J1 2nd 第11節 横浜FマリノスvsFC東京(日産)
▼とにかく俊輔が好調だ。
シルバーウィーク初日。ゴール裏はもちろん、バックスタンドは下層階上層階共に満席。トリコロールを身にまとったFマリノスファン、サポーターで埋め尽くされた日産スタジアムは観客動員数30999人。年間順位3位の難敵、FC東京を迎え討つ準備は整っていた。
最高の雰囲気の中行われた上位対決は、終始マリノスペース。前線のアデミウソン、齋藤学が小気味良い動きで仕掛け、トップの伊藤翔が相手ディフェンスの背後を狙う。両サイドバックの下平と小林祐もタイミング良く駆け上がり、喜田が果敢に相手の攻撃の芽を摘めば、三門が豊富な運動量で攻守のバランスを握る。そしてなにより、ゲームメーカーの中村俊輔が絶好調だ。左足から放たれる正確なキックと、奇をてらうアイデアでFC東京ディフェンス陣を崩しにかかる。
対するFC東京は、森重、丸山が相手攻撃陣をブロック。守から攻へ、米本が素早くスイッチを入れると、前田、東、ネイサン・バーンズらが一気に駆け上がるもシュートまでは至らない。
一進一退の好ゲームは、0ー0、スコアレスで前半を折り返す。
後半に入ると、FC東京は、ネイサン・バーンズから中島へ、71分には野澤から松田へと、攻撃の活性化を促し積極的に得点を奪いに動く。
一方のFマリノスは、後半、更に優勢に試合を展開するもゴールには至らない。是が非でも得点が欲しいモンバエルツ監督は、73分、伊藤翔を諦め冨樫を投入。
そして迎えた88分、初出場を果たした冨樫が、いきなりプロ初ゴールをゲット。中村俊輔のピンポイントクロスをヘディングで豪快に叩き込む、劇的な結末でFマリノスがFC東京に勝利した。
▲劇的勝利に湧いたゴール裏
得点こそ一点差だが、この日の選手のパフォーマンスに可能性を感じたファン、サポーターも多かったのではないだろうか。ポゼッションで圧倒し、相手シュートを三本に抑え込む。勝ち切ってこそではあるが、見事な試合を披露してくれたFマリノスの強さ、そして、試合後のスタンドのサポーターの歓喜が印象的だった。
勝村大輔