18歳 新井 光が公式戦初先発!復帰後初のフル出場 高山 薫が決勝ゴール!〈ルヴァン杯 GS第1節 湘南1-0鳥栖〉
ルヴァン杯 GS 第1節 湘南ベルマーレ1ー1サガン鳥栖(BMWスタジアム/5987人)
(20分)高山 薫
気温6.9℃、北風の影響で体感温度は公式記録を大きく下回る。ルヴァン杯2018 鳥栖を迎えてのホームゲームは平日の夜開催、凍てつく寒さにもかかわらず観客動員は5987人を記録した。
ルヴァン杯観戦の目的は大きく変わった。その理由は昨年(2017年)新たに登用されたレギュレーション、21歳以下の選手の先発起用義務である。1996年からはじまった、準決勝までの試合で最も活躍した23歳以下の若手選手に贈られる、ニューヒーロー賞に次いで、若手選手をクローズアップする新たな試みである。
クラブにとってもファン、サポーターにとってもルヴァン杯は新戦力の発掘の場であり、出場選手にとってもレギュラー奪取に向けた最高のアピールの場でもあるのだ。
この日の湘南は、5日前に行われたJ1 第2節 川崎戦から10人をメンバー変更、9名が初先発。U-21枠に該当するのは2名、斎藤 未月と新井 光がスタメンに起用された。
今節の注目の的はやはり新井だ。この春卒業の現役高校生(市立長野高)である。「前半は緊張して硬い入りになってしまいましたが、途中からは自分のプレーが出せたと思います。」75分の途中交代まで、ルーキー離れした堂々としたプレーを披露した。
「彼の一番良いところは、強気なところです。寡黙でおとなしいのですが、1回ミスをしても2回、3回と前につっかけていく気持ちがあります。普通はああいったナーバスな前半の入り方をしたらへこんでいくものですが、彼はどんどんつっかけていきました。最後は足をつったので交代させましたが、それがなければ最後までプレーできたと思います。そういったメンタリティーを持っています。それが彼のスピードや技術を生かしています。何より、ピッチの中で(梅崎)司や(菊地)俊介の背中を見て学ぶことができるので、今日の(斎藤)未月とのダブルボランチは素晴らしかった。」と曺監督も満足気な様子だ。
この日、ダブルボランチを組んだ斎藤 未月(ユースから昇格)、そして昨年、加入後すぐにレギュラーの座をつかんだ杉岡 大暉(市立船橋高)をはじめとする高卒選手の台頭がチームに勢いを与えている。
その背景にあるのが曺監督の指導論にあるのではないかと想像できる。「相手のプレッシャーに戸惑っている感じがあったので(斎藤)未月の前に(新井)光を出して、1回ドリブルを気持ち良くできたら落ち着くだろうなと思って。」こうした細やかな采配や、「俺は絶対に上に行ってやるという気持ちに嘘くさくなく正直に向き合ってきた選手だと思っている。」という言葉からも成長を願う親心を感じることができる。
朗報はこれだけではない、加入後初の公式戦出場を果たした途中出場の梅崎 司(浦和から移籍)も「自分たちのスタイル、やるべきことを一人ひとりが意識しながらしっかりハードワークして戦うことができた。」と違和感を感じさせないプレーぶりでチームとのフィット感を示せば、決勝ゴールを決めた主将、高山 薫が負傷離脱から復帰後はじめてのフルタイム出場を果たした。「90分の笛が鳴り終わるまで集中力が切れませんでした。僕が知っているJ1過去のシーズンは苦しい時間に失点してしまっていたので、そこで失点しなかったのは成長した証だと思います。」とチームの成長を語った。
全員が同じ方向を向き、各々が全力で補い合う。若手とベテランが織り成す湘南スタイルの真髄をみた。
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