FIFA CWC 2015 開幕戦 サンフレッチェ広島vsオークランドシティー
▼”FIFA”が世界を実感させる。
FIFAクラブワールドカップ(CWC)が開幕した。
正直なところ、この大会にさほど興味があるわけではないが、2年振りのホスト国になったことをキッカケに、再び観戦意欲に火がついた。そんなサッカーファン、多いのではないだろうか。
そもそもこの大会の意義は何だろうか。FIFA公認の世界大会というわりには、世界中から観戦者が訪れるわけでもないし、一企業名を冠に置き、一民放が放映権を独占するあたりに、興行的な意味合いが色濃く伺える。会場の日産スタジアムもこの日は、横浜国際陸上競技場と名称を変え、メインスポンサーのトヨタに配慮するのならば、いっそのことトヨタスタジアムで開催したらいい。そんなシラけた空気も回を重ねるごとに払拭されつつはある。
それだけ、クラブワールドカップというよりは、前身のトヨタカップに想いを馳せるサッカーファンが日本には数多くいる。南米対欧州、名だたるスタープレーヤーの競演、そして数々の名シーン。サッカー途上国だった当時の日本で、一流のサッカーが満喫できる。ある意味、前身こそが興行目的だったわけです。
▲日本からは、開催国枠でサンフレッチェ広島が出場
しかし、今回スタジアムに足を運んでみて気がつきました。CWCは、世界との真剣勝負の場であると。世界におけるアジアの立ち位置を向上させるために、これほど絶好の機会はない。華麗なるバルサのフットボールよりも、リバープレートの果敢なるアタックよりも、アジア王者広州恒大と我らが日本代表のサンフレッチェ広島が、世界相手にどれだけ躍進できるのか。回を重ねるごとに興味の対象も変わりつつある。
開幕戦に臨んだサンフレッチェ広島のスタメンから、森保監督の決意が見て取れた。ワントップに皆川、その下に浅野と野津田を配し、この日は、佐藤寿人やドウグラスら主力を温存。若手中心で挑んだ戦いには、ベスト4進出への目論見を感じることができる。
試合は、森保監督の期待通りに若手が躍動。オセアニア代表オークランドシティを寄せ付けず2ー0、完勝を収めた。
Jリーグ王者の実力はダテではない。青山のゲームメイク、浅野のスピード、野津田のパワー、柏の切れ味鋭いドリブル突破。ミスからピンチを招くシーンもあったが、流石の試合運びには、王者の風格が漂っていた。
さて、本番はこれからだ。次戦ベスト4を懸けたアフリカ代表のマゼンベ戦、ベストメンバーで挑むであろうサンフレッチェが、どれだけの戦いを魅せてくれるだろうか。
今大会のサンフレッチェは、開催国枠というオマケでの出場だが、是非ともアジアの強さを世界へ見てつけて欲しい。そのためには、まずはベスト4進出を願いたい。