サッカー馬鹿

2017.8.24

一度も就職することなく、たった一人でクラブを立ち上げ、Jリーグ入りを公言!<アローレ八王子14年目の挑戦 紙本諭GMインタビュー&取材後記》

サッカーをしてビールを飲む。それが原点

東京都リーグ2部 アローレ八王子 紙本諭氏

――まずはクラブの成り立ちについて教えてください。

(紙本) クラブ創設の構想は大学に通っていた頃から考えていました。私は東京学芸大学に進学しましたが、この大学は学校の先生を志す人が多い学校でしたので、当時はプロサッカー選手を目指すか、それともサッカーの指導者になるかというイメージでいました。私の進路を決定付けたのは、鹿島アントラーズで活躍した岩政大樹との出会いでした。後に日本代表にも選ばれる彼のプレーを前にして、自分の限界を早々に感じました。自分はプレイヤーではなく違う道で、それでもやはりスポーツには関わりたいと。

大学二年生の頃、ドイツのあるスポーツクラブの映像を観ました。おじさん達が平日17時に仕事を切り上げて、グラウンドに集まりサッカーをしている。その横で子供達がサッカーをして、またその横ではプロを目指すようなチームが練習をしている。いろんな世代の人たちがゴチャ混ぜになってサッカーを楽しんでいる光景が衝撃でした。そしてサッカーが終わったら机と椅子を並べてビールを飲みだすんですよ。なんだコレ!最高じゃないかと思いましたね。すごく幸せそうで、皆楽しそうなんですよ。

日本では就職したら夜中まで働いて、みんなでサッカーをしてビール飲むなんて想像もつかない。どうしてドイツではできるのに日本ではできないのだろうか。だったら自分で作っちゃえということでやり始めたのがクラブの原点です。生まれ育った八王子で、Jリーグを目指すサッカークラブを運営しながら、いろんな種目を取り込んで、子供から大人までを巻き込んでいく。そんな発想でクラブをスタートしましたが、大学を卒業して、いきなりサッカースクールを始めても保護者からの理解も信用も得られないだろうと思いました。

当時の私には若さしかありませんでした。ですので、逆にその若さを活かせるものは何かと考えて、地域のおばちゃん達にヨガ教室をやれば喜んでもらえるんじゃないか思い至り、ヨガ教室からスタートしたんですね。自分でチラシを作ってポスティングして回って、ようやくスタートした最初の教室は参加者一人でした。(笑)今考えるとヘビーな状況ではありますが、でもその時はとにかく嬉しくて。そこで出会った参加者の方をきっかけに、体操教室はどんどん広がっていきました。

それから5年が経ち、ようやく中学生のサッカーチームができ、8年目からトップチームが立ち上がりました。そして今、14年目を活動中です。現状としては、3年前から元日本代表の野口幸司さんを監督に迎え、ようやく本気でJリーグを目指すぞ!と打ち出せるようになりました。

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