ブログの目的を明確にしよう。読者目線のシナリオを意図することが大事。
“コンバージョン率(CVR)”という言葉をご存知でしょうか。恥ずかしながらその言葉の意味を知ったのはつい先日のことでした。もうかれこれ8年間もブログを書いているにもかかわらずである。
コンバージョン率という言葉はアクセス解析の際に用いる専門用語です。専門用語が出てきた途端、すぐに拒否反応を起こしてしまうのがボクの悪い癖、これまで見て見ぬ振りをしてきたことをめちゃくちゃ後悔している。
コンバージョン率とはウェブサイトに訪れた人のうち、最終成果に至った人の割合です。ECサイトに置き換えるとわかりやすいですよね。ウェブサイトに訪れて実際に商品の購入に至った人の割合を示しているわけですから、サイトを運営する上でこれほど肝心なことはありません。
昨夜(4/2)配信したTwitterライブ『soccer-baka TV ブログ活用 生診断&生アドバイス』のトーク内容はこのCVRに集約される。今回の受講者は3名、まずはお1人目、横浜市神奈川区大口 美容室『ロディーナ』を営むオーナー美容師吉川光洋さん(ミッツ)(@rodinakikkawa)の診断&アドバイスです。
〈横浜市美容室ロディーナ吉川光洋さん〉
ミッツのブログは店舗のウェブサイトとの一体型です。ホームページ中のコンテンツに「オーナーブログ」と「スタッフブログ」が並んでいるというイメージ。この形式の良い点はブログの影響力でホームページの上位表示が狙えること、その反面、既存の業務以上のビジネスの拡がりをみせることは難しい。
ミッツのブログを一言で表すと経営者の奮闘記といった感じ、普段考えていること、お店やスタッフ、家族への想いの丈が綴られています。
『大切なのは新規を集客することじゃなくて目の前のお客さんに喜んでもらうこと。』
その一方でスタッフブログを担当しているのは同店店長の三國屋さん(@ryumiqu)、お客さんとのエピソードやコンテストへの挑戦、ヘアースタイルのトレンドについてなど美容師の日常が描かれている。
まるで互いを意識し合う交換日記さながらの双方のブログ。「その目的は?」という問いに対し「採用に役立てたい」とミッツは言います。
採用担当者が求職者を検索するのと同じように求職者も同様にお店を吟味します。当然、彼らのブログも求職者の目に留まることでしょう。ということはブログの運営次第で採用率が高まるということになる。
吉川さんへのアドバイス
さてココから先がボクのアドバイスです。このサイトの最終目的地はトップページに配置している「お問合せフォーム」です。サイト訪問者がどのような道程を辿り「お問合せ」を完結してもらえるのかを考えなければいけません。
今のままだと「ブログ」→「トップ」→「問合せ」という具合に、わざわざトップページを経由しないと「問合せフォーム」に辿り着くことごできません。改善ポイントをわかりやすく解説するために3通りのシナリオを用意しました。
a)記事①→「問合せ」
b)記事②→記事①→「問合せ」
c)検索→記事②→記事①→「問合せ」
記事①は『スタッフ募集』などのタイトルが付けられた訴求を図る記事です。「トップ」を経由せずに「問合せフォーム」に到達できる道程を提示します。
記事②は記事①へ導くための記事です。この記事は求職者の関心を集めるための記事です。求職者が抱えている問題解決や美容師のお悩みQ&Aなど、求職者、あるいは転職を考えている美容師に寄り添う内容を数多く発信します。
その際に意識するべきことは”検索キーワード”です。求職者や悩みを抱える美容師の立場に立つことが大切です。
それでもやはり「問合せ」へのハードルは高いものです。サロン見学やお悩み相談などのイベントを開催するなど、目的地を複数設けること、ハードルを下げること、接触を試みるのも一つ方法です。
〈横浜市健康食アドバイザー名畑のぞみさん〉
お2人目の受講者は神奈川県横浜市鶴見区の健康食アドバイザー名畑のぞみさん(@NozomiNabata)です。彼女は自身のウェブサイトのほかに、餡子製造業者の依頼で『和菓子のこころへ』というブログのライターを担当しています。彼女の相談は同ブログの閲覧数を増やしたいとのこと。
