サッカー馬鹿

2019.4.2

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松田のゴラッソで清水に圧勝!昨季の雪辱を晴らした湘南がリーグ3勝目〈明治安田生命J1第5節 清水エスパルス1-3湘南ベルマーレ〉

 
「監督として嬉しく思います。」曹貴裁監督は試合後の会見で二度こう繰り返した。ひとつは前回対戦の雪辱を晴らしたこと、もうひとつはこの試合で生まれたすべてのゴールに絡む活躍を見せた松田 天馬への称賛だった。
 
代表ウィーク明け2週間ぶりとなる明治安田生命J1リーグ。第5節 清水エスパルスvs湘南ベルマーレは3-1で湘南の圧勝、湘南の強さが際立ったゲームだった。
 
湘南のフォーメーションは従来どおりの3-4-2-1、3センターバックは前節に引き続き山根 視来、フレイレ、小野田 将人。前節J1デビューを飾った小野田は2戦連続のスタメン出場。
 
ウイングバックは左に杉岡 大暉(U-22日本代表)と右に鈴木 冬一(U-20日本代表)代表帰りの両選手をともにスタメン起用。
 
これまでダブルボランチの一角を務めていた齊藤 未月(U-22日本代表)がミャンマー遠征中に負傷離脱。代わってポジションをひとつ下げた菊地 俊介が松田とコンビを組む。
 
2シャドーは梅崎 司と武富 孝介。武富は一試合挟んでのスタメン復帰となった。ワントップは山崎 凌吾が務める。
 
対する清水はリーグ開幕から4戦未勝利と苦境がつづいている。
 
今季から3バックを採用した清水は相次ぐ大量失点で守備網が崩壊、従来の4バックに戻し守備の立て直しを図った。
 
徐々に本来の姿を取り戻しつつあるチームは前節、強力攻撃陣を擁する神戸に対し粘り強いディフェンスで奮闘、1点を献上したものの終了間際の鄭 大世のゴールでなんとか一矢報いた。
 
この試合を終えヤン・ヨンソン監督は「求めていた堅固なディフェンスを見せられた試合だった」と手応えを口にしている。
 
復調の兆しがみえる清水にとって、2週間のインターバルは追い風となったはず。負傷により出遅れていた今季加入のエウシーニョがスタメン復帰を果たせば、不整脈の治療で離脱していたドウグラスがベンチ入りするなど、ホームで迎える湘南戦を浮上のきっかけにしたいところだ。
 
序盤は清水ペースで進む。
 
前線から激しくプレスに駆け回る湘南に対し、清水はテンポ良いボール回しで相手を寄せ付けず、折を見て駆け上がる松原 后、エウシーニョの両サイドバックが敵陣深くまで切り込みシュートシーンを作り出す。
 
ところが先制点を挙げたのは我慢の時間帯がつづいていた湘南の方だった。
 
23分、右CKをセットした松田がマイナスにボールを転がすと、フレイレが相手を引きつけながらニアに走り込む。シュートモーションのフレイレがスルーすると後方に控えていた菊地がシュート。意表を突いたトリックプレーが決まり湘南が先制に成功する。
 
先制を許した清水だが、前線への縦パスからワンタッチプレーで周りの選手が連動。攻撃のリズムを刻むと、44分、ワンツーで中央オープンスペースにボールを持ち出した鄭 大世がゴールまで30メートルほどの距離から強引にシュートを放つ。そのボールが菊地にあたり、オフサイドポジションにいた金子 翔太の足元へ転がり込む。金子が豪快に蹴り込み清水が前半終了間際の良い時間帯に同点に追いつく。
 
しかし、このまま前半が終わるかと思われたアディショナルタイム、右CKから今度は松田がふわりとゴール前にクロスを送ると、中央で競り勝った杉岡がヘディングシュート。左に逸れたボールをすれすれのところで梅崎が押し込むもポストに弾かれる。右に流れたルーズボールにいち早く反応したフレイレがすぐさまゴールに流し込み湘南が突き放す。
 
後半に入ってからも、小気味良いパス回しを展開する清水に対し、湘南は変わらず前線から果敢にプレスを仕掛ける。奪ったボールを前線の山崎に預け、後方から上がってきた選手と連動する。とりわけ躍動していたのは三列目から飛び出す松田だ。
 
61分、中盤でボールを受けた松田がドリブルで持ち出すと、3人を引き離し中央オープンスペースへボールを運ぶ。さらに3人を引きつけ左サイドを並走する梅崎へラストパス。梅崎のシュートは惜しくもスライディングでブロックされてしまうが、圧巻のプレーを披露した。
 
さらに松田は70分、左からのスローインを体を反転させながら相手をはがすと、すぐさま右足を振り抜く。鮮やかな弾道がゴールネットを突き刺し湘南が追加点を挙げた。
 
「あれだけの運動量と、あれだけのボール際の強さがあれば、彼の技術にはもっと生かされると思います。そういう意味で神様があのゴールのご褒美をあげたと思いますし、小さい選手でもファイティングスピリットをもってやれば、十分Jリーグで、もしくは世界的にもやれる選手がたくさんいるということをひとつ証明してくれた。」と曹監督は称賛した。
 
前節(仙台戦)はセンターバック二人(小野田と山根)のオーバーラップから2点を奪った湘南だが、この試合でもポジションの枠にとらわれず後方の選手が続々と前線に駆け上がるシーンが多く見られた。
 
しかしオーバラップの背景には前線で体を張る選手がいることを見逃してはいけない。今の湘南にとって欠かせない存在感を示しているのがワントップを任される山崎だ。
 
巧みなポジショニングでボールを引き出し、相手を背負いながらもしっかりとボールを収め、さばくことができる。昨季途中徳島から加入したストライカーは今季リーグ戦すべての試合に先発出場を果たしている。存在感は高まるばかりだ。
 
試合はこのまま湘南が逃げ切りリーグ3勝目を挙げた。清水は5戦を終えていまだ未勝利がつづく結果となった。
 
昨季、同カードで二本のPKを献上し敗れた湘南にとってこの日の勝利はリベンジだった。こう振り返ったのは曹監督だけではなかった。
 
この日キャプテンマークを巻いて出場した梅崎は試合後、自身のツイッターでこう語っている。「1年前に負けたスタジアム。陽太(GK秋元)と言い争った場所。あれから一年、チームとして大きく成長できたのを証明できた。」
 
両チーム最多のスプリント数、両チーム3番目の走行距離を記録したチーム最年長の梅崎は最後まで休むことなく仲間を鼓舞しつづけた。
 
湘南にとってこの日の勝利は格別だったに違いない。
 
 
(勝村 大輔)

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