ3町田、鹿島との茨城ダービーを制したJ2水戸、そして新潟との撃ち合いを制したJ2徳島。

J1勢の苦戦が相次ぐ今年の天皇杯において、格下相手に圧巻の横綱相撲を魅せたチームがいた。

川崎フロンターレだ。

京都を迎えた等々力球技場、平日開催とはいえ、二階席を封鎖するほどまばらな観客動員は5000名を超える程度。通常の三分の一にも満たない関心の薄さに、正直驚いた。

何が起こるかわからない、ノックアウト方式で行われる天皇杯の醍醐味は、やはりジャイアントキリングである。

弱者が強者を覆す。サッカーファンの多くはジャイアントキリングを期待し、その一方で、サポーターは、挑戦者を完膚なきまで叩きのめしたい。傍観者と当事者、それぞれの感情が入り混じる、この独特な空気感こそが、天皇杯ならではの醍醐味ではないかと、ボクはそう思う。

▼大久保の闘志溢れるプレー
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それにしても、この日の川崎は強かった。その象徴的な存在が大久保嘉人だった。

華麗なパスワークで相手ゴールを陥し入れる、川崎のサッカーに対し、引いて守り、カウンターで一気にゴールを狙う、弱者のサッカーに徹した京都。試合序盤は完全に京都ペースではなかっただろうか。

ただ、ここ一番で決めきれない、決定機をものにできない京都に対し、左右にボールを散らし、ディフェンスの裏を狙う。相手の急所を見極め、冷静に機をものにする、22分の大久保の先制ゴールと、82分の小宮山の追加点のシーンは、共に完璧に相手を崩した美しいゴールだった。

攻撃だけではない。この日は、ファールこそ取られてしまったが、守備に奔走する大久保の姿が印象的だった。ガツガツくる相手に、それを上回る姿勢を示した大久保のプレーが、実は勝敗を分けたのではないかとさえ感じた。

先日、病状の奥様を励すために坊主頭にしたという報道があった影響かもしれないが、この日は、坊主頭の大久保の男気溢れるプレーばかりが目に飛び込んできた、というよりは、大久保嘉人本来のプレーを堪能できたような気がしてならない。

川崎の貫禄勝ちを目の前に感じたことは、こんなことだった。

勝村大輔

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