グループBに限ってはアジア、アフリカ勢と世界との差は存在しないアジア、アフリカ勢が残した爪痕〈ロシアW杯12日目〉
二強二弱と目されていたグループBにおいて、これほどまでの激戦を誰が予想しただろうか。
もっとも注目が集まったのは第1節、ポルトガルとスペインの二強対決だった。結果は3-3GL突破最有力同士の対戦はクリスチアーノ・ロナウドのハットトリックで締めくくられ、痛み分けに終わった。
この裏側のカードが面白かった。いわゆる二弱と呼ばれるモロッコとイランの対戦である。結果は0-1イランの勝利に終わったが、両者ともに強靭なフィジカルが激突した見応えのあるにサッカーを展開。同グループの波乱を予感させる好ゲームだった。
予感は的中した。つづく第2節の対戦カードはポルトガルとモロッコ、イランとスペイン、二強と二弱が合間見える対戦となった。結果はともに1-0。最少点差スコアで辛くもポルトガル、スペインが勝利。得点差が表すとおりイランにもモロッコにも十分な勝機があった。特にポルトガルと対戦したモロッコは終始相手を圧倒、勝利に値する戦い披露した。イランはオウンゴールとオフサイドなどの不運もあり、紙一重の差で試合を落とした。
迎えた最終戦、スペイン、ポルトガルともに1勝1分、引き分け以上の結果でGL突破が決まる。勝てばGL突破の可能性を残すイラン、2連敗を喫したモロッコも意地を見せたいところだが、試合はともに引き分けで終わった。
この日、スペインと対戦したモロッコが凄まじかった。シュート数はスペインの18本に対し6本、ファウルの数は相手の5に対してモロッコは17、ボール保持率は75%、数字上では大きく上回れていたにもかかわらずである。
モロッコはカウンターからディフェンスラインの背後に抜け出しGKとの一対一を制し先制点を挙げる。同点に追いつかれてからも試合終盤にセットプレーで追加点を挙げ勝ち越しに成功する。アディショナルタイムに辛くもゴールを許してしまいドロー決着に終わったしまったが、全3試合ともに勝機を十分に含む拮抗した試合内容だった。
アジア勢とアフリカ勢がスター軍団相手に真っ向勝負を挑んだグループB。勇敢に挑んだ彼らは下馬評を覆すことはできなかった。しかし彼らが残した爪痕は後に控えるアジア勢、アフリカ勢の勇気になっていたに違いない。もはや世界との差は存在しない。グループBに限ってはそう断言してもいいのではないだろうか。
ロシアW杯 大会12日目
グループA サウジアラビア2-1エジプト
グループA ウルグアイ3-0ロシア
グループB イラン1-1ポルトガル
グループB スペイン2-2モロッコ
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