サッカー馬鹿

2017.11.13

集え!スタジアムへ!ゴール裏女子サポーターのススメ<ものまね芸人 シンディー・インタビューVol.2>

集え!スタジアムへ!ゴール裏女子サポーターのススメ<ものまね芸人 シンディー・インタビューVol.2>

「試合終了後DAZNの抜かれ方を知っているセレ女」「味スタにてハーフタイムのトイレ待ちで話しかけてくるFC東京のお母さんサポーター」「もしも中島美嘉さんが川崎フロンターレのチャントを歌ったら」など。

「ゴール裏女子サポーターものまね」も持ちネタに、黒柳徹子さんのものまねを中心にテレビやラジオなどで活躍中の、シンディーをご存知だろうか。

もしあなたがJクラブのサポーターなら、試合当日のスタジアムイベントで、彼女の芸を目の当たりにしたかも知れない。現在、彼女は、川崎フロンターレをはじめ、モンテディオ山形やFC町田ゼルビア、ツエーゲン金沢など、全国各地のスタジアムイベントに引っ張りだこなのだ。

そんなシンディーが初めてスタジアムに訪れたのは2011年、自身が山形県出身ということもあり、モンテディオ山形戦を観戦。初観戦で、いきなりゴール裏の熱狂地帯に連れてこられたシンディーは、その場での熱狂に戸惑いながらも、この日を境に足繁くスタジアムに足を運ぶようになった。

サッカーのルールも分からない、山形にJリーグクラブがあったことも知らなかったという彼女だが、次第にサッカー観戦に魅了されていったという。

以来、彼女は、「サッカー観戦の魅力を伝えたい!」「サッカースタジアムは、女子一人でも楽しめる場所である。」ことを伝えたくて。自主的に啓蒙活動を始めた。そのコンテンツの一つが『女子サポーターものまね』なのだ。

今回、シンディーさんとの対談を通じてお届けしたいのは、Jリーグ隆盛のヒントである。

「満員のスタジアムを実現するには、女子のハートを掴むことが必要。」だと彼女は言う。サッカーに熱狂する女子サポーターが一人でも増えるように、女子サポーターが安心してスタジアムに来られるように。自身の体験に基づいて、シンディーに御指南いただいた。

本稿はVol.2です。
Vol.1はコチラからどうぞ。

女子サポを増やすために。

――たくさんの女子サポーターがスタジアムに来るために、どんな事が必要だと思いますか?先日、FC岐阜の取材に行った時に、『スタジアム女子ミーティング』というイベントを開催されました。試合前に50人の女子サポーターを集めて、意見を言ってもらうという企画でしたが、おもしろい意見がたくさんありまして。託児所を設置して欲しいとか、レンタルユニフォームがあったらいいのにとか。

(シンディー) そう!私もずっとそれを思っていて!レンタルユニいいですよね。

 

――あとはインスタ映えとか。普段持ち歩けるような可愛いグッズが欲しいとか。それよりも、このイベントに50人もの女子サポーターが参加してくれた、この数に驚きましたね。

(シンディー) 本当に素晴らしいと思います。私は一人で行っていたので、二人になればより安心できるし、三人になれば、その中の一人がどこかへ行っても一人で待つことはないし、それが4人になれば、何かあっても2―2でも分かれられるし、だから増えていけば増えていくだけ安心する。周り見たらおじさんですもんね(笑)ゴリゴリに応援しているおじさんで、野次ももちろんあるから、そういうのが恐いとか。だからこそ、女子は多いに越したことはないかな、と。

ただそれは集まりましょうと言って集まった結果であって、結局『集めるには』、ですよね。

 

――スポーツ観戦を興行としていかに楽しんでもらえるか。特にJ2クラブはこういった企画・イベントに積極的ですし、充実度が高いですよね。ご自身の経験も含めて、どうしたら女子サポーターが増えるでしょうか?

