サッカー馬鹿

2017.12.22

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ロック総統が語る”Jリーグ論” 〜常勝クラブには不変のチーム哲学がある〜錦糸町フットボール義勇軍 最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』

ロック総統が語る”Jリーグ論” 〜常勝クラブには不変のチーム哲学がある〜錦糸町フットボール義勇軍 最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』

KFG錦糸町フットボール義勇軍

過激な論調でネット上を賑わしているレジスタンス集団がいる。彼らは自らを錦糸町フットボール義勇軍と名乗る。

錦糸町フットボール義勇軍を率いるのは、赤いヘルメットを被り、ティアドロップのサングラスと赤いタオルマフラーで顔を覆う、何とも怪しい風貌のロック総統。そしてロック総統が従えるのは、ライト曹長とオットナー参謀長である。

時にSNS上で、時にポッドキャストで、時に全国各地のサッカースタジアムに乗り込み、Jリーグ原理主義者と罵り、日本サッカー真の発展を声高に叫ぶ。一見突飛押しのない主張に受け止められがちだが、彼らの主義主張は実に的を得ている。

「今そこにあるサッカーを愛せ!」核心を突くメッセージをユーモアたっぷりに発信する蹴球革命は、瞬く間に全国を席巻し、全国各地に信奉者を生み出すことになる。そして遂に彼らの想いは結実した。

著書『KFG蹴球文化論』サッカー本大賞2017優秀作品賞受賞を皮切りに、ラジオNIKKEIでレギュラー番組『蹴球革命ラヂヲ』を配信。そして、雑誌『フットボール批評』で連載を開始。

今回のインタビューは、近日発売された、最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』の見所と”著書にまつわるこぼれ話”を紹介。シリーズ最高傑作と豪語するロック総統の肉声をお届けする。

〜同志諸君 結集セヨ コレハ革命デアル〜

→新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命的行脚編〜』と特設WEBページ

ロック総統が語る“Jリーグ論“

――いつも『革命!KFGフットボール義勇軍』(ポットキャストで配信)を楽しませていただいていますが、番組ではやはり「地域リーグ」の話題が多いようですが。

(ロック総統) 今はそうですね。ただJリーグのことを語っても、普通で面白くないからといってばっさりカットされている部分もあります。(笑)地域のことに偏って話しているつもりはないですが、Jリーグのことを語る番組は沢山あるので、僕らの特徴としてはやっぱり、みんながあまり知らない下部リーグの方が面白いよという伝え方になってしまっていると思う。

 

――それは最新刊を含めて書籍『KFG蹴球文化論』でもそうですよね。

(ロック総統) Jリーグファンは僕を“アマチュア贔屓のJリーグ嫌い“みたいに捉える方が非常に多いですけど、僕はツイッターでJリーグの良いところも当然つぶやいています。しかし、悪く言うところの方が拡散されやすいので、どうしても誤解されやすいのですが、僕の周りにいるサッカーフリークの半分以上はJリーグを応援している人です。

 

――今回は敢えてロック総統に『Jリーグ観』について語っていただきたいと思っています。

(ロック総統) 最近思うことは、Jリーグはもう基盤がしっかりできていてる鹿島やガンバや浦和、フロンターレとかセレッソとかそういった元々のオリジナル10やオリジナル10に近いところからスタートした企業クラブがようやくプロクラブらしくなってきた。その後に追従する最近Jリーグに上がってきた新興チーム。そういう色付けが昔よりはできてきたのかなと思っていて、Jリーグの文化としての深みを感じます。

2、3年前に村井チェアマンが「どんなチームも優勝する可能性がある、だからJリーグは面白いでしょ。」とおっしゃっていたことがありましたが、僕はその逆で、これだけチーム数が増えてしまうと、例えばですけど、レノファ山口というチームが近々でJ1のリーグ戦で優勝するとは思っていないですし、動員で勢いがある松本山雅が、昇格したら優勝争いは、鹿島か松本か川崎だよねという話には絶対にならないと思っているんですね。僕がそう言うと、松本山雅のサポーターからすれば、俺たちの考えていることにみずさしやがってと言うのだろうけど、冷静に見たら、年間予算や選手層の厚さから見てもそうはならないですよ。

これが10チームでやっていた時なら話は別ですけど、サッカーファンは大して増えてないのにチーム数だけ増えているので、それは分配金をはじめ何から何まで、すべて薄っぺらくなっていくわけですから。レノファにもJ1で優勝するチャンスがあるかといったらそれはないです。リーグではね。天皇杯はわかりませんけど・・・。そこをしっかりサポーターは見ていかなきゃいけない。

今どうしてレノファ、レノファと言っているのかというと、レノファとホンダロックは一度、石垣島でJFL昇格のための地域決勝大会(現在の地域チャンピオンズリーグ)を石垣島でやって、その時に昇格したのがゼルビアとV・ファーレン長崎とホンダロックなんですよね。その中で唯一3敗して敗退のがレノファ山口なんですよ。そのレノファ山口が後からJFLに入ってきたにも関わらず、ホンダロックをあっさりと抜き、町田ゼルビアをあっさり抜き、J2にポーンっているわけです。

