これほど悔しい負けはない!
ナビスコ杯 グループL第6節 横浜Fマリノスvs川崎フロンターレ
▼因縁の神奈川ダービー
ナビスコ杯グループL第6節。
かろうじで決勝ラウンド進出に望みを繋ぐ川崎フロンターレをホームで迎え撃つ横浜Fマリノス。現在4連勝とリーグでは好調を維持するFマリノスも、ナビスコ杯は、ほぼ決勝ラウンド進出は、諦めざるを得ない状況に陥っている。いわば消化試合と位置付けられる目論見は、チームとサポーターの間では、暗黙の了解かもしれない。
当然のごとく、Fマリノスの先発メンバーの名前には、主力の名はなかった。好調の藤本も、斉藤学も、三門、中町、アデミウソン、小林祐三もいない。中村俊輔の復活もない。対する川崎フロンターレは、出場停止の大久保や複数の主力をベンチに置くものの、絶好調の杉本健勇と中村憲剛を先発メンバーに起用、決勝ラウンド進出を諦めない姿勢を見せるフロンターレは、多勢のサポーターを引き連れてニッパツに乗り込んだ。
”J”NO.1の観戦価値
▼ニッパツでの神奈川ダービーは格別
ニッパツは、JリーグNo. 1の観戦価値がある。これは、あくまでも個人的な見解だが、陸上トラックがなく、ピッチからの距離が近い、そのうえ頃合いの良い高さを保つスタンドは、最前列でもピッチ全体を見渡せ、プレーの迫力も満喫できる。しかも、リーグでは、日産スタジアムを主戦場とするFマリノスは、ココ、ニッパツを使用することは殆どない。その特別感に加え、更に、相手は同県勢の川崎。ダービーマッチに熱くならないサポーターなどいる筈がない。
ダービーマッチならではのスタジアムの一体感は、好ゲームを演出した。
▼ナビスコだろうとダービーはいつだって熱狂的だ。
後方からパスを散らす富澤、長髪をなびかせて走り回る田中を中心に、水を得た魚のように果敢なチャレンジを繰り出すFマリノス。しかし、38分、不運にも、エウシーニョの放ったミドルは、ファビオに当たりコースを変わり、Fマリノスゴールに吸い込まれてしまう。
『本当に残念な気持ちでいっぱい。』試合後のインタビューでこう語ったファビオだが、 70分、ミスを帳消しにする意地の一撃をフロンターレに見舞う。勝利を熱望するサポーターの期待に応えるべく、Fマリノスは、兵藤、小林祐三、斉藤学と、次々に、レギュラー組を投入し、更に、攻撃を活性化させる。
最終的に、終了5分前に放たれた杉本健勇の鮮やかなボレー弾に敗れてしまったFマリノスだが、ファビオのコメントが代弁するかのように、スタンドのサポーターは、選手以上に悔しがっていたに違いない、いや、少なくともボクの周りのサポーターの悔しがりようが、とても印象的で、1日経った今でも、その姿は目に焼き付いている。
ニッパツにおける神奈川ダービーは、サッカーファンなら、絶対に一度は体験した方がいい。スタンドを二分するサポーターのコール合戦を体感しながら、神奈川県民であることに誇りを感じた。
勝村大輔