八王子からスーパーあずさに乗り込み2時間超、松本にやってきた。目的地はもちろんアルウィンである。昨年は、松茸の旬の時期にロックオンした秋口のデイゲーム、モンテディオ山形との降格争いを観戦したが、今年は、首位コンサドーレ札幌を迎え撃つ3位松本山雅の一戦。残念ながら舞台はJ2ではあるが、この一戦にかけるボルテージは、松本駅を降りた瞬間から感じることができた。相変わらず松本は、山雅一色だ。
長野県と言ったら蕎麦でしょ!というわけで、松本に来た際は、ランチは蕎麦というルールがボクの中にはある。今回の蕎麦は、マジでハンパなかった⁉︎
松本駅まで迎えに来てくれた、松本の親友ヤナさんの運転で30分。もはやどの方向に向かってるのかは不明だが、店名はもはや忘れることはできない。
そば処 木鶏(もっけい)の”しゃもつけ蕎麦”鴨じゃないよ軍鶏だよ。歯応えがあるのかと思いきや、柔らかくて味わい深い。そして、鰹だしと軍鶏からでるエキスの相性が堪らない。この絶品つけ汁に十割蕎麦ですから。美味くて当たり前です。
ランチを済ませた我らが向かったのは、地元スポーツ店、レアルスポーツだ。もちろん山雅のユニフォームを購入するのが目的だ。首都圏有数のスポーツショップ、カモスポーツにも、ネットショップでも中々置いていないのが、松本山雅のユニフォームなんですよ。
山雅のオフィシャルショップ的な立ち位置なんだと思う。店内にはズラリと山雅グッズが並び、試合当日ということもあってか、数人の山雅サポーターの姿も見受けられる。とはいえ、ココもかなり遠いよー!駅からタクシーで15分くらいかなぁ。
そして我々は、ユニフォームを無事ゲットし、直ぐさま松本城に向かった。目的はコレです。恒例のロケです。Facebookのプロフィール画像を変更し、SNSの住人たちに松本入りを報せるのだ。山雅サポでも思いつかないでしょ、このアングル(笑)
その後、我々はこの日の道先案内人の山雅の熱狂的サポーターであり、地域新聞社に勤めるヨコヤマと合流。彼の運転で一路アルウィンに向かった。到着は万全のキックオフ2時間前。ヨコヤマも定位置を確保できたらしくホッとした表情を見せてくれた。
スタジアムに到着するなり、我々がまず向かったのは、当然スタグル(スタジアムグルメ)であることは言うまでもない。前回調子こいて購入した緑色の山雅ビールは今回は回避(アレはまずくて飲めんよ。)今回は普通のビールを調達。
スタグルを見て回ったが、やはり山雅は、スタグルも中々良い。ニンニク風味に味付けされた鶏の唐揚げ”山賊焼き”に外れはないし、アウェイサポーターも楽しめる地元色豊かな露店が立ち並んでいる。
そしていよいよ選手たちがピッチに登場し、トレーニングが始まろうとしたその瞬間、予報通りの中々の激しい雨が降ってきた。洒落にならない雨の状況に、スタンド中の観客は屋根の下に避難。当然サポーターは、その場を離れることなく声援を送り続ける。(ヨコヤマもこの雨でびしょ濡れに違いない。)
やっぱり持ってるなオレ。キックオフ直前に降雨は収まり、快適なサッカー観戦が始まった。
その前にどうしても言いたいことがあるんだ。それは、以前から思っていたことだが、アルウィンの造りは、だいぶ変わっているなぁって。
丘を削って建てられたであろうこのスタジアムは、登るというか、降りるといった印象のスタジアムなんです。何か理由があるのかもしれないが、風が抜けやすく、盆地特有の蒸し暑さをあまり感じない。そんな対策のもと建てられたのだろうか。
そして、照明の形がまた面白い。スタンドの屋根と一体型になっているメインスタンドの照明。四方から照らす小型のレーザーのような白い光の照明。最も驚いたのが、バックスタンドの照明だ。屋根のないバックスタンドからは後方からピッチに向かって、迫り出す形に設計されているのだ。(写真参照)
そのせいでバックスタンドにほとんど光は当たらず、足元がおぼつかないほど暗い。まるで映画館のようです。ただ、虫が光に集まるので、虫除けのための設計なのかなとも思う。とにかく変わった設計は、とても印象深い。
さて肝心の試合だが、スタンドを埋め尽くす多勢のサポーターの後押しを受けた山雅が、首位札幌相手に、序盤から優勢に試合を進める。その勢いのまま、22分、セットプレーからあっさりと先制ゴールを奪う。その後も、濡れたピッチの影響なのか、寄せが甘い札幌に対して、33分、またしてもあっさりと追加点を挙げて前半が終了。山雅が2点のリードで折り返す。
この後、勝利を確信した我々は、冷や汗をかかされることになる。後半を迎え、完全に息を吹き返した札幌の猛攻が始まる。51分、CKからあっさりと1点を返されると、64分、またもやCKからヘディングをゴールを奪われ、あっという間に同点に追いつかれてしまった。しかも、両得点とも警戒していた相手エース都倉だから、ショックもまたデカイ。
ところがこの日の山雅は、ココからが強かった。ホームで負けられない山雅は、サポーターの声援と共に、ただひたすらにゴールに向かい続ける。そして試合は終盤、81分、ペナルティーエリア中央で競り合ったこぼれ球を背番号5番岩間の狙い澄ましたシュートがゴールに突き刺さり、そのままタイムアップ。
松本山雅3-2コンサドーレ札幌
首位札幌を降した山雅が、1つ順位を上げ、自動昇格圏内の2位につけた。(ヨコヤマも大騒ぎだったんだろうなぁ)
これがアルウィン劇場か。これほど熱狂的で、これほど刺激的な試合展開で、しかも劇的な勝利。この日のアルウィンには、サッカーの醍醐味のそのすべてがあった。その証拠に、この日共にした現地人の2人(しかも2人とも初アルウィン)とも、すっかり山雅に魅せられたようだ。
勝利の叫び”One Soul”の大合唱。そしてゴール裏の大サポーターと選手が織り成す勝利のダンス。今回もすっかり山雅劇場に魅せられてしまった。そしてヨコヤマ、本当にありがとう!