結局のところ、誠実さには敵わないという結論に至りました。
凄いと敬われたくて腕を磨いてきたし、笑いが欲しいがためにウケを狙いつづけてきたけど、結局のところ、誠実さには敵わないという結論に至りました。
歳を重ねるごとに、誠実さの重みをズッシリと感じます。誠実さとは継続の先に現れる風格のようなものです。
先日、用事があって60歳を越える女性美容師に会いに行きました。わずか8坪ほどの小さな美容室でした。店名はおそらく彼女の名前をそのまま付けているのだろう。本当にこじんまりとしたスペースで年季を感じます。
店内には2人のお客さんがいました。2人とも80歳くらいの上品な感じの御婦人でした。60歳を越える美容師が80歳を越えるであろうお客さんのパーマをかけている。その光景は驚きでした。
正直なところ、定年はないとはいえ、特に男性美容師の仕事はせいぜい40歳くらいで現場を引退、独立して経営に専念するものだと思っていました。
40歳を超えて、なおかつ独立もせず、役職の肩書きもないまま現場で勤しむ。そういう状況に陥る男性美容師をボクは勝手に負け組だと決めつけていました。(最低だね)
しかしそうではありませんでした。前述の女性美容師から滲み出ていたもの、それは誠実さでした。目の前のお客さんを大切にしつづける、生涯かけて職を全うする。その姿が美しくないはずはありません。
どんな状況であれ、誠実さを絶やさず目の前のお客さんと向き合いつづける彼女の風格に圧倒されました。
勢いだけで始めたビジネスは必ず衰退します。どんなビジネスでも必ず好不調の波は訪れます。その時、何を考え、どう行動してきたのか。そして何を大切にしてきたのか。誠実さとは継続の先に滲み出るものだと実感しました。
大人ってズルいじゃないですか。すぐサボるし、すぐ誤魔化すし、体裁を整えるのが得意じゃないですか。大人になればなるほど誠実で在りつづけることは難しい。最近つくづく思う。
この前の記事『人気ユーチューバーHIKAKINの苦悩から気づくこと』でもお伝えしましたが、ポッとでのネット長者と揶揄されるユーチューバーHIKAKINですが、彼こそ誠実に勤しんでいる人の代表格ではないだろうか。年間365本以上の動画を配信し、視聴者を楽しませるために努力を厭わない。ボクらはつい表層的な部分だけを見てしまいがちですが、誠実さは決して目に見えるものではありません。
ブログやSNSも同じですよね。役立つ記事を書きつづける、興味深い記事を書きつづける、笑える記事を書きつづける。継続の背景には必ず誠実さがあるのだろう。
誠実さは生き様です。何がカッコよくて何がカッコ悪いかを判断するセンス、何を大切にしているのかという信念。滲み出るくらい誠実で在りつづけたいと思う。しっかりと努力しないとね。
<了>