22日、日産スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ2019 南米の強豪コロンビア代表との一戦に臨んだ日本代表は、序盤から中島 翔哉(24)、南野 拓実(24)、堂安 律(20)を中心に相手ゴールに果敢に迫るも得点には至らない。
スコアレスのまま迎えた64分、シュートブロックした冨安 健洋(20)にハンドの判定が下りPKを献上。これをファルカオに決められ先制を許してしまう。
同点に追いつきたい日本は、代表復帰の香川 真司(30)と経験豊富な乾 貴士(30)を投入。最後まで攻めつづけるもゴールネットを揺らすことができず0-1のままタイムアップを迎えた。
試合直後に各メディアから伝えられた”惜敗”という言葉に疑問を感じてしまう。
◇可能性を感じさせた「三銃士」
たしかに中島 翔哉は輝いていた。
負傷によるアクシデントに見舞われ、大会直前でアジアカップ出場を辞退した中島だが、森保監督は迷わずスタメンに起用。得意のドリブルで攻撃のリズムを生み出し、幾度となくチャンスを作り出す。
中島が左サイドで起点となると、中央の南野と右サイドの堂安が連動性を高め躍動。オープンスペースに積極的に顔を出しシュートを打ちまくった。しかし決めきれない。
◇流れを変える「切り札」
先制を許した日本はすぐさま香川 真司を投入する。
試合前、この試合のテーマに「融合」と掲げていた森保監督は、ワントップの鈴木 武蔵に代えてトップ下に香川を起用。南野が前にスライドする格好となると、華麗なボールコントロールで存在感をあらわす。
森保監督はさらにその6分後に、スペインで調子を上げてきている乾 貴士をピッチに送り込む。右ウイングバックの室屋 成を引き上げるなど、堂安とは異なるプレースタイルで攻撃にリズムを生み出す。
しかしピッチに存在感を示した2人だが、ゴールという結果が求められていただけに低調な評価にとどまっている。
◇個のアイデアに委ねる危険性
これまでの森保JAPANの戦績は10勝2敗1分、強豪ウルグアイに勝利するなど、まずまずの数字を残してきているが、底知れぬ不安を覚えるのは筆者だけだろうか。
前線にタレントを並べ、個のアイデアに委ねるサッカーはどことなく2006年のジーコJAPANに似ていなくもない。
チームコンセプトが見えないこないのだ。
森保監督は可変システムを採用している。守勢に立つ時は5-4-1にマイボールの時は3-2-5となり攻守にわたり全員がコンパクトに連動するはずだが、これまでの森保JAPANの戦いを振り返っても、独自性(らしさ)はまったく見えてこない。
◇批判を恐れず果敢なチャレンジを
コロンビア戦しかり、次なるボリビア戦にしても、公式戦とは異なりさして勝敗は重要視されてはいない。リスクマネジメントに重きをおく必要はないということだ。
個人のアピール合戦に終始せず、チームとして強化に着手して欲しい。誰を使うかよりも、どう戦うかを示して欲しい。熱戦から一夜明け、そんなことを考えている。
(勝村 大輔)
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