フランスとクロアチアの躍進は新たなトレンドを生み出すかもしれない。<ロシアW杯13日目>
今のところGL3連勝を挙げたチームは2つ、ウルグアイとクロアチア、このあとに行われるグループGの最終戦でイングランドかベルギーどちらかが勝利すれば3つ目の勝点9を獲得したチームが出揃うことになる。
開催国ロシアを含むグループAはロシアに若干のアドバンテージがある組み分けであったことを考えると、今のところアルゼンチン、ナイジェリアを含む列強国がひしめくグループBを全勝で勝ち抜いたクロアチアこそが最強と呼べるのではないだろうか。
メッシに神を見るアルゼンチンの不調は想像に難しくはない。良くも悪くもすべてはメッシ次第だからである。苦戦を強いられていたアルゼンチンだが最後はやはりメッシがゴールを決めナイジェリアに勝利。ギリギリのところでGL敗退を免れた。
アルゼンチンとは対照的に終始安定的な戦いを繰り広げているクロアチアの強さはホンモノではないだろうか。モドリッチをはじめ彼らが生み出した美しいゴールシーンが攻撃の充実を物語っている。それにもまして3試合を通じて失点はわずか1点、しかもその1点はPKによるものだ。
クロアチアは他グループの混戦を尻目に、難敵ぞろいのGLを一位突破を成し遂げたことで、ノックアウトステージの組み合わせに恵まれた格好となった。今の勢いをそのままに戦うことができれば98年大会の3位を凌ぐ決勝進出も夢ではない。
同日に行われたグループCを無敗で勝ち上がったフランスも要注目だ。今大会から導入されている最新のテクノロジー「VAR」このビデオ判定に救われたと報道されたとおり、格下と目されるオーストリアとの初戦をギリギリのところで勝利し、つづくペルーに苦戦を強いられながらも最少得点差1-0で勝利、互いに勝ち抜けが決まっていた最終戦、デンマークとの戦いを無難にドローで終えるなど、派手さはないものの、着実にコマを進める若きフランスにポテンシャルを感じずにはいられない。
フランスが身を置くトーナメントの一角には第1戦で対戦するアルゼンチンをはじめ、ウルグアイ、ポルトガル、準決勝まで勝ち上がればブラジルとの対戦もあるかもしれない。今大会はメッシやクリスチアーノ・ロナウドなど、四年前から継続的に活躍している選手が多い。若きフランスが優勝するようなことがあれば一気に勢力図が塗り替えられ、新たなトレンドが生まれる可能性がある。そういう意味でもフランスにかかる期待は大きい。
着実に勝ち星を積み重ねて来た新星はダークホースとなりつつある。
ロシアW杯 大会13日目
グループC オーストラリア0-2ペルー
グループC デンマーク0-0フランス
グループD ナイジェリ1-2アルゼンチン
グループD アイスランド1-2クロアチア
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