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2020.1.4

安すぎる美容室が国を滅ぼすかもしれない。【安売りと低賃金の相関関係】

こんにちは 勝村大輔(@gunners5050)です。

この記事を書いているボクは、美容師歴史25年、人口20万の市内に20坪ほどの小さな美容室を営んでいます。お店はまもなく開業から15年目を迎えます。

 

先日に下記のツイートをしました。

 

めちゃくちゃ興味深い記事でした。

日本の経営者には哲学がなさ過ぎる。
無能だからすぐに安売りに走る。

 

ツイートのネタ元は下記の記事です。

『日本人が大好きな「安すぎる外食」が国を滅ぼす』

 

記事中の問題提起は、日本人の低賃金です。

 

とりわけ興味深いのは「ビッグマック指数」からの考察でした。

ビッグマック指数とは、世界における各国のビッグマックの価値を表します。

 

 

日本は46カ国中30位と、先進国の中でダントツの最下位。アジア圏では、韓国とタイを下回る結果です。

 

日本円に置き換えると、もっと分かりやすいかもしれません。

 

日本のビッグマックの価格は(380円)、スイス(760円)の半分以下。

 

世界中で、ほぼ同品質で提供されている「ビッグマック」ですが、価格は国ごとに大きく異なることが分かります。

 

さらに、世界との価格差を明白に表している資料を追加しておきます。

下記は世界5都市にある、ディズニーランドの価格です。

 

 

よく、値上げを嘆くユーザーの声を耳にする、ディズニーランドの入場料ですが、世界を見渡すと、その安さに驚かされます。

 

日本の料金は、アメリカの約半額。

 

ビッグマックの価格こそ、日本を下回っていた香港ですが、ディズニーランドの価格は、日本を上回っています。

 

なぜ日本の製品は、高品質にもかかわらず、低価格なのでしょう。

 

理由は2つあります。

  • 低賃金
  • 古い経営手法

 

良い商品を低価格で提供できる大きな理由は、低賃金です。

賃金の高低は、生産性と大きく関わります。

 

下記のツイートを見つけました。

日本の生産性(GDP)は、アメリカ、中国と並び世界第3位、という認識はあっても、

日本人1人あたりの生産性は、1988年の2位から2018年の30年間で、26位まで凋落していることは、あまり知られていません。

 

  • GDP = 景気を測る上での指標
  • 1人あたりの生産性 = 国民ひとりの豊かさ

 

日本人1人あたりの生産性は、世界の国々と比較すると、決して高くはありません。

1人あたりの生産性の低さは、低賃金に直結します。

これが、低価格が提供できる大きな理由です。

 

そして、もうひとつ考えられる要因は、

 

「良いものを、たくさん、安く」

 

こうした古き経営手法に囚われてる企業が多いからだと考えられています。

この手法が有効だったのは、人口増加、消費人口の拡大が背景にあったからであり、

人口減少、少子高齢化が進む、現在の日本では、決して有効ではありません。

高齢化において、低価格は、需要の喚起には結びつかないという現実があります。

まずはこうした低価格と低賃金との相関関係を念頭におく必要があります。

その上で、ボクたち美容業界も、まさに上記の問題と向き合わなければなりません。

 

なぜなら美容師は低賃金の代表格だからです。

 

  • 美容師の平均年収は284万円
  • サラリーマンの平均年収は441万円
    (男性/521万円 女性/280万円)

 

美容師が低賃金から脱却する方法は生産性を高めるほかありません。

 

生産性を高めるには、

 

  • 客単価を上げる
  • 労働時間を集約する

 

上記2点の改善が必須です。

 

美容室における単価の全国平均は、6000円前後です。

人口減少、少子高齢化が進むと、単純に消費人口が減少します。

客数減を想定した場合、客単価アップは生命線になります。

新メニューの開発など、既存客の単価アップを図るのも一つの手立てですが、

そろそろ、今後を見据えた”値上げ”に踏み切る時期かもしれません。

もはや、薄利多売は通用しません。

 

なぜ美容師の年収は低いのか?年収アップの方法と新たな働き方を提案

 

そしてもう一つの課題は、労働時間の集約です。

  • 美容室の平均営業時間は9.4時間
  • 美容師の平均月間売上は49万円

 

前述のとおり、客単価の全国平均は6000円ほどですから、

美容師1人あたりの月間客数はおよそ81人。

営業日を25日とした場合、
1日の客数はたったの3人という結果になる。

休日にお客さまが偏ることを考えると、「1日何もしないで終わってしまった。」そんな美容師も多いと思われます。

 

美容師の生産性が低いもう一つほ原因は、過大な待機時間です。

 

労働時間を集約することで、待機時間が減る。

そして、有効な時間が増えます。

 

本当に美容師の労働時間は長いのか?を検証【労働時間の縮小と生産性アップを模索】

 

このブログで何度も言っていることですが、美容師こそ副業すべきだとボクは考えています。

これまで培ってきた技術や知識を、目の前のお客さまにとどまらず、世の中に価値を提供する。

そういう考え方です。

美容師は多くのスキルが備わっています。

  • 技術トレーナー
  • 商品開発
  • 接客・マナー講師
  • 売上アップのコンサルティング

 

活躍の場は数多くあるはずです。

 

副業サラリーマンに学べ!美容師がやるべき副業とダブルワーク

 

副業なんて無理と考えているのであれば、待機時間を販促活動に充てるのもありです。

  • チラシの作成
  • ポスティング
  • DM
  • ブログ、YouTube
  • SNS

 

美容師が低賃金である最大の理由は、動かないことではないでしょうか。

給料は保証されるものではなく、給料は自分で稼ぐもの。

こうした考えが通用するのが美容業界で特長であり、可能性です。

安売りは、確実に自らの首を締め付けています。

安すぎる美容室が国を滅ぼすかもしれない。

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