狭く深くで突出せよ。
どの世界においても、突出していなければ評価されないし、評価されなければ生き抜くことは出来ない。厳しいなぁ。
今、ボクは3つの仕事をしている。ひとつは美容室経営者兼美容師、週に2日は現場でお客さんの髪を切ったりして、もうひとつはマーケティングのコンサルタントとして各種企業や団体から講演依頼を引き受けたり執筆したりしている。そして今年からもうひとつ仕事を増やした。
ボクはその職業をサッカーノンフィクションライターと名乗ることにした。キュレーション(編集)記事とは違い実際に現地に赴いて取材をする、光の当たらないところに光を当ててみたり、時には最前線に身を置いたりして、ジャーナリズムを信条にライティングをしている。AIに負けないためにね。
3つの好きなことを仕事にして生きていく。ボクの選択は果たして正しかっただろうか、正直なところ、そんな風に自問自答することが、、ありません。一切ないなぁ(笑)もしサッカーライターだけを生業(なりわい)としていたら話は別ですよ。収入を確保出来ているからこそできる挑戦だと思っている。
【好きなことを仕事にするために】
いくら好きなことだからといって、その仕事じゃ食っていけないだろうという人たちをこれまで沢山見てきた。サッカーライターなんていうのは、まさにこれに当たる代表格といっても差し障りはないだろう。
「サッカーが大好きだから、今の仕事を辞めてサッカーにかかわる仕事に就いて、充実した人生を送りたい。」もし親しい友人からこのような相談を持ちかけられた時、あなたはどう答えるだろうか。「おー、良いじゃん良いじゃん、とっとと仕事辞めちゃいなよー」と即答出来るだろうか。
好きなことを仕事にすることは並大抵のことではない。その好きなことが趣味性の高いことだとすれば尚更である。身を置いているボクだからこそ無責任なことは言いたくない。
だからといって何もせずに諦めてしまうのは勿体無い。好きなことがあることは、それだけで才能があることと同じこと。ボクは常々このような発信をしているが、要はその才能をどう磨いたらいいか、どう開花させたらいいか。今まさにボクはその術(すべ)を模索している最中だ。
以降は、好きなことを仕事にするためにボクが歩んでいる道のりを書きとどめておく。興味のある人だけ読み進んで欲しい。
【好きなことを仕事へ進化させる術】
まず大前提に、好きなことを仕事にしたいと考えているのはあなただけではないという事。ボクが身を置いているサッカー界には、サッカーが嫌いな人など、どこを探しても見当たらないだろう。
サッカーが大好きでサッカーにかかわる仕事を目指すとします。選択肢は2つあります。サッカークラブの社員や指導者など、既存の職業に就くのか、あるいは新しい仕事を作るのか。いずれにせよ、サッカーが大好きだというのは横一線に並んでいるわけで、サッカーとどう関わっていくのかを決めなくてはいけない。そのために必要なのは得意なこと。特技ならなおのこと素晴らしいところだが、どちらにせよ得意なことでなければ人様のお役に立てるはずはない。
ボクが選んだのは、好きなこと(サッカー)×得意なこと(ライティング)サッカーライターという道を歩むことに決めた。
ただ残念なことに、世の中にはサッカーライターは巨万(ごまん)といる。ですから「私はサッカーライターです。」と名乗ったところで仕事が舞い込むことはありません。ボクの場合、先に記したとおり取材なき記事は書かない、先ずはノンフィクションライターとして立ち位置を明記することにした。
周りはみな一様にサッカーが好きであり、みな実にサッカーに精通している。専門知識に長けているのが当たり前とされる業界の中で如何に突出するか。次なる壁にぶつかった。
ここで言う突出とは、ビジネスシーンでは独自性という言葉に置き換えられる。より個性的でよりマニアックであり誰からも真似のできない強みを持つこと。誰も手をつけたことがない未開の地を探すのか。あるいは一点集中で深掘りするのも得策である。浅知恵では到底専門家とは名乗れません。狭くあれ、深くあれ、コレが突出のキーワードだと踏んでいる。
【ご縁を紡ぎ上げるのも才能である】
成功するために必要なことがあるとしたら、それは人柄である。ボクの頭の中には常に師匠の言葉がある。コネなしスキルなし、そんな立場にあるからこそ人とのご縁を大切にしたい。
有名媒体に所属しているわけではない、無名のフリーライターという立場は極めて不利だという意味をボクは痛感している。何処の馬の骨だか分からない輩に誰が構ってくれるだろうか。そもそもスポーツ業界においては、その殆どがインターネット媒体はメディアとは認められていません、ことそれが個人であれば尚更である。残念ながら未だ紙媒体が主流であるという現実を受けれ入れなければなりません。
信用に値する実績があること、信頼に値する人であるかどうかが問われる。御多分に洩れず、これまでボクはことごとく取材申請を却下されてきた。その理由は上に並べたとおりだが、それでも何とか規定のガイドラインを潜り抜けてきた。
女子サッカーからスタートした取材攻勢も、7ヶ月経った今では、J1 の舞台まで登り詰めることができた。ココまでに至った理由は当然、コツコツと紡ぎあげてきたご縁であり、明白な実績に他ならない。
【SNSを味方につける】
ライターにとっての実績とは執筆した記事数だけではない、閲覧に至るまでの影響力である。SNSにはアマがプロを凌駕させるパワーがある、ボクにはそんな実感がある。SNSは夢を強烈に後押ししてくれるツールなのだ。
ツイッター、インスタグラム、フェイスブック。そしてブログ。あらゆる媒体を正しく使いこなしていること。発信にとどまらずユーザーとの交流を活発に行い、個性的でエッジの効いた自論を展開しているか。投稿を追いかけてくれるユーザーがいて拡散してくれるファンがいる。熱狂的に応援してくれるサポーターがいること。
個人がメディアになる。SNSを味方につけて好きなことを仕事化する。まだまだ道半ばだが時代を駆け抜けるための術をまとめてみた。
〈了〉
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