サッカー馬鹿

2019.8.18

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やはり監督不在の影響は大きいのか。この難局を”結束力”で乗り切ることを切に願う。〈明治安田生命J1第23節 湘南2-3鳥栖〉

撮影:花井康成

明治安田生命J1第23節 湘南ベルマーレ2-3サガン鳥栖(BMWスタジアム/13.702人)
25分 イサック・クエンカ(鳥栖)
41分 イサック・クエンカ(鳥栖)
43分 松田天馬(湘南)
57分 古林将太(湘南)
90+5分 金井貢史(鳥栖)
 

互いに死力を尽くした好ゲームだった。

 
明治安田生命J1第23節 鳥栖をホームに迎えた湘南はパワハラ疑惑の渦中に立たされている曹貴裁監督に代わり高橋健二コーチが指揮、ピッチには主将大野和成をはじめ前節同様のメンバーが送り込まれた。高橋コーチは試合前のインタビューの中で「普段どおり」を強調しながらも「我々は死んでないというところを見せたい。」と気合十分。
 
スタンドには”このエンブレムのもとで、選手・コーチングスタッフ・フロントスタッフと共に1つになって戦える湘南ベルマーレという愛するクラブを、俺達はこれからもいつまでも信じている。ベルマーレは俺達の人生”と書かれたサポーターからの熱いメッセージが大きく掲げられた。
 
この日のBMWスタジアムは結束ムード一色、”勝ちたい”気持ちが明らかに普段以上にスタンド中に充満していた。
 
試合は序盤から落ち着きのない展開がつづいた。トップの山崎凌吾に楔を入れてシャドーの野田隆之介と松田天馬が積極的に絡む。一見普段どおりの正攻法にも見える湘南の攻撃だが、前への意識が強過ぎるあまりビルドアップの時点で相手に引っ掛けてしまい逆にピンチを招いてしまうシーンが多く見られるなど、攻め急ぐがゆえに一瞬のほころびを生み出してしまう。
 
前半に喫した2失点はいずれも悔やまれる形だった。1点目は飲水タイム直後の25分、スローインのリスタートから右サイドをつながれ最後はクロスに飛び込んだイサック・クエンカに決められてしまい、2点目は41分、同じく右サイドからのクロスにイサック・クエンカに飛び込まれゴールを破られてしまう。いずれもボールウォッチャーになってしまった守備陣の一瞬の隙を突かれた冷静さに欠ける失点シーンだった。
 
それでもこのままでは終われない、43分、右サイドからの古林将太のクロスからのこぼれ球を二度にわたり野田が押し込み、最後は松田が冷静に流し込み湘南が一点を返すと、57分には松田のクロスに坂圭祐が豪快ヘッドを叩き込む。シュートは一旦弾かれたが、このルーズボールに古林が飛び込み同点ゴール。スタンドの大声援に応えるように湘南が驚異的な粘り強さを見せつけた。
 
試合はその後、見応えのある一進一退の攻防戦が繰り広げられた。逆転ゴールを狙う湘南は68分にクリスラン、74分に岡本拓也を投入。攻勢を強める湘南だが81分に途中出場のクリスランが負傷退場のアクシデントに見舞われてしまう。前節、復帰戦でゴールを決めた山田直輝をこのタイミングで投入することになった。
 
対する鳥栖は81分、この日2ゴールのイサック・クエンカに代えて豊田陽平をピッチに送り込む。この決断は金明輝監督にとってこの試合の最後の大勝負と言っていいだろう。交代カードは最後の一枚、負傷中の原輝綺を強行させ攻撃の切り札を投入。この采配に対し金監督は「我々には引き分け狙いという選択はない。」中2日で3連戦を戦う鳥栖にとって満身創痍の強攻策だったに違いない。
 
こうして迎えた後半アディショナルタイム5分、右サイドからのクロスに飛び込んだ豊田がダイビングヘッド。このシュートは惜しくも枠を外れたが、ゴールラインを割るギリギリのところで金井貢史が飛び込み鳥栖が土壇場で決勝ゴール。勝ちたい気持ちがわずかに上回った鳥栖が湘南を退けた。
 
試合後、難しい状況下の中で試合に臨んだ湘南への配慮を口にした金監督だったが、好采配が勝利へのキッカケを生んだ鳥栖に対して、湘南にとってはやはり監督不在の影響は大きかったようだ。しかしその一方で湘南の選手たちは試合後のインタビューで口々に大声援を送ったサポーターへの感謝の意を述べている。今回の件に関してはいまだJリーグの調査がつづいており先行きは不透明だが、この日スタンドに掲げられた横断幕の言葉どおり選手、コーチングスタッフならびにフロントスタッフ、そしてサポーターが一体となりこの難局を乗り切ることを心から願いたい。

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