コンサル

2020.1.10

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「どうして美容師免許を持ってるのに、カット出来ないの?」【お客さまが感じる美容室の謎】美容学校がヤバイのは本当です。

「どうして美容専門学校を卒業したのに、カットが出来ないの?」

お客さまからの突然の指摘に、反射的にのけぞってしまった。

確かに、そのとおりですよね。

美容師になるには、美容師免許が必要です。

美容師免許の取得には、美容専門学校を修了しなければなりません。

しかも、美容専門学校には、2年間通わなければ修了できません。

2年も学ぶのに、カットができない。

それどころか、パーマ、カラー、ブロー、シャンプーなど、サロン業務に必要な技術を何ひとつ習得することなく修了します。

当時のボクも同じでした。

 

こんにちは 勝村大輔(@gunners5050)です。

この記事を書いているボクは、現役の美容師です。

美容師歴25年、人口20万人の市内に20坪ほどの小さな美容室を営んでいます。お店はまもなく開業から15年目を迎えます。

 

残念ながら、25年前の状況と、さほど変わりません。

変わったといったら、美容専門学校が2年制になったことくらいです。

25年前は1年制でした。その後、1年間のインターンを経て、国家試験の受験資格を得る。

現在(たしか20年ほど前から)は、インターン制度の廃止され、2年制が採用されるようになりました。

うろ覚えですが、2年制になる理由に「美容師の地位向上」を掲げていたような記憶が残っています。

 

で、実際に、地位は向上したのかというと、さほど変わっていない。

むしろ状況は悪化しているように感じます。

その根拠が、美容師の年収の低さです。

 

  • 美容師の平均年収は284万円
  • サラリーマンの平均年収は441万円
    (男性/521万円 女性/280万円)

(2019年11月更新)

 

事実、美容師はかなり低賃金です。

 

なぜ美容師の年収が低いのか、その理由と美容室が行うべき解決方法は、下記の記事に書いてあります。

なぜ美容師の年収は低いのか?年収アップの方法と新たな働き方を提案

 

本記事で指摘するのは、

「なぜ専門学校は、職業訓練を行わないのか?」

という疑問です。

上記は、美容業界の構造的な問題です。

この問題は、美容室経営者なら、誰もが感じているはずです。

にもかかわらず、誰もが指摘を避けます。

なぜなら「美容専門学校の批判」と受け取れられる可能性が高いからです。

美容専門学校の批判は、求人活動に悪影響を及ぼしかねません。

業界は慢性的な人材不足なので、美容室は、専門学校との関係を壊したくないのです。

なので、敢えてボクが書きます。ww

 

お届けするラインナップは、下記のとおりです。

  1.  美容師免許を取得までの過程
  2. なぜ美容専門学校で職業訓練をおこなわないのか
  3. 今後の美容専門学校の在り方を提案

1. 美容師免許を取得までの過程

美容師免許の取得には、国家試験に合格しなければなりません。

国家試験の受験資格は、厚生労働省が指定する美容専門学校を修了しないと得られません。

美容専門学校の入学は、基本的には高卒が条件ですが、中卒でも入学できる高等専修学校もあります。

いずれにせよ、美容専門学校を修了しなければ、美容師免許は取得できません。

国家試験は難しいの?

美容師になるための国家試験は、さほど難しくありません。

根拠は下記です。

国家試験の過去5年間の合格率をまとめてみました。(年に二度、実施されます)

令和元年 第40回(58.1%)  
平成30年 第39回(86.2%) 第38回(50.5%)
平成29年 第37回(85.8%) 第36回(56.1%)
平成28年 第35回(89.1%) 第34回(56.0%)
平成27年 第33回(89.1%) 第32回(60.5%)

