サッカー馬鹿

2017.12.23

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ロック総統が語る”Jリーグ論” 〜プロ風実業団”と“実業団風プロ〜錦糸町フットボール義勇軍 最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』

ロック総統が語る”Jリーグ論” 〜プロ風実業団”と“実業団風プロ〜錦糸町フットボール義勇軍 最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』

最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』

過激な論調でネット上を賑わしているレジスタンス集団がいる。彼らは自らを錦糸町フットボール義勇軍と名乗る。

錦糸町フットボール義勇軍を率いるのは、赤いヘルメットを被り、ティアドロップのサングラスと赤いタオルマフラーで顔を覆う、何とも怪しい風貌のロック総統。そしてロック総統が従えるのは、ライト曹長とオットナー参謀長である。

時にSNS上で、時にポッドキャストで、時に全国各地のサッカースタジアムに乗り込み、Jリーグ原理主義者と罵り、日本サッカー真の発展を声高に叫ぶ。一見突飛押しのない主張に受け止められがちだが、彼らの主義主張は実に的を得ている。

「今そこにあるサッカーを