ロック総統が語る“Jリーグ論“
――いつも『革命!KFGフットボール義勇軍』(ポットキャストで配信)を楽しませていただいていますが、番組ではやはり「地域リーグ」の話題が多いようですが。
(ロック総統) 今はそうですね。ただJリーグのことを語っても、普通で面白くないからといってばっさりカットされている部分もあります。(笑)地域のことに偏って話しているつもりはないですが、Jリーグのことを語る番組は沢山あるので、僕らの特徴としてはやっぱり、みんながあまり知らない下部リーグの方が面白いよという伝え方になってしまっていると思う。
――それは最新刊を含めて書籍『KFG蹴球文化論』でもそうですよね。
(ロック総統) Jリーグファンは僕を“アマチュア贔屓のJリーグ嫌い“みたいに捉える方が非常に多いですけど、僕はツイッターでJリーグの良いところも当然つぶやいています。しかし、悪く言うところの方が拡散されやすいので、どうしても誤解されやすいのですが、僕の周りにいるサッカーフリークの半分以上はJリーグを応援している人です。
――今回は敢えてロック総統に『Jリーグ観』について語っていただきたいと思っています。
(ロック総統) 最近思うことは、Jリーグはもう基盤がしっかりできていてる鹿島やガンバや浦和、フロンターレとかセレッソとかそういった元々のオリジナル10やオリジナル10に近いところからスタートした企業クラブがようやくプロクラブらしくなってきた。その後に追従する最近Jリーグに上がってきた新興チーム。そういう色付けが昔よりはできてきたのかなと思っていて、Jリーグの文化としての深みを感じます。
2、3年前に村井チェアマンが「どんなチームも優勝する可能性がある、だからJリーグは面白いでしょ。」とおっしゃっていたことがありましたが、僕はその逆で、これだけチーム数が増えてしまうと、例えばですけど、レノファ山口というチームが近々でJ1のリーグ戦で優勝するとは思っていないですし、動員で勢いがある松本山雅が、昇格したら優勝争いは、鹿島か松本か川崎だよねという話には絶対にならないと思っているんですね。僕がそう言うと、松本山雅のサポーターからすれば、俺たちの考えていることにみずさしやがってと言うのだろうけど、冷静に見たら、年間予算や選手層の厚さから見てもそうはならないですよ。
これが10チームでやっていた時なら話は別ですけど、サッカーファンは大して増えてないのにチーム数だけ増えているので、それは分配金をはじめ何から何まで、すべて薄っぺらくなっていくわけですから。レノファにもJ1で優勝するチャンスがあるかといったらそれはないです。リーグではね。天皇杯はわかりませんけど・・・。そこをしっかりサポーターは見ていかなきゃいけない。
今どうしてレノファ、レノファと言っているのかというと、レノファとホンダロックは一度、石垣島でJFL昇格のための地域決勝大会(現在の地域チャンピオンズリーグ)を石垣島でやって、その時に昇格したのがゼルビアとV・ファーレン長崎とホンダロックなんですよね。その中で唯一3敗して敗退のがレノファ山口なんですよ。そのレノファ山口が後からJFLに入ってきたにも関わらず、ホンダロックをあっさりと抜き、町田ゼルビアをあっさり抜き、J2にポーンっているわけです。
僕はそのプロセスにああだこうだ言うつもりはないですけど、数年間でJ2に上がってきたというところにおいては、昔からサッカーを観ていた人はそんなに多くないので、急激に増えたファンは、やはり勝ち負け以外のサッカーの本当の面白さや、自身の身の丈をまだわかってらっしゃらないのではないかと懸念しています。地域密着とは地域のポテンシャルが、ダイレクトに成績に反映されるということの証明でもありますから、特に後発の新興チームは難しいと思います。
だから、そういう色付けのチームじゃないよということを理解してくれる人たちが沢山いてくれた方が本当にそのチームにとって幸せだと思う。ここ5、6年で、俺たちそんなに強くなくてもいいよねと思っている人たちも増えてきて、そこの概念がわかってきている人たちが増えてきた。そういった部分においては、Jリーグはちょっと良くなってきているのかなと思う。
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