東アジアカップ 日本代表vs中国代表(武漢)
▼Jリーガーのみで構成された東アジアカップ日本代表
日本代表1-1中国代表
【中国】ウー・レイ(10分)
【日本】武藤雄樹(41分)
「コンディションが良ければ、3戦とも勝利してたであろう。」試合後のインタビューでこう語ったハリルホジッチ監督の言い訳がどうもしっくり来ない。
シンガポール相手にスコアレスドローを演じてしまったロシアW杯アジア二次予選に続き、今回の東アジアカップでは、北朝鮮に敗れ、韓国と中国、共に引き分け最下位。
アジア圏内での4戦未勝利はさすがにヤバいだろ。監督更迭の話題が出ない方が不思議でならない。そもそもハリルサッカーがフィットしない大きな理由は、協会にあると言っても過言ではない。前監督アギーレの解任騒動から始まったドタバタの2015年。チーム構築の遅れは未だ取り戻せてはいないようだ。
それにしても何故勝てないのか?東アジアカップ3戦を通じての雑感を並べてみたい。
まず、観戦した全ての人が感じたであろうこと、それはアジア各国のレベル向上ではないだろうか。近年まで大量得点での勝利が当たり前だった相手でさえ、負ける可能性があるということ。これまで日本相手に闇雲にゴール前を固めてきたチームが、一流の指導者を招聘したことで、徹底的に対策を練り、本気で勝利を目指している事実を、決して甘く見てはいけないのだ。苦戦は事故ではない、W杯出場さえ危ない状況であることを目の当たりにした、そんな大会だったのではないだろうか。
もう一つ気になるのが勝利へのメンタリティーだ。”野心”という言葉を用い選手を鼓舞していたハリルホジッチの言動が示す通り、他国と比べ、精神的弱さが露わになった、そんな気がしてならない。完全アウェイの中、敵対心剥き出しに戦いを挑んでくる相手に対して、それ以上の野心を見せることはできなかった。不利な状況下での試合が多いことが予想されるアジア予選において、メンタリティーの弱さは命取りになり兼ねない。
ただし、収穫がなかったわけではない。大会2得点を挙げた武藤や、攻守にわたり孤軍奮闘した山口蛍、3戦全てに出場した遠藤航の成長も著しい。これまで、本田、香川ら海外組を中心に構成されていた代表にとって、国内でプレーする選手の台頭は、長期にわたるW杯予選を戦い抜く上で欠かせないからだ。
いずれにしても、我らが日本代表が目指すのはロシアであり東アジアカップの結果に一喜一憂している暇はない。まずは目下の一戦、9/3のカンボジア戦の勝利を願わずにはいられない。
勝村大輔