新成人の誕生は、新たなライバルの出現である。
成人の日の『ガナーズ』は毎年決まって、早朝から引っ切り無しにたくさんの新成人が訪れる。ヘアメイクを施し艶やかな着物姿で美容室を後にして式典会場へと向かう。
彼女たちの中には、幼い頃からガナーズに通ってくれている子たちもいる。時の経過に驚きつつも、大人びた格好の前につい微笑みが溢れてしまう。
その一方で、ヘアメイクに奔走する我らがガナーズスタッフの勇姿を見ていると、彼らの成長振りにも驚かされる。ついこの前までシャンプーしかできなかった美容師が、華麗な手さばきで次々に新成人を送り出しているからだ。
ボクは無意識のうちに彼らを子供扱いしていたことに気がつく。
ところが今年の感覚は少し違う。
新成人の誕生は、新たなライバルの出現ではないか。そう思えてならないのです。
体力だって行動力だって、それに好奇心も。ボクには彼らに敵わないことがたくさんある。
その中でもSNS使いに関しては到底及ばない。新しいサービスを取説なしで使い倒し、新しい遊び方まで編み出してしまうからだ。
昔、道徳の授業かなんかでこんな話を聞きました。猿の親子の話です。好奇心旺盛に悪ふざけをする若い猿、それを制する古参の猿、そんなある時に、若い猿が好物のサツマイモを海に漬けるのです。何をしているのかと思いきや、サツマイモに付いた泥を洗っているのです。そして綺麗になったサツマイモを食べる。すると塩味が効いて美味しいらしい。若い猿は遊びの中からサツマイモを美味しく食べる方法を編み出したというお話。
ストーリーが合っているのか分かりませんが、こんな話を思い出しました。
今のビジネス成功のキーワードは”遊び心”です。
仕事の中に、如何に”遊びの要素”を取り入れようかとオトナたちは躍起になっています。
ですから遊びの達人である彼らの存在は脅威でもあり、頼りになる存在なのです。そしてライバルです。
遊び方を知らないオトナが余りにも多い。そう思いませんか?一旦仕事から離れると、何をしていいのか分からない。そんなオトナが、いざ遊べ!と言われても遊べないのです。
彼らの飛躍を後押しするのはオトナである我々の役割です。彼らを潰してしまうのもオトナだってことを忘れてはいけない。
ようこそ新成人の皆さま、ようこそライバルよ。ボクらも君らに負けないような素敵な大人を目指したい。
〈了〉
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