CWC決勝 レアルマドリードvs鹿島アントラーズ
レアルマドリード相手に善戦。「よくやった!」という声が其処彼処から聞こえてきそうだが、果たして、自国代表の鹿島アントラーズに本気で「勝って欲しい!」と願った日本人がどれだけいただろうか。
スター軍団の来日に日本のサッカーファンは湧いた。多くの人がサインをねだりに空港に押し寄せ、白いユニフォームを着てスタジアムに駆け付ける。対戦相手が自国代表の鹿島アントラーズだとしてもだ。
ミーハーを揶揄するつもりはない。しかし、我々はもはやサッカー発展途上国ではないのだ。難敵相手に快進撃を続け、決勝の舞台まで上り詰めた自国代表に声援を送らない理由などない。たとえ相手がスター軍団であろうとも、対戦相手である限り敵意を持って迎えるべきではないだろうか。
サッカーの世界で、たらればの話は禁物だが、敢えて心残りをひとつ挙げるとしたら、2ー2で迎えた後半アディショナルタイム、体を反転させ、カウンターを仕掛けようとした金崎に手を掛け倒したセルヒオ・ラモスに対して、一度出かけたイエローカードを躊躇するという主審の奇行があった。なぜそのカードを出さなかったのか。その理由は、そのカードがセルヒオ・ラモスにとって2枚目だったから。主審は咄嗟の判断で退場処分を回避したのだ。「やべっ2枚目だっ」てね。おそらく。
結果的にCロナウドのハットトリック、鮮やかな逆転劇で格の違いを見せつけたレアルだが、鹿島にとっては、千載一遇のチャンスを逃す格好となってしまった。
それにしても柴崎の2ゴールはハンパなかった。金崎、土居ら攻撃陣もキレていた。昌子、曽ヶ端を中心に守備も健闘した。小笠原、永木のダブルボランチも随所で効いていた。確かに鹿島は世界を驚かせた。
https://twitter.com/sato_miki626/status/810430446328610816
悔やまれる負けではあるけど、やはりレアルは強かった。白いユニフォームを着たサッカーファンも多かったが、赤いユニフォームを着てチームを後押しし続けたゴール裏に駆け付けた多勢のアントラーズサポーターの姿にホームの誇りを感じた。日本はもはやサッカー発展途上国ではない。世界と互角に渡り合えるサッカー愛に溢れた国なんだと。
そして今回残念だったのは、鹿島アントラーズが開催国代表だったということ。世界一を狙う前提には、まずは日本がアジア王者であるべきだということだ。そのためにも、クラブワールドカップ決勝の舞台で魅せた鹿島の勇姿が、Jリーグ活性化のキッカケになることを願わずにはいられない。