J1開幕節 湘南2-0札幌〈Shonan BMWスタジアム 平塚/13.249人〉
82分 武富 孝介(湘南)
90分 武富 孝介(湘南)
明治安田生命J1リーグ2019年シーズンが開幕した。湘南ベルマーレは本拠地 Shonan BMWスタジアム 平塚に北海道コンサドーレ札幌を迎えての今シーズン最初のホームゲームとなった。
開幕スタメンに名を連ねたのはGK秋元 陽太、3バックは山根 視来、坂 圭祐、大野 和成、ダブルボランチに齊藤 未月と松田 天馬を配置、両サイドに杉岡 大暉と浦和から完全移籍した岡本 拓也がそれぞれ左右に入り、ワントップは山崎 凌吾、2シャドーには復帰組の新加入の中川 寛斗と武富 孝介(ともに古巣への期限付き移籍)が揃っての起用となった。
試合は序盤から互いにハイプレスを仕掛け、ボール奪ってから手数をかけずにゴールに迫る。上下動が激しい目まぐるしい展開が続いていたが、ボール奪取からつなぎの精度を欠いていた湘南が徐々に押し込まれる格好となる。
しかし湘南は25分、自陣でボールを奪った齊藤がそのまま駆け上がりサイドチェンジ、左オープンスペースを駆け上がった杉岡が強烈なミドルシュートを放つなど時折鋭いカウンターをみせる。
その後も我慢の展開が続いていた湘南は35分 、チャナティップのパスを受けた菅 大輝坂にドリブル突破を許しシュートを放たれるも、間一髪で坂が身を投げ出してカバーリング。危うく難を逃れる。
劣勢に対し終始慌てることのなかった湘南は次第に試合のペースを握り始める。この日、特に目を引いたのは赤いスパイクを着用した松田の攻守にわたる効果的なプレーの数々だった。鋭いボール奪取から攻撃のスイッチを入れる。さらに自らが持ち込んでシュートを放つなど、昨シーズンから1つ下げたポジションを務めた松田は水を得た魚のように躍動していた。
「札幌の3トップにボールを収められていたので」と湘南曹 貴裁監督はハーフタイムに戦術の修正を行った。札幌の攻撃の起点になっていたトップのジェイに対して齊藤と坂のコンビで徹底的に封じ込めることに成功した湘南は後半開始から試合の主導権を握る。
最初に動いたのは湘南はだった。53分、中川に代えて大橋 祐紀を投入。大橋は昨シーズン、中央大学在学中に特別指定選手として湘南ベルマーレに加入。(2018シーズン最終節に途中出場)今季から晴れて湘南の一員となったばかりだ。
武富と並び2シャドーの一角を担った大橋は61分、相手陣内で松田がプレス、こぼれ球を持ち出した大橋がそのままドリブルで仕掛けようとしたところ体勢を崩された進藤 亮佑がたまらずハンド。故意のハンドにもかかわらずイエロー提示にとどまった判定に悔しさを表すなど、気持ちの入ったプレーで幾度のチャンスを作り出した大橋は攻撃面での活躍が目立っていた。
流れを変えたい札幌は76分、鈴木 武蔵とルーカス・フェルナンデスを同時投入。停滞気味だっま攻撃の打開を図る。攻撃的な選手が増えたことでチャナティップの自由度が増し、ルーカス・フェルナンデスが右サイドで決定機を作り出すなど札幌の攻撃に変化が生まれた。
ところが先制ゴールを奪ったのは湘南の方だった。81分、山崎からボールを受けたDF山根が右サイドを深くドリブルで持ち込み、ゴール前に詰めていた武富が相手GKのファンブルの間、すんでのところで押し込みゴール!
86分 湘南2枚目のカードは途中出場の大橋に代えて野田 隆之介を投入。途中出場の選手の交代に「1枚カードもらってたので遮二無二突っ込んでもう1枚もらったら」と曹監督は説明した。
同じく86分、齊藤未月のスルーパスに反応し、オフサイドラインを突破した山崎。GKとの一対一を制すことができない。得点こそ奪えなかったこの日の山崎だったが、前線からの守備に走り回り、なおかつ決定機に顔を出すなど指宿 洋史と交代するまでの92分間、攻守にわたり献身的に体を張り続けた。
この日の山崎の仕事ぶりを表したのが89分、左サイド杉岡からクロスに反応し、相手がもたつく中のルーズボールに潰れながらラストパス。フリーの武富が左足でゴール左上に突き刺し湘南が追加点奪取に成功。
試合はそのまま札幌攻撃陣をシャットアウト。全員攻撃全員守備の湘南がクリーンシートで試合を仕上げた。
(勝村 大輔)
フォトギャラリー
撮影:花井 康成
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