Jリーグ・プレーオフ
J1年間王者サンフレッチェ広島がチャンピオンシップで圧倒的な強さを示し、死闘を制したアビスパ福岡がJ1昇格を決め、町田ゼルビアが悲願のJ2復帰を果たした。
この日を最後に今季のJリーグ全ての日程が終了した。ナビスコ杯、天皇杯を含み、33試合をスタジアムで観戦したボクのJ2015観戦記が終わった。
今季を振り返り、先ず脳裏によぎったのが、チーム力というコトバだった。個の力ではない、チーム力が勝敗を分けたと言っても過言ではない。
タレント軍団と叫ばれつつ、あと一歩のところでJ1昇格を逃したセレッソ大阪の失墜、日本代表選手が一人もいないサンフレッチェ広島の躍進こそがそれを象徴してるようでならない。
相次ぐスター選手の海外移籍、そして、アジアで勝てない若年世代。リーグの中心が今も尚かつての英雄であることが問題ではないか。そんなサッカーファンの声が聞こえてきそうだが、一旦スタジアムに足を踏み入れると、それがオールドサッカーファンの戯言だということに、気づくことができる。
J3創設や2シーズン制、チャンピオンシップの導入により、観客動員アップにテコ入れをした今季のJリーグは、その影響か否か今のところ定かではないが、一つ大きな変化があるとしたら、それは松本山雅のJ1初挑戦、それに伴う群を抜く観客収容率ではないだろうか。
82.5%と、断トツの収容率を記録した松本山雅は、浦和レッズやFC東京、横浜Fマリノスなど観客動員数上位常連のクラブには、数こそ及ばないが、常時満員のスタジアムがもたらす効果は絶大だった。
満員のスタジアムがもたらす効果、それは、サポーターの熱狂度を高めたこと、そして、それが波及したことで生まれるサポーターとチームの一体感だ。
埼玉スタジアムや日産スタジアムのようなビッグスタジアムにはないこの一体感こそが、リーグを盛り上げた大きな要因になったことは、実際にスタジアムに足を運んだ者にしかわからないかもしれない。
松本に続き、収容率で台頭したのは、柏、清水、湘南、甲府ら、奇しくも観客動員数では下位を彷徨うクラブが多いことが驚きだ。
これはあくまでも個人的な見解に過ぎないが、サポーターの熱狂度を高めたのは、新システムの導入ではない、圧倒的な一体感を見せつけた中堅クラブの企業努力だったのではないだろうか。
日本には、今のところ、欧州各国リーグを牽引するビッグクラブのような圧倒的な実力者はいない。そのことがアジアで低迷する要因であることに疑いの余地はない。それを欲する声が識者などからは多く聞こえてきそうだが、それはまだ時期尚早なのかもしれない。
今季を象徴した地域性の高さこそが、日本の独自性であり、日本サッカーの礎なのではないでしょうか。こんなことは考えたくもないが、現実に、今の代表は、アジアの舞台でも苦戦が続いているし、もしかしたら今後勝てない時期が続くかもしれない。そうならないためにも、今は独自の文化を構築すべきではないだろうか。そのきっかけが今季のJリーグの姿にあった気がしてならない。