(シンディー) 誰からも頼まれていないし、私が勝手に山形のお客さんを増やしたい、そのためにどうしたらいいだろうかを考えています。自分の地元にチームがあることを知ったのは2011年、ビックリするくらい知らなかったし、まさか地元にJリーグクラブがあるなんて、本当に知りませんでした。だけど知ってしまった以上、なんとか盛り上げたい!みたいな(笑)

みんなからは、何でそんなに頑張るの?って。確かにそうだな、何で頑張ってるんだろうとたまに思うんですけどね。ディーオの被りものを被って、芸人で貧乏していますけど、夜行バスとか安いボロッボロのホテルとか、最悪、夜行バスでとんぼ返りすることもあります。そこまでして山形を応援して。たまに自問自答とかする時も正直あるけど、でもやっぱり自分の生まれ育った街にクラブがあること。

これは別にJリーグだからとかではなくて、カテゴリーに関係なく、ゴール裏にいきなり連れて行かれた時から、きっと応援していたのかな。だって最初、私が応援していた時、山形はJ1だったんですよ。でもその時からJ1だから応援しようという感覚はなかった。というよりカテゴリーも知らなかったから。J1、J2、そんなのあるのって。そのもっと下があることも全然知らなかったので。

正直、選手に対して、もちろんすごいと思うし応援はしていますが、誰々選手が好きみたいな、それは無いんですよ。モンテディオ山形が好き、モンテディオ山形の選手が好き。サッカーを応援している山形県に来るみんなが好き。結果、相手のチームを含めてスタジアムの空気が好き。私のような女子サポが一人でも増えてくれれば、これほど嬉しいことはないですね。

 

女子サポが抱える心理的ハードル

――日本代表戦に来る、コスプレしている女の子についてどう思う?

(シンディー) 私はそれでいいと思います。サッカー好きな人からしたら、ワールドカップに出るか出ないか重要な試合なのに、なにチャラチャラしてるんだと思う人もいるかもしれない。

でも、後半戦途中で、本日の来場者数が大型ビジョンに表示されるじゃないですか。5万、6万人とか。この数字は、サポーターだけで成し得るでしょうか?

サッカーに興味無い人、サッカーをいつも観ない人、代表戦だからお祭り感覚で来てる人、そういう人たちを含む数字です。どんな目的であろうと、お金を支払ってサッカー観戦に訪れる、そんな人たちが5万、6万も来ていること自体凄いことだと思います。

何年か前のことですけど、私の隣にいた人がビール飲みながら、「ねぇウッチ―どこ?ウッチ―見に来たんだけど。マジ超カッコいい」って。多分この女性は会社の同僚と来ていて、ウッチ―だけしか知らないで来てるんですよ。ウッチ―見ながらビール飲んで、楽しんで。それも一つの楽しみ方ですから。

女の子がユニフォーム着て、メイクしてフェイスペインティングして、でもそのユニフォーム、買ったんですよね。サッカーにお金を落としてくれてるんですよね、だったらもう万々歳ですよ。

あともう一つ欲を言うなら、どうかみなさん代表戦もいいですけど、Jリーグとか毎週末やっている試合もあるのでそっちにも来て欲しいというのが私の一番の願いです。

きっかけは色々あってもよくて、例えばかっこいい選手いますよ~とか、この選手はまだ独身ですよ~とか、女子目線な情報を入れて、興味を持ってもらうのもいいと思います。代表戦に来ている人が少しでもこっちに降りてきてくれると嬉しいですね。

もしそうなった時に、いきなりユニフォーム買いなさいとかは無理だから、レンタルユニフォームはすごく良いと思うんですよ。やっぱり着たいと思うし、テンションが上がるから。みんなと同じユニフォームを着るだけで楽しいし、それに加えてタオルマフラーなんて振ったら、女子はみんな生き生きしますよね。

 

――どんなビジネス、どんな芸事でも、女性から支持を集めることは最重要課題ですよね。

(シンディー) 常にそれは思っています。芸人始める時から、絶対女性に支持をされなければ上には上がっていけないし持続できないと思っています。

私はまだ芸歴11年目ですが、私は下積み経験がなく、「にしおか すみこ」さんに似ていると言われて、いきなりデビューして。基礎もないんですよ。声の出し方もネタの作り方も知らないのに。気づいたら初舞台から2週間後にピンマイクつけて、はい収録ですと言われてテレビに出ちゃってるような感じなので、すごく悩んでいて。