浅草で見つけたパン屋さん!大豆の味がする餡子はとっても美味しかった~~https://t.co/ih2Aj2AA8o#和菓子好き pic.twitter.com/FgNbwj3itK
— 名畑のぞみ☆LOVE発酵食品 (@NozomiNabata) April 1, 2018
名畑さんの記事は歴史やルーツなどの豆知識や探訪記など、和菓子をテーマにした興味深い内容が読みやすい文章で綴られています。
名畑さんへのアドバイス
遜色ない記事質にもかかわらず、なぜ閲覧数が伸びないのでしょうか。その理由は2つ挙げられます。1つは、この手の記事はすでに世の中に数多く存在しているから。もう一つは、書き手の個性を感じられないからです。
数ある記事から選ばれるための画策は、ニッチなキーワードを選出することです。和菓子マニアでしか知り得ない知識や情報など、アカデミックとマニアックをとことん追求すること。あるいは人気キーワードをいち早く察知して取り入れること。それでもやはり余りある情報の中で突出することは至難の業です。
SNSを有効活用することです。健康食について卓越した知識を持っていること、和菓子が大好きだと認識してもらうこと。その上で和菓子マニアとのコミニュケーションを楽しむことです。SNS上での振る舞いが人気を呼び閲覧数に影響を及ぼすはずです。
そしてもう一つ、このブログは大きな問題を抱えています。それは目的地が設定されていないことです。結果どうして欲しいのかが不明確なのです。あくまでも想像上の話ですが、おそらくこのブログの目的は依頼元である『深澤製餡所』の存在を世の中に知らしめることではないでしょうか。もしそう仮定するならば、読者を巻き込んだイベントを実施することをオススメしたい。工場見学ツアーや和菓子づくり教室、あるいはプレゼント企画などもおもしろい。目的を明確にすることでブログに個性が生まれるはずです。
川崎市元住吉美容室キャメル溝田大さん
3人目の受講者は川崎市元住吉の『美容室キャメル』の溝田大さん(@1926_miles )です。残念ながら溝田さんのブログは昨年の11月から更新が止まってしまっています。ブログ執筆へのモチベーションを高めたい。これが溝田さんの悩み。
溝田さんの特筆すべきところは、インスタグラムの活用です。ご自身の趣味がカメラであることから「ヘアースタイル」に特化したアカウントと「奥さまと娘さんのリンクコーデ」の2つのアカウントを運営している。インスタグラムをキッカケに来店に至ることもあるそうです。
であればブログはやらなくてもいい、そう言いたいところですが、溝田さんのブログは吉川さんのブログと同様に店舗のホームページと一体になっています。ということは先述したとおり、ブログの影響力がホームページの上位表示に直結します。1つは勿体ないということ、もう一つは更新が止まっているブログが存在していることで信頼を失いかねないということ。
溝田さんへのアドバイス
ブログは書かないと決めてリンクを削除すること、あるいは、インスタグラムの写真を活用することです。ブログリンクの代わりにインスタグラムをリンクさせてみる、これも一つの手立てですし、インスタグラムの写真を貼り付けた記事を書くことも有効です。サイト運営を集客に絞らずに、顧客のファン化という目的を追加することをオススメしたい。繰り返し閲覧してもらえる工夫をすることでお客さんとの関係性を育むのです。
【予告】4/9(月)20:00『SOCCER-BAKA TV』
以上3名の受講者のブログ診断&アドバイスでした。次回の『soccer-baka TV 』は前回に引きつづき「ブログ生診断&生アドバイス」です。4/9(月)20時より、ボクのTwitterアカウント(@gunners5050 )よりライブ配信しますね。先ずはフォローを、そしてアカウント通知を設定して配信を待っていてくださいね。
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