僕はそのプロセスにああだこうだ言うつもりはないですけど、数年間でJ2に上がってきたというところにおいては、昔からサッカーを観ていた人はそんなに多くないので、急激に増えたファンは、やはり勝ち負け以外のサッカーの本当の面白さや、自身の身の丈をまだわかってらっしゃらないのではないかと懸念しています。地域密着とは地域のポテンシャルが、ダイレクトに成績に反映されるということの証明でもありますから、特に後発の新興チームは難しいと思います。

だから、そういう色付けのチームじゃないよということを理解してくれる人たちが沢山いてくれた方が本当にそのチームにとって幸せだと思う。ここ5、6年で、俺たちそんなに強くなくてもいいよねと思っている人たちも増えてきて、そこの概念がわかってきている人たちが増えてきた。そういった部分においては、Jリーグはちょっと良くなってきているのかなと思う。

J1に上がるべきクラブの条件

――上がることを目的にせずに、その場に値するチームが上がるべきだということですね。ライセンスとは別に、マインドの部分が大切かと。

(ロック総統) それが一番大きく表れているのが観客動員だと思います。仮に平均動員4000人のチームがJ1に上がりました。それでは苦戦しますよ。だって浦和は1試合で4万人集めるんですよ。1試合で10倍の差が開くんですよ。そりゃあ、ポテンシャルに差が出てくるとは思いますよね。だから、J 2でもしっかりとした観客動員数を持って、当然成績もぶっちぎりに良くて、経営状態も良くて、J1に上がることが正しいプロセスだと思う。

 

――今シーズンは長崎が初のJ1昇格を果たしました。かつては徳島も昇格したことがあります。あの時、総統はどんな風に感じられていましたか。

(ロック総統) 徳島は上がるべくして上がっていないと思っていました。その時のことは2巻に書いてあると思いますが、徳島がJ1に上がって十何連敗もしている時に、県知事が定例会見の場で「今の徳島のサッカーは面白くないもっと攻撃的にいけ!」と言ったんですよ。J1の初年度で、観客動員数3000〜5000の最低観客動員のチームがですよ。それを見た徳島のサポーターが「知事!よく言った!」と騒いでいたんですよ。これはやべーレベルの素人だなと思いました。だって10何連敗もしてるチームですよ。そもそもの戦力がJ1レベルに無いことが証明されているわけですよ。

それをTwitterで私が批判的に言うと。「お前こそ知らない!」と僕におっしゃるわけです。僕は徳島ヴォルティスが大塚製薬の頃からガラガラのスタジアムに行ってるんですよ。その人間に対してよくも徳島を知らない「気が狂った赤いじじい」と言いやがる。歳は取りたくないもんだねぇ~(笑)本当にサッカーを知っている徳島県知事であれば「徳島はよく頑張っている。J1 初挑戦なのだから、まだ実力が足りない。引いてでもいいから勝ち点を奪いにいく意地を見せて欲しい。」そう言うべきでしょう。私が知事でしたらそういいますね。総統と名乗っていながら、あえて知事に身分を落とすのは意味が分かりませんが(笑)

サッカーを知らない人間が、居酒屋で言うのは勝手だけど、影響力のある人間が公式の場で発言すべき内容ではない。もし次節、監督が引いて守ろうと考えたら、知事が言ってるつまらないサッカーをしているということになっちゃうでしょ。攻撃的に行けるのならとっくに行っているわけだし、できないから何とかしようとしているのに、サッカーを知らない風土がちょっとヤバいなって思いましたね。それをコアサポと思われるべき人たちがそろいもそろって知事に賛同しているところが集団ヒステリー的だなと思いましたね。でも、阿波踊りも念仏踊りの集団ヒステリーがルーツとも聞いたことがありますしそれも地域性と思えば納得です。渦潮の荒波がそうさせるのでしょう。

常勝鹿島のチーム哲学

――浦和が例に挙がったので、話題を浦和へ移したいのですが、圧倒的な観客動員を誇る浦和ですが、その運営方法に対して揶揄する声をよく聞きます。25周年を迎えた浦和レッズについてどんな感想をお持ちでしょうか。

(ロック総統) 浦和に対する批判の半分ぐらいはやっかみだと思う。Jリーグの中で唯一プロクラブとして観客動員でメシが食えるクラブは浦和だけなので。強い者に対するやっかみです。

J リーグのことを話す時は鹿島を目線で話すのですが、この25年の中で鹿島はリーグ優勝を含めて星の数が20個近く(正式には19個)ついている。常勝鹿島と言われていると、さえない年でも『今年はナビスコカップの1個しかとれなくて恥ずかしいです。ゴメンなさい。』と最後にサポーターに詫びるという。カップ戦さえも取れないクラブがゴロゴロいるのに、そんなことを言っているクラブは鹿島だけ、これはもう別格ですよ。それは、好きも嫌いもなくサッカーマンとして冷静に評価しなければならない。