どうしていこうか、周りを見て、先輩方から学んで、自分なりに出した結論が、自分はネタをしっかり作らなきゃならないし、やっぱり女性に好かれなければいけない、女性に推してもらわなきゃいけない、最後はやっぱり女性だと。

家族でサッカーを観に行きたいって言っても、奥さんが行かないって言ったら家族は行かない。結局、私行かないからあなた達だけ行ってくればいいじゃんという具合になる。じゃあ、わかったよ、行くよってなると、奥さん拗ねるでしょ。食べに行くにも、買い物に行くにも、奥さん行かないと言ったら、家族は行かないんですよ。

 

――男の芸人さんが女子にモテるよりも、女の芸人さんが女子から支持されることの方が大変でしょ?

(シンディー) すっごい難しいですよ。どこかで、やっぱり女として見られている部分もあると思うし、正直なところ、綺麗な女芸人さんが増えてきましたけど、もしかしたらお客さんは、綺麗な女芸人よりも、体張った女芸人の方が、応援できるみたいなところってあると思うんです。

もしかしたら、応援されるボーダーラインのようなところがあるのかと考えたこともありましたが、女性が女性に応援されるには、余程の何かがないと難しいのは確かですね。

 

――何れにしても、女子サポが増えることは良い事だね。

(シンディー) そうだと思います。しかも女子の財布のヒモってホントに固いです。例えば一つの物を買うのにすごく悩むんですよね。男の人って割と、あ、これ食べたいこれ買おう、この車乗りたいじゃあ頑張って働いて買おうとかなるじゃないですか。

女子はすごく考えるんですよ。たとえ100円の物を買うにも、コレってホントに出す価値あるかなとか考える。女子の財布のヒモを緩めることは本当に難しいと思う。

だから、サッカーを観に行く、サッカーにお金をかけることは稀なことだと思います。レプリカユニフォームは1万3、4千円しますよね。それを買うこと自体すごいことなのに、それにプラスして、タオルマフラーを買ったら1万6千円ですから。そのくらい出せば、美味しいものも食べれますし、韓国ぐらいだったら、旅行行って帰ってこれますよ。

それぐらいのお金をサッカーに出せる。そして遠征に出掛ける。友達と旅行に行くお金も無いのに、サッカーにはお金を出す。女性の財布をサッカーで開かせることってすごいことですよ。できたら1円も払わないで楽しみたい。それが本音だと思います。

 

――それだけ難しくもあるし、それだけ意義のあることをシンディーさんはしてらっしゃるのですね。

(シンディー) 私はただ勝手にやっているだけなので。もしかしたら、人によっては迷惑なことをしている可能性もありますからね。手探りでやっていますけど。(笑)

 

――本日はお忙しい中、ありがとうございました。

シンディー/ものまね芸人/1980年8月5日生まれ山形県酒田市出身 東京都在住
高校卒業後、雑誌の編集者になりたいと上京。ところが、「にしおかすみこさんに似ている」とスカウトされ、ものまね芸人としてスタートする。
現在は黒柳徹子さんのものまねを中心にテレビやライブイベント等で活動中。
モンテディオ山形のサポーター。その好きなサッカー観戦からヒントを得、2014年から「ゴール裏女子サポーターものまね」を作り出しサッカー場にいる女子サポーターの姿を再現している。
「試合終了後DAZNの抜かれ方を知っているセレ女」、「味スタのトイレ待ちで話しかけてくるFC東京お母さんサポーター」や「もしも中島美嘉さんが川崎フロンターレのチャントを歌ったら」など、今も週末はネタ収集の為試合に足を運んでいる。

【ラジオ】毎週月曜日 19時30分~20時「シンディーのThat’s 談 MONDAY」インターネットから聴けます。http://www.fm762.co.jp/

【ライブ】「事務所ライブ ガブリヨリ」毎月第三水曜日 会場 新宿バティオス 開場 18時30分 開演 19時 料金 予約1000円/当日1200円

Twitter @shindy0805

 オフィシャルBlog「Get Smile!  Get Goal!」

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