『水戸ホーリーホック×ガールズ&パンツァー』
――『水戸ホーリーホック×ガールズ&パンツァー』この企画に至ったきっかけを教えてください。
(廣岡) 最初のきっかけは、前回の沼田社長のインタビュー記事で触れられているので割愛しますが、何よりも私がサッカー好きだからというのが大きいです(笑)。
更に現在はユニフォームスポンサーを務めさせて頂いておりますが、アニメ作品単体でそういった関係になるのはこれまで見たことがないですし、話題になると思いました。
近いところでは、昔バンダイが横浜フリューゲルスのスポンサーをやっていた事もありますが、会社名がユニフォームに入ることはあっても、一つの作品がサッカークラブのスポンサーになるというのは初の試みじゃないでしょうか?やるからにはそれくらいまで、という想いは最初からありました。
――コラボ企画のプロモーションは、廣岡さんが中心となって進行していると伺っていますが、どのような意図をもって取り組んでいるのでしょうか。
(廣岡) 基本的に私がやっています(笑)。発案者が持っている芯の部分がぶれないように、想いを持っている人間が発信していくことが大事だと思っています。そこは全然苦には思ってないですね。ただ、近年はクラブやまいわい市場さんと、立案含めて一緒に動いていますね。
――廣岡さんご自身が発信されているのですか。
(廣岡) はい。公式での発信、リリース資料の送付など行っていますが、これは普段のアニメ―ションの宣伝業務と変わらないです。また、SNSはツイッターを中心に行っておりますが、アニメのファンはツイッターとの相性がすごく良い印象です。
――『ガールズ&パンツァー』のファン層を教えてください。
(廣岡) まず男女比は、99.5:0.5くらいの感覚です。男性ファンでほぼ占めています。ここまで極端な作品は珍しいですね。年齢層で言えば30後半から40代前半が中心ですが、2年前の劇場版の上映以来、20代の方々からの支持が増えたという実感があります。
――アニメとサッカーとでは、一見、親和性は見当たらないように感じますが、どのようにしてアニメファンをサッカーに巻き込んでいったのでしょうか。
(廣岡) 最初は、実施するイベント内容や販売するグッズのデザインなど「受け取られ方」に気をつけていたのはよく覚えてます。そもそもスタジアムでアニメのイベントをやるということ自体があまり無い事でしたし、最初から、多くのファンが殺到するとは思っていませんでした。100人集まってその中の一人でも水戸ホーリーホックを好きになってもらえたらいい、そのくらいの気持ちでしたね。
ただ、何もやらなかったらゼロですから。何かをやって、それをオモシロイと感じてくれた人が少しでもいてくれて、そのまま試合を観戦してくれる。グッズを購入して、試合を見ずに帰ってしまう人もいるかもしれないのですが、
それでも私は良いと思っていました。「スタジアムに足を運ぶ」って、結構なエネルギーを使う行為じゃないですか。東京の人が特急に乗って、バスを乗り継いでスタジアムに訪れる。そしてグッズを買ってくれる。このパワーは計り知れません。
そのあとに、何かのきっかけでもう一度スタジアムを訪れる。あるいは、グッズを買った時に、たまたま暇だからといって試合観てくれる。そうしたら、オモシロかったといってその後も興味を持ってくれればいい。
例えば、芸能人を呼んで、通常よりも5000人多く集客できた。でも次の試合でごっそり5000人減った。総計的には意味は持たないかもしれませんが、そのイベントを楽しんでもらえたことが「きっかけ作り」になりますよね。なので、継続的にコラボレーションを行う事で、その「きっかけ作り」の回数を増やしたいと思っていました。
NEXT →サッカーもアニメも同じ、そこにまっすぐな愛がある。
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