上記の合格率を見る限り、一度、失敗しても、二度目で受かる。そんな印象を与えます。

根拠は、もう一つあります。

合格基準値です。

ちなみに、第40回の合格基準値は、50問中60%の回答率でした。

美容師の国家試験は、選抜試験ではなく、認定試験です。

合格基準値を越えれば、誰でも取得できます。

普通自動車免許と似た感じですね。

美容師免許の取得者は、晴れて美容室で働くことができます。

2. なぜ美容専門学校で職業訓練をしないのか

前述のとおり、国家試験の合格者は、サロン業務に必要な技術を一切習得してません。

なぜなら、美容専門学校では、基本的に職業訓練をおこなわないからです。

美容専門学校は、あくまで国家試験の合格に備える予備校という立ち位置に過ぎません。

しかし、こうした現実は、美容師に限った話ではありません。

看護師も、似たような状況だとお聴きします。

新人看護師たちは就職後、まずは採血の練習からはじめるそうです。

たとえ資格者でも、実戦経験が乏しい新人は、即戦力とは呼べません。

これは当然です。

問題は、限度です。

美容師は下積みが長過ぎる

免許取得者は就職後、お客さまにカットができるようになるために要する期間は、一般的に3年ほどと言われています。

他の業態と比べても、極めて長い。

美容師が不遇を強いられる、大きな要因は、長期に及ぶ下積み期間です。

 

・お店は、お給料を支払いながらも、教育に時間を割かなくてならない。

・新人美容師は、営業時間の前後に技術トレーニングしなければならない。

 

昨今では、技術トレーニングの時間に給与が発生しないのは不当だと、訴えを起こす美容師もいるそうです。

お店にとっては、たまったもんじゃありません。

「美容専門学校で、少しでも職業訓練してくれれば・・・」

こうした問題は、回避できるかもしれません。

いずれにしても、お店にはポリシーがあるので、トレーニングは不可欠ですが、

せめてアシスタント業態に携わる技術くらいは、専門学校で習得して欲しい。

何のための美容専門学校なのか?

そもそも何のための、2年制なのか。

1年多く学ぶことで、国家試験の合格率が高まったのだろうか。

変わらないですよね?

あるいは、就職率が上がったのか?

この点も変わらないはずです。

少なくとも、前述のとおり、社会的地位は上がってはいません。

だから「ただの金儲けじゃないの?」って思ってしまうのです。

1年増えた学習期間を、なぜ職業訓練に充てないのか?

不満は高まる一方です。

酷すぎる国家試験の課題

必要なのは理解できますが、美容専門学校で学ぶ、法規や知識は、そのほとんどが不要です。

非常に残念なことに、国家試験で出題される技術課題は、現実のサロン技術とは大きくかけ離れています。

下の写真は、昔から変わらず実施されている国家試験の課題です。(25年前とまったく変わりません。ww)

「こんなヘアースタイルしてる人、見たことないし!?」

現場の講師たちは、疑問に思わないのだろうか。

おそらく思考停止しているのでしょう。

多くの講師は実務経験がない

美容専門学校が、職業訓練をおこなわない理由は、多くの講師に現場経験がないからです。

教えたくても、残念ながら、教えられません。

実のところ、この点が一番ネックになっていると、ボクは考えます。

いずれせよ、美容専門学校の教育に、抜本的な改革がなされない限り、美容師の地位向上は、絵に描いた餅と言わざるを得ない。

残念ながら、コレが現実です。

3. 今後の美容専門学校の在り方を提案

たしかに、美容専門学校に通う生徒の目的は多様化しています。

美容師の他に、ヘアメイクやブライダル、アイリストなど、生徒がこころざす道は、美容師とは限りません。

だとしても、実務を習得するための実習期間を設けるなどして、いち早く職業訓練を充実させるべきです。

当然、講師の実務訓練と国家試験課題の改善は必須ですね。

さらに、「学校運営のサロン」の設立もありですね。(法律上は知りませんが)

生徒が技術者となり、安価な施術料金で、実際にお客さまのヘアースタイルを作る。

集客から運営も、すべて生徒のアイデアで行う。

学校卒業後に就職をせず、そのまま独立する、そんな選択肢も、ありかもしれません。

生徒の目標は、就職ではなく、夢の実現です。

1日でも早く、給与が増え、1日でも早く、独立する。

そういう美容師が増えてこそ、美容業界が発展し、美容師の地位向上へとつながる。

いっそ、

入学金ゼロ、学費もゼロ、生徒が人気スタイリストになってから、給与の10%を3年間、学校に支払う。

 

こんな画期的な学費プランもいかがだろうか。

再就職希望者のための職業訓練校もありですね。

美容専門学校の目的は、現場で活躍する、素晴らしい美容師を生み出す。(ですよね?)

どうせなら、ココを目指すべきです。

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