こんにちは 勝村大輔(@gunners5050)です。
この記事を書いているボクは、現役の美容師です。
美容師歴は25年、人口20万人の市内に20坪ほどの小さな美容室を営んでいます。お店はまもなく開業から15年目を迎えます。
1000円カットの勢いが凄まじいです。
消費税増税を機に、200円の値上げが話題になりましたが、それでも勢いは止まらなそう。
むしろ、ますます出店数は増加傾向です。
本記事では、
「なぜ1000円カットが人気なのか?」
「なぜ1000円カットで働く美容師が増えているのか?」
「今後、1000円カットはどうなるのか?」
など、エビデンスを交えて検証を試みます。
1000円カットの現状
事実、1000円カットは増えています。
有名どころでいうと、すでに海外進出を果たしているQBハウスの出店数が群を抜いてます。
出典:QBハウス
国内の店舗数は500を超え、600店舗を捉えそうな勢いです。
他にも、ボクのお店の界隈には、
イレブンカット(188店舗)
カットファクトリー(150店舗以上)
サンキューカット(272店舗)
個人店もいくつかあります。
上記の有名どころを合計すると、1000円カットの件数は、1000店舗を優に上回ります。(おそらく総数は2000店舗に上るでしょう)
店舗により、美容室登録と理容室登録に分かれるので、上記の数字は一概に美容室件数とは限りませんが、1000円カットの店舗数増加は、明らかに美容室件数を底上げしていると考えられます。
- 美容室件数251140(過去最高)
- 美容室倒産件数119(過去最多)
上記は昨年(2019年)の美容室件数と倒産件数です。なお、美容室はこの1年間で3562件増加しています。
ということは、全国的に格安店が占める割合が高まっているということになります。
出典:QBハウス
つづいて、従業美容師の属性を見てみましょう。
平均年齢は39.3歳
30代〜40代が6割を占めているようです。
一般的な美容室より、年齢は比較的高め。
店舗数から想像すると、格安店に従事する美容師は、おそらく1万人を軽く超えているのではないでしょうか。
人手不足が嘆かれる美容業界の中で、なぜ円滑な雇用が実現できているのか。
その理由は、休眠美容師の掘り起こしに成功したからです。
- 結婚や出産を機に退職した主婦
- 再就職が困難な高齢美容師
- 手荒れなど身体的な理由で離職した美容師
格安店は、美容師の離職率の引き下げに一役買っていたのです。
出典:QBハウス
上記のグラフは、来客数の推移を表しています。
ご覧のとおり、客数は爆上がりです。
出典:しらべえ
上記は、利用客の内訳を示しています。
やはり、男性客が多いようです。
中でも、オシャレに関心が薄い高齢男性が多くを占めています。
しかし、近年は若年層の男性や、中高年女性の利用も目立ってきているようです。
なぜ1000円カットで働く美容師が増えているのか
ここで一つ疑問が浮かび上がります。
1000円カットで働く美容師は、本当に働きがいを感じているのだろうか。
このような疑問を持つ美容師は、おそらくボクだけではないはずです。
1000円カットで働くデメリットをまとめてみました。
- 衛生的ではない(シャンプーなし)
- カットしかできない
- 超肉体労働(とにかく人数をこなす)
- 会話がない(たぶん)
ボクが感じている美容師の醍醐味は2つ
- デザイン力が発揮できる
- お客さまと関係性が築ける
かなり対照的です。
ですが、それ以上に、1000円カットで働くメリットに魅力を感じる美容師も多いかのもしれません。
- 給与が高い
- 土日休みが可能
- 自由な時間に働ける
- 福利厚生が整っている
価値観の変化にともない、働き方も変化が求められているようです。
今後は、兼業美容師、あるいは、副業美容師も増えるでしょう。
昨今、政府が推進する「働き方改革」の影響により、サラリーマンの間でも副業が一般化しつつあります。
低賃金、重労働の代表格である美容師なら、なおさらです。
1000円カットの今後
もはや1000円カットはブームを超え、スタンダードになりつつあります。
しかし、一般の美容室とは一線を画す存在であることに変わりはありません。
なぜなら、1000円カットの仕事は、美の追求には至らないからです。
ただし、先行きに不安を感じている多くの美容師の助けになるはずです。
特に再就職が高齢美容師にとって、大きな助け船になるのではないでしょうか。
それとともに、本当に美容師を生涯の仕事にすべきかどうか。再考するキッカケを与えます。
繰り返しになりますが、美容師こそ、兼業と副業を考えるべきです。
なぜなら、美容師は世の中に役立つスキルが多く備わっているからです。
- 美容技術
- 薬剤知識
- 販売セールス
- 接客マナー
他に数えきれないほどあるはずです。
生涯スタイリストを貫くのか、あるいは、活躍の場を広げるのか。
今一度再考し、チャレンジしてみてはいかがだろうか。
下記の記事をぜひ参考にしてみてください。
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