【これでもかというくらい両極端なスタイルを貫く2チームのサポーターに想うこと。】
今週はJリーグを2試合観た。水曜日に味の素スタジアムで開催されたFC東京vsサンフレッチェ広島、そして土曜日は、BMWスタジアムで開催された湘南ベルマーレvsジュビロ磐田の2戦。
ACL出場の為、振替開催となったウィークデーの味スタ。まず直感的に思ったのは、ともかく観客が少ない。その理由は平日開催だからではない、おそらくチーム状況があまり良いとは言えないからであろう。
優勝争いをしていた昨季と比べ、17節を終えて現在11位。ACL出場による過密日程、1試合少ない試合数を考慮しても、余りにも寂しすぎる。
一方のBMWスタジアムは客数こそ味スタに劣るも、収容率は見た目で8割強といったところ。ほぼ満席状態だった。
BMWは、4/2神戸戦、4/24大宮戦に続く今シーズン3度目の観戦だが、日増しに調子を上げているチーム状態に比例するかのように観客動員も好調のようだ。
ゴール裏の雰囲気もまた対照的だった。好プレーに拍手を送り、ミスプレーにも尚、声援を送り続ける。野次を飛ばすサポーターの姿を殆ど見かけることはない。
BMWのゴール裏は、いつもピースな空気が流れている。九州の被災地を励ます横断幕がそれを現しているかのようだ。
一方の、一風変わった独自のスタイルを貫く東京サポーターもまた悪くない。
ボクの知る限り、どのチームも、試合前のウォーミングアップからチャントが始まるのに対して、東京サポーターは、試合開始のその時まで、一切声援を送ることはない。
泥臭いプレーを歓迎し、気持ちを感じないプレーに対しては容赦なく野次を飛ばす。彼らはまさしく戦う集団なのだ。
相手チームの選手紹介の時の大ブーイング、そして、選手入場シーンで歌われるYou’ll never walk aloneの大合唱。
欧州スタイルを意識する彼らのスタイルを揶揄する者も少なくはない。それでもボクは彼らが貫くポリシーみたいなものを感じるし、時にそれがカッコ良いとさえ思う。
ゴール裏が先頭に立ち、スタジアム全体を巻き込む湘南スタイル。
排他的な雰囲気さえ醸し出し、叱咤激励をも辞さない、12番目の選手として共に戦う東京スタイル。
スタジアムの主役は選手ではない。サポーターの存在そのものが観戦価値である。両極端な彼らのスタイルに感化され、来週もまたスタジアムに足を運びたい衝動に駆られた。