その鹿島は余所から選手を強奪してくるような、いわゆるそういうチームの作り方をしていないですよね。ストロングポイントを伸ばし、弱い所をブラジル人で補強し、若手をしっかり育てる、それがずっと続いているから大崩れしない。浦和は言うまでもなく、毎年のように余所から選手を獲ってくる、監督も余所から獲ってくる、その度に戦術も変わる、やり方も変わる、外国人も変わる。ビルド&クラッシュをずっとやってきている。ACLを獲ったことはすごいなとは思いますけど、鹿島と浦和の星の数の差を考えると、浦和はフロントが無能だと思う。金があるから知恵を使わない。そこが鹿島と浦和の大きな差です。まあ、サッカーに限らず金を持っている奴は知恵を使わないこれは世の常です。逆に金を持っていないと知恵を使わざるを得ない。ホストでも人気もあって金もあるホストより、貧乏なホストほど頭使っていろいろマメに立ち回りますからね(笑)

鹿島はJ リーグクラブがある街の中で一番人口が少ないんですよ。どんなに頑張っても、観客動員で興行収入を上げていくことはもう限界だとわかっているので、いわゆる強いサッカーをやっていくことで客を繋ぎとめていく、スポンサーを繋ぎとめていく。そこが生命線なんですね。逆に言えば常勝でしか繋ぎとめられないとも言えます。逆に浦和はあれだけのコアなお客さんをどう満足させるかという、鹿島より難しい運営を迫られてるとは思うけど、それにしても、もっとなんとかなんないのかなと思いますね。

良いクラブなんですけどね。(浦和は。)だから僕はむしろサポーターからのプレッシャーが強すぎてフロントが潰れちゃっているんだと思います。少なくとも鹿島においては、サポーターがフロントと当たっているフリはしますけど、それはあくまでもプロレスなので。お前らここはこうだからなっていう風にちゃんとやり取りはできています。だから荒れても出入り禁止になることは無いですから。出入り禁止を作っちゃうと大勢の人が抵触して一万人くらい動員が減ってしまう可能性があるので(笑)

どうして他のクラブは鹿島のようになりきれないのかと思うんですよ。今シーズンも最終節までフロンターレとリーグ優勝を争ったじゃないですか。鹿島にはビックネームといわれる選手がいないですよ、金崎か昌子ぐらいでしょ。柴崎も抜けちゃって、誰も突出してない。ブラジル人においても、90年代に所属していた、レオナルドやジョルジーニョやビスマルクのような、ぶっちぎりにうまかったブラジル人はいないんですよ。コイツに合わせれば大丈夫っていうやつもいない。それでもあの順位まで持っていけるという。何で他のクラブができないのか。本当に不思議に思いますね。なんでチームの哲学が作られないのか?それを通すことが出来ないのかということ。

鹿島の強化部長はずっと変わっていません。鈴木満さんという人が強化部長ですが、あの人は別にどこかの大きなクラブに所属していたわけじゃなく、住友金属から生え抜きなんですよ。だから鹿島の哲学はこうだというところをずっと言ってらっしゃる。

何も変わらない。これも本に書いてありますけれども、年末の『忠臣蔵』と同じようにスタイルは変わらないんです。大石内蔵助役が誰でも、吉良上野介役が誰でも、キャストが変わろうと基本、脚本は変わらないじゃないですか。いきなり吉良上野介が発狂して大石内蔵助を滅多斬りにして暴れるようなことはないですよね(笑)チーム哲学さえしっかりあればシステムに必要な役者を呼べばいい。チーム哲学が無くても、お金さえあれば、タイプが違うからと「いらね」と割り切れない。「とりあえず、アイツ取っちゃおうかなとかね」色気出しちゃうんですよね。

 

<次回に続く>

→新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命的行脚編〜』と特設WEBページ

 

――本日はお忙しい中ありがとうございました。

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今そこにあるサッカーを愛せ!サッカー本大賞作品賞受賞 KFG蹴球文化論<錦糸町フットボール義勇軍 独占インタビュー>vol.1

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錦糸町フットボール義勇軍
2014年春、日本のフットボールカルチャーに『革命』を起こすべく立ち上がった革命戦士。偉大なる伝道師『ロック総統』、その忠実なるしもべ『ライト曹長』、策士『オットナー参謀長』を中心とする、居住地域と支援蹴球団の枠に囚われない全国の同志義勇兵の総称。今夜も人知れず地下アジトで傷をなめあう非力なレジスタンス集団。その崇高なる理想は他ならぬ日本サッカー全体の『エンタメ的発展』。経費は録音用革命電池と革命飲料のみ。Podcast収録のために、都内の雑音なき録音可能スポットを求めて日夜さまよう。おじさん達。体力なし。

著書『KFG蹴球文化論』ラジオNIKKEIレギュラー番組『蹴球革命ラヂヲ』雑誌『フットボール批評』で連載。[ブログ]革命! 錦糸町フットボール義勇軍 

Podcast:革命!錦糸町フットボール義勇軍

 

「結集せよ同志諸君!これは革命である!」我が国のフットボール文化を憂い立ち上がった2人の革命戦士。今宵も錦糸町アジトよりこっそり地下放送…

 

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