こんにちは 勝村大輔(@gunners5050)です。
この記事を書いているボクは、現役の美容師です。
美容師歴25年、人口20万人の市内に20坪ほどの小さな美容室を営んでいます。お店はまもなく開業から15年目を迎えます。
今回の内容は、ちょっと嫌な話です。
なぜ、嫌な話をお届けするのかというと、
ネガティブな視点も抑えておく必要があるからです。
ネガティブな憶測は、危機管理につながります。
危機管理は、ポジティブな結果を生み出すために、欠かせない要素です。
よかったら、お付き合いくださいませ。
さて、本記事でお届けするラインナップです。
- ズル賢く稼ぐ美容師が増えるかも
- 全国に拡がるシェアサロン
- フリーランス美容師が急増中
- お店はどうしたらいいのか?
順を追って解説します。
1. ズル賢く稼ぐ美容師が増えるかも
まずは、ズル賢く稼ぐ美容師が増えるかも。という話。
どういうことかというと、
店舗に所属する美容師が、休日に、シェアサロンを利用して、自分のお客さまの施術をおこなうようになる。
そういう予測です。
なぜなら、シェアサロンを利用した方が、お店の歩合よりも、効率よく稼げるからです。
お店にとっては、かなり痛手ですよね。
- お店は、コストと労力をかけて集客する
- 担当美容師は、指名客を自分の客と主張する
- 担当美容師は、SNSやLINEなどで個人的に客とつながる
- シェアサロンへ誘導する
こうした動きは、確実に広まるでしょう。
法律上問題ありですが、サロンの顧客を自宅に招いて施術をおこなう美容師も実在しています。
2. 全国に広がるシェアサロン
シェアサロンとは、
サロンワークに必要な設備や備品が整ったレンタルスペースです。
おもにフリーランス美容師が利用します。
首都圏を中心に急速に展開するシェアサロンですが、既に、地方都市の進出も始まっています。
3. フリーランス美容師が急増中
店舗に所属しないフリーランス美容師が急増しています。
その数は、8万3000人。
従業美容師は、50万9279人なので、その割合は、およそ14%と見られています。
フリーランス美容師は、2タイプに分かれます。
- 業務委託(店舗に所属しながら、売上に準じた報酬を得る個人事業主)
- 面貸し(店舗に所属せず、スペースを間借りして、集客から売上管理まですべておこなう)
フリーランス美容師のメリットは、
- 店舗を持たないので、初期投資がない。
- 保証はないが、歩合率が高い(40〜50%)
今後、確実に、フリーランス美容師は増加の一途を辿るでしょう。
前述した、ズル賢く稼ぐ美容師は、いずれフリーランスか、あるいは独立を目指していると思われます。
4. お店はどうしたらいいのか?
いかがでしょうか。
お店にとっては、かなりヤバい話ですよね。
特に、サロンオーナーが現場に立たない美容室では、こうした動きが活発化することが予想されます。
では、今後、お店はこうした事態に備えて、どのような対策をとればいいのでしょうか。
残念ながら、なす術ありません。
すべては、サロンオーナーとスタッフとの信頼関係性に委ねる他ありません。
ただ、一つ言えることは、
お店は、スタッフを生涯雇用しつづけることは、非常に難しいという事実です。
美容師の高齢化に伴い、薄給に苦しむ美容師は、ますます増加するでしょう。
そもそも、なぜフリーランス化が進んでいるのか。
最大の理由は、低賃金です。
- 美容師の平均年収は284万円
- サラリーマンの平均年収は441万円
(男性/521万円 女性/280万円)
(2019年11月更新)
低賃金の解決方法は、下記の記事にまとめてあります。ぜひ、ご一読を。
問題の根底は、依存ではないだろうか。
以下は、ボクの考えです。
オーナーとスタッフ、互いの依存関係は、いずれ破綻します。
これからの美容室は、互いが自立し合うしか、生き残る道は残されてません。
お店は「プロジェクト」です。目的を成し遂げるための集団です。
例えば、
ある美容室は、トレンドを生み出すことをミッションに掲げる。
その美容室のミッションに共鳴した美容師たちが、その目的に向かって共闘する。
ある美容室は、40歳以上の女性のアンチエイジングのお手伝いをミッションに掲げる。
その美容室のミッションに共感した美容師たちが協力して目的を実現する。
このように、いずれ美容室は、フリーランスの集合体になるのではないかと予想します。
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