サッカー馬鹿

2018.5.15

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WINDING ROADの先に見えた風景<ノジマステラ神奈川相模原 田中陽子選手の現在地・インタビュー>

WINDING ROADの先に見えた風景<ノジマステラ神奈川相模原 田中陽子選手の現在地・インタビュー>

2018年 プレナスなでしこリーグ1部、2シーズン目のトップリーグの戦いに挑むノジマステラ神奈川相模原は快調な滑り出しを見せた。

浦和レッズレディースとのリーグ開幕戦に敗れたノジマステラだが、その4日後に行われた第2節、マイナビベガルタ仙台レディースとのホーム開幕戦に勝利。つづくリーグカップ グループステージ 第1節 セレッソ大阪堺レディース戦、第2節 AC長野パルセイロレディース戦をともに3-0の圧勝を果たした。

その後、リーグカップ第3節 強豪INAC神戸レオネッサに惜敗したもののGW3連戦は1勝1敗1分。女王日テレベレーザ相手にスコアレスドローを演じるなど、上々の戦いぶりを魅せている。

「楽しくプレーできているという実感があります。」こう語るのはノジマステラの中心選手、田中陽子選手である。

昨シーズン、トップリーグ初参戦のノジマステラは苦戦を強いられた。3勝10敗5分、うちリーグ後半戦を8戦未勝利と、最終節までもつれ込んだ残留争いをギリギリのところで踏みとどまったチーム状態とは、余りにもかけ離れた彼女の言葉だった。

田中陽子選手との出会いは昨シーズンの開幕前までに遡る。当時のインタビューで彼女が語っていたのは「強さを身につけたかった。成長した自分になって代表に選ばれたい。」並々ならぬ決意だった。

アンダー世代で輝きを放ち、なでしこジャパンの将来を担う逸材と嘱望されていた田中陽子選手は2013年、20歳の若さでなでしこジャパンに初選出。「相手選手の厳しいマークに思うようなプレーをさせてもらえなかった。」以来、代表から遠ざかっていた彼女は当時所属していた名門INAC神戸を退団、当時2部リーグ所属の新興チーム ノジマステラの入団を決意した。

移籍後2シーズンを経て、ようやく掴んだトップリーグの挑戦権である。再起へのチャレンジはまだ始まったばかりなのだ。

リーグ戦こそ戦績が振るわなかった昨シーズンのノジマステラだが、そのあとに行われた皇后杯でチーム初の準優勝の快挙を成し遂げた。シーズンをとおしての活躍が評価された彼女は今シーズン前に実施された代表強化合宿”なでしこチャレンジ”のメンバーに名を連ねた。

さて、1年ぶりの田中陽子選手のインタビューである。より深く彼女に興味を持ってもらえるように、ぜひ1年前にリリースした記事『傑出チームワークで上位進出を狙う』と合わせて読んでいただきたい。これまで彼女が歩んできた軌跡を振り返り、今後訪れるであろう”再起の舞台”へ想いを馳せてもらいたい。

好調ノジマステラと田中陽子

――本当はシーズンが始まる前にお話を伺いたかったのですが、田中選手所属のノジマステラは今シーズンすでに公式戦4試合で3勝を挙げています。うち田中選手は1ゴール(リーグカップ第2節 AC長野パルセイロ戦)挙げていますが、チーム共々非常に調子が良さそうですね。昨シーズンと比べてどんな変化があったのでしょうか。

(田中) 今シーズンは昨年より、一つ前のポジションでプレーしていて、自分の持ち味を発揮しやすく、楽しくプレーできているという実感があります。

 

――一つ前のポジションに入ることで、どのように役割が変わるのでしょうか。

(田中) 相手ディフェンスラインの裏を狙えますし、よりゴールの近くでプレーできる。後ろを気にせずにどんどん前にいけるというのが、自分の中では大きいですね。

 

――チームとしての戦い方にも変化があるのでしょうか。

(田中) 今は4―3―3のフォーメーションですね。以前は1人アンカーのツーシャドー、あるいは2ボランチのトップ下みたいな感じでしたが、私はその時にボランチかツーシャドーをやっていました。今はトップ下です。

 

――昨シーズンは皇后杯で準優勝という快挙を達成しましたが、リーグ後半戦は8戦勝ちなしという苦しい状況が続いていました。チームとしてどのようなトレーニングを積み重ねてきたのでしょうか。

(田中) 私たちのサッカーはパスを回すので、取られた瞬間に囲む。そういった攻から守に切り替わった瞬間の動きを監督の意図で練習しています。

 

――昨シーズンは、ビルドアップの時に相手に狙われボールを失ってしまうケースが多く見受けられましたが、どのように修正を加えたのでしょうか。

(田中) 私個人的には、以前のポジションと違い、今は受ける側になったので、その分、相手に追い込まれる場面が多くなりましたが、そこで下がらずにディフェンスの裏を狙ったり、相手に来させない工夫をしたり、逆に引っ張ってスペースを空けるとか、トップ下はポジショニングが大事だと考えていますし、チームに良い流れをもたらすことが私の役割だと思っています。

