コンサル

2017.2.5

大人が真剣に遊ぶと、遊びは仕事へと進化する

大人が真剣に遊ぶと、遊びは仕事へと進化する

ザッケローニ元日本代表監督とのツーショット

3年半前は遊びでした…。

2013年7月28日 東アジアカップ決勝戦に挑む我らが日本代表を後押しすべく韓国の首都ソウルに乗り込んだ。

その時たまたま、空港からホテルに向かうバスに同乗していたサポーターの方に「タクシーで1時間ほど行ったところで、代表チームの練習やってるらしいんだけど一緒に行きませんか?」と誘われたんです。

前日練習にもかかわらず非公開ではないこと、しかも、北朝鮮との国境が見える場所だと聞いて、ボクは好奇心の赴くままに同乗させてもらうことにした。

後に知ったことですが、通常なら整備の行き届いたスタジアムのピッチを使うべきところ、日本代表チームが練習を行った会場は、柵もない公園のような会場で、どうやら、韓国側からぞんざいな扱いを受けていたらしい。そのぶん、ボクたち部外者でも、至近距離まで選手に近づくことができる絶好のロケーションでもあった。こんなラッキーなことは滅多にない。ボクは、親の言うことを聞かない子供のようにウロウロと散策した。

取材陣に混じり記者のフリ?

すると何やら、記者会見らしき塊ができてるではないか。イタズラこごろに火が付いたボクは、バッグから旅行のスケジュール表が入った封筒を取り出してメモ帳代わりに、ボールペンの代わりにはそこら辺に落ちていた木の枝を拾い、記者のフリをすることにした。

結局、ウルサイ!と怒られたので退散することになったわけですが、どうやら記者の輪の中には、当時の日本代表監督ザッケローニ氏がいるとのこと。バスの前で待ち伏せして、念願のツーショット撮影に成功したのが冒頭の写真です。

当時の様子をFacebookに投稿して、「サッカージャーナリストになりましたっ!」と言っていたのは、当然、冗談だったことは言うまでもありませんが、先日撮影したこの写真は、そうではない。Jリーガーのセカンドキャリアを支援する慈善団体からのオファーにより、元日本代表であり名蹴会会長、サッカー解説者としても著名な金田喜稔氏との対談が実現した。当然、サッカージャーナリストという立場として。

【好きなことを仕事にするためにSNSは有効】

金田喜稔氏との対談

一美容師だったボクが、どのようにしてサッカージャーナリストへと転身することができたのか。その要因を挙げるとしたら、SNSの台頭と切り離すことは難しいかもしれない。

三年半もの間、ボクはサッカーが大好きだということをSNSやブログを通して毎日発信し続けてきた。試合観戦後のレポートやスタジアムで感じたこと、サポーターの熱狂ぶりなどを、逐一、ツイートして、その様子をまとめたものをフェイスブックに投稿する。その中からお気に入りの写真数点をインスタグラムにアップする。具体的な感想や意見などは詳細にブログに書く。その数は、ブログでは300記事ほど、SNSにおいてはもはや数え切れないくらい発信量となった。

それで、どんなことが起きたかというと、ボクがサッカー馬鹿だということが、数多くの人たちに認知されたこと。その投稿を楽しんでくれる人が増えてきて、たくさんのサッカー好きな人との繋がりができたこと。そして、ボクのことを応援してくれる人まで現れた。

そして、「イイね!」や「コメント」、リツイートが増えるにあたり、批判までされるようになった。親友や友人の間でとどまっていた情報が、第三者まで届くパブリックな情報へと進化していった証拠でもあります。賛否両論を生み出すだけの記事質に高めたこと、それは発信者の熱量と共に一挙に拡散していく。

【SNSの台頭で誰もが発信者となった。】

サッカー馬鹿として毎日発信

そして何よりもラッキーなことは、SNSの台頭によって情報発信のインフラが整備されたこと、そして誰でもその場に入っていける自由があること。

マスコミ全盛期は、TVやラジオ、新聞や雑誌しか情報発信および情報収集の手段がなかった。ということは、TVや新聞に登場できるくらいの著名人になるか、あるいは、記者や編集者になる他には、発信者としての資格が与えられていないということになる。それと比べて現在は、制限なく誰もが発信者となり、表現できる場が与えられています。

発信者としての同じスタートラインに立つことが許されたボクたちは、発信者として何をどう表現していったらいいのかという難問にぶち当たることになる。

【発信者として逸脱する3つの方法】

逸脱がテーマ

発信者として”逸脱”するために、ボクが意識していることは3つあります。1つは、どこで勝負するのかということ。全ての人に発信者としての資格があるということは、それだけ情報が溢れているということでもあります。その状況は、情報の洪水なんて生易しいものじゃない。

どこで勝負するのか。何処とはライバルが少ない域のこと。それは、誰もが知りたがることではなく、ごく一部のマニアックな人が知りたくなる情報かもしれないし、その人でしか知り得ない貴重な体験談かもしれない。

全ての人から受け入れられる主張ではなく、たとえ多くの人から批判されたとしても、少数からの熱狂的な支持を得るということ。アンチを味方につけるほどのこだわりがあり、人を惹きつける情熱があること。勝負に必要なのは、批判を恐れず自分の主張を述べる勇気ではないでしょうか。

そして、2つ目は、サポーターづくりです。主義主張への同調にとどまらず、一人の人間として受け入れられ、信頼を置かれ、応援される存在になることです。

そのために欠かせないのがコミュニケーション能力です。そもそも、SNSはコミュニケーションを楽しむツールです。それは、一方的に配信するオウンドメディアにはなくSNSならではの醍醐味でもあります。発信者であるということは、それと同時に閲覧者であるべきだということを忘れてはいけません

サポーターが惹きつけられるのは、コミュニケーションから感じ取る、発信者の人柄であり、個性なのです。「あなたの言うことならば」と言わしめる絶大な人気を集めることが必要です。

そして最後は、“遊び心”です。人を楽しませ、自分も楽しむ、多くの人を巻き込む”楽しい!”は、遊び心なしでは生まれてこない。

好きなことを仕事にしたいのであれば、好きなことにとことんハマること。途中でやめないことです。もっと楽しむためにはどうしたらいいか、もっと楽しませるにはどうしたらいいか。その工夫をしている姿は、おそらく他人から見たら遊んでいるように映るかもしれません。仕事のような遊び、遊びのような仕事。その先にあるのが、好きなこと自体が仕事になってしまうこと。とことん遊ぶこと。それが夢を実現させる早道ではないでしょうか。

<了>

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