サッカー馬鹿

2018.11.5

ようこそゴール裏へ!チーム愛を貫く者だけが味わえる最上級の歓喜がココにある。<湘南ベルマーレコールリーダーたかはし おさむ氏の応援流儀>

ようこそ!平塚競技場 8ゲートへ

BMWスタジアム8Gの風景

――まず、おさむさんがコールリーダーになったきっかけを教えてください。

(たかはし) スタジアムに足を運んだのは2007,8年です。実は小中と野球をしていました。高1の時に怪我をしたのと、監督と喧嘩したこともあり、野球部を辞めたのが2009年。湘南ベルマーレが10年ぶりに昇格するというタイミングでした。

野球の応援も含めて、そもそも応援することが好きでしたので、端っこで応援するよりも真ん中で応援した方が楽しいかなと考え、EFSという団体の人たちに、ここで応援してもいいですかとお願いしました。そのうちに遠征行こうよ、幕作るから一緒に来てと声を掛けてもらえるようになって気がついたら今に至るというわけです。

 

――誰でも一員になれるのですね。

(たかはし) はい。常に門戸は開けっ放しですので。敷居が高いというイメージを持たれがちですが、嫌でなければどんどん来てください、というのは今も昔も変わりません。

 

――ゴール裏に来るのは歓迎?

(たかはし) もちろんです。むしろ今の湘南はゴール裏が一番売り切れるのが遅いんですよ。それは世界的にみて逆です。ゴール裏こそ真っ先に埋まらないと、ここをどうにかしていきたい。そのためにも楽しかったと言ってもらえるような場にしたいですね。

 

――応援の醍醐味を教えてください。

(たかはし) 選手との距離が近いこと。良い応援をした時、僕たち的に頑張れた時、結果もついてきて、最後に目の前の選手たちと一緒に勝利のダンスを踊る。アウェー浦和戦(2018年 J1第11節 21年ぶりに浦和に勝利)で踊れた時は、僕たちも選手たちも、メインの方見たらスタッフたちもみんなすごく喜んでいる。この一体感がベルマーレを応援する醍醐味だと思います。

勝利のラインダンス

――クラブごとに色があるのと同じように、サポーターにも各々のスタイルがあると思いますが、ベルマーレサポーターの色をどのように感じていますか。

(たかはし) 良い意味でも悪い意味でもすごく優しい。これは難しいことでもあって、もっと尖りたいという部分で尖れない、逆になんでそんなに優しくしちゃうのともなってしまう。あたたかいサポーターの方が多いです。皆でこのクラブを支えていこう、そういう人たちが集まって、そういう人たちが好きになっていくクラブなのだと思いますね。

 

――チャント(応援歌)についてお聞きしたいのですが、誰が作っているのでしょうか。

(たかはし) 僕たちですね。僕と周りの仲間も含めてここ2,3年は開幕前1週間ぐらいにみんなでファミレスに集まって10人くらいのテーブルで作って歌って、もうそれこそ意見のぶつけ合いですよ。「俺が良いと思う理由はこうだ」「でも俺はこれが良い」お互い譲らないです。

 

――応援歌はどのように作っているのですか。

(たかはし) 原曲どれにしようかというところから、この歌にするならどんな歌詞を入れようとか、あと歌を作るときに気にするのは音のキーですね。声が飛んでしまうキーとか、沈んじゃう音程があるので、そういうところはすごく意識しています。

そういうことを考える癖がついちゃいましたね、それこそテレビを見ていても、ラジオを聴いていても、「あ、これ使えそうじゃん」と感じたらメモして、もう一回聴き直してみたり、ネタになるものは常日頃から探しています。

でも、なんだかんだ参考にしているのは、色合いも含めてアルゼンチンのボカ(ジュニアーズ)を意識していて、昔から歌っている歌も南米のサポーターが歌っている歌が結構多いですね。でも少しずつ、トルコとかそういうところのサポーターや、それこそヨーロッパで使われている歌や、あとはJリーグのチームでもよく歌っている世界的に歌われている歌を原曲にしたりしています。

 

――ホームでもアウェーでもどこでもスタンドでお見かけするコールリーダーを見て、「いったいあの人はどんな仕事をしているんだろう」と思っている人も多いと思いますが、そのあたりを伺っても大丈夫ですか。

(たかはし) はい。塾の先生をやっています。子どもたちも少しずつ気づき始めてますね。一番面白かったのは、子供たちには「ベルマーレの誰々と仲いいんだよ」とか話をしていて、その子は家族みんながベルマーレ好きで、家族でダゾーン(サッカー中継)を見ていると、子供が「先生が映った!」って。でもお父さんもお母さんも誰が先生だか分からなくて、もう一回映った時に「コールリーダーの人が先生なの?」みたいな。むしろお父さん、お母さんは、僕のことを先生ではなくベルマーレサポーターの方で知ってくれていて、面談が終わったあとに「勝ちましたね!」と話しかけてくれます。

それこそベルマーレのスクールに通っている子が何人かいたり、家族の皆さんがゴール裏で話しかけてくれたり、卒業生と一緒に応援したりしていて、すごく楽しいですね。卒業生とはなかなか会える機会はないですから。それにベルマーレ好きな子が、応援しに真ん中に寄って来てくれて。若干、公私混合してしまいますが純粋に嬉しいですね。

 

――それにしても試合のたびに仕事休めないですよね。

(たかはし) 会社には本当に迷惑をかけてしまっています。コールリーダーという立場を認めてくれていて尊重してもらっています。だから気兼ねなく行ける。シーズン中は「今日ゴメンな」と謝って代わりの先生にお願いすることもありますが、シーズンが終わると逆に受験シーズンがスタートするのでそこからはもうガッツリ頑張らせてもらっています。

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湘南ベルマーレサポーター コールリーダーたかはし おさむ氏インタビュー。

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