J1 2nd 第4節 川崎フロンターレvs清水エスパルス(等々力)
▼ゴールラッシュに湧いた等々力球技場
J1 2ndステージ第4節 川崎vs清水
リーグ屈指の得点力を誇る川崎と、リーグワースト失点数を記録する清水、川崎のワンサイドゲームが予想される両チームの対戦は、シュート数31、全5ゴールが飛び交う乱打戦となった。
11分、ゴール右、フリーでパスを受けた大久保が右足一閃、川崎に先制ゴールが生まれる。対する清水は、巧みに相手マークを外したピーター・ウタカが22分、30分と立て続けに2ゴールを奪い返し2ー1、清水リードで前半を折り返す。
後半に入ると、川崎が本来の持ち味となるパスサッカーを展開する。中村憲剛がダイレクトにボールをはたき、大久保が果敢に相手ディフェンスの背後を狙う。57分、中村憲剛のFKを武岡が押し込み同点に追いつくと、71分には大久保が逆転ゴールを蹴り込み、そのままタイムアップ。3ー2、川崎の猛攻の前に清水はなす術がなかった。
新設されたメインスタンドからの観戦
▼ピッチサイドシートからの観戦は迫力満点だ!
酷暑の中、等々力球技場に駆け付けた観客は20040人。そのうちの8割が水色のユニフォームを着用するホーム川崎のサポーターであり、残り2割がオレンジのユニフォーム姿のアウェイ清水のサポーターだった。ほぼ応援者で占められた等々力を、普段以上に熱狂的だと感じたのは、この日着席したピッチサイドシートのせいかもしれない。
今年新設されたメインスタンドには、サポーターを喜ばせる様々な仕掛けがある。車椅子専用席をはじめ、ウッドデッキ風のファミリーシートやテーブルが付いたペアシート、そして、スタンドからピッチに迫り出すように設置されたピッチサイドシートから観るプレーは迫力満点だ。
▼サポーターが演出するフロンターレ劇場
観戦価値を高める企業努力は、これらバラエティーシートをはじめ、スタジアムの随所に感じることができる。特に眼を見張るのは、係員の多さと、彼らの対応である。おそらく普段は事務方であろう彼らの仕事ぶりから感じるのは”クラブ愛”だ。スタジアムに足を運べば、この表現は決して大袈裟ではないことを実感できるであろう。
そして、この”クラブ愛”をスタンド全体に伝播させるのがサポーターの役割なのだ。ゴール裏を占拠する他チームのサポーターと違い、川崎フロンターレのサポーターは、バックスタンドコーナー付近からピッチを包み込むように陣形を取る。やがて、彼らの熱狂的なチャントは、扇状に伝播し、サポーターシートに近づけない老若男女の市民サポーターを巻き込む。
この試合、メインスタンド新設記念のユニフォームを着て登場した選手たち、選手入場の際に大合唱された”川崎市の歌”を聞きながら、市民クラブとしての誇りを感じずにはいられなかった。
勝村大輔