 

――昨シーズンに増して、ますます攻撃意識が高まっている印象を受けますね。

(田中) 今、得点が取れている要因は、キープ力が高い大野(忍)選手が入ったことでためが作れるので、中からもいけますし、セットプレーも、サイドからも得点が狙える。攻撃のバリエーションが確実に増えましたね。

 

――昨シーズンまでチームを牽引していた尾山(沙希)さんが抜けて、経験豊富な大野選手が新たに加わったことで、チームにどんな変化が見られるのでしょうか。

(田中) 大野さんはチームの雰囲気を明るくしてくれます。練習から声を出してくれますし、プレーが終わったあとすぐにアドバイスをしてくれる。選手みんなに分け隔てなく伝えてくれていることが大きいですね。その影響で新入団の選手たちも、それぞれの良さを発揮できる。好循環をもたらしてくれています。

 

――日テレベレーザやINAC神戸レオネッサなど、強豪チームとの戦い方に課題があるように感じますが、どんなことを意識して臨みたいとお考えですか。

(田中) とにかく前を向いてプレーできるように工夫すること。そうなれば、たくさんのチャンスを作ることもできるしゴールも増える。相手が強くなればディフェンスにまわることが多くなると予想できますが、グループでしっかり対処して、攻守の切り替えどころが勝負だと思います。

 

――昨年インタビューさせていただいた時に、「とにかく強くなりたい」とおっしゃっていましたが、今年は強さに加えて判断力や判断スピードを高めていく。そんな印象がありますね。

(田中) そうですね。守備の部分でも強く相手に対峙できる、やはり中盤を任される上でとても大事なことだと思います。昨シーズンを通して、その辺りは成長を実感できました。次は攻撃の進化ですね。トップ下の選手として、相手のポジションを見極めて自分で流れを変えられるプレーを意識していますね。

なでしこジャパンへの想い

――代表選手への思いは益々高まっているようですね。

(田中) そのためにも結果にこだわりたいですね。それは得点であり、チャンスをたくさん演出するなど、結果を出さないと選ばれないと思っていますので、そういう意味においても、今シーズンに期する思いは強いですね。

 

――シーズン前の2月、“なでしこチャレンジトレーニングキャンプ”のメンバーに選出されましたが、久しぶりの代表合宿の中でどんな感想を持ちましたか。

(田中) 高倉さん(なでしこジャパン監督)は戦術というより、一人一人の判断力と、ボールの持ち方を求めている気がしました。その中で、私の場合、相手との駆け引きが課題だと感じました。監督の求めていることが理解できたことが収穫でしたね。

 

――なでしこジャパンの一員として、プレーのイメージはできていますか。

(田中) 海外の選手は一発が強い印象があります。それと比べると、日本人は一発が弱いので、何回もチャンス作ったり、相手のボールを追い回したり、一人で二役三役やらないときついと思います。でも一番はセットプレーとカウンターの精度を高めて得点に結びつけることが大事だと思います。

 

――田中選手といえば両足から放たれる正確なFKのイメージが強いですが、チームでもキッカーを任されているのですか。

(田中) 大卒のボランチ松原有沙のキックはパワーがすごいんです。おそらく女子サッカー界の中で一番キック力があるのではないかと思うほどです。右足は彼女に任せていますが、でも全部壁に当たってしまうんですよ(笑)だからこれからは私が蹴ろうかなと思っています。(笑)

 

――1年半後の東京オリンピック、目指していますよね。

(田中) はい。だって東京でオリンピックですよ!出られたら最高じゃないですか!

 

――東京オリンピック出場へ向けて、どのようなシナリオを描いているのでしょうか。

(田中) 直前のメンバー入りですね。それが一番の理想です。チーム状況がわからない状態で入ることで、思いきりよく、気持ちよくプレーできそうな気がします。その大会に向けて入るのでコンディションも良いはずですし、一番良い状態でプレーできる。そんなイメージはあります。そのためにも繰り返しになりますが、まずは結果にこだわりたいですね。

今シーズンの目標

――ご自身の目標とチームの目標をお聞かせください。

(田中) 個人的には今シーズン5得点以上取りたいです。チームとしてはやはり残留争いをするのではなく5位以上を目指す。昨年より成長した順位にしたいです。

 

――皇后杯のファイナリストの言葉とは思えませんが。(笑)

(田中) そうですね(笑)リーグ戦もホーム開幕戦(マイナビ戦)でおよそ7ヶ月振りの勝利だったので、みんなですごく喜びました。昨年から続いていた悪い流れをようやく断ち切ったところですから。一つ一つを大事に戦っていきたいですね。

 

――最後にサポーターへ一言お願いします。

(田中) ラインダンス楽しみにしていてください!ラインダンスはサポーターが一番楽しみにしてくれているので。

 

――本日はお忙しい中ありがとうございました。

田中陽子 (たなか ようこ)
1993年7月30日生まれ 現在24歳
山口県山口市出身
157cm47kg
利き足:右足
ニックネーム:よーこ
経歴:JFAアカデミー→福島→INAC神戸→ノジマステラ神奈川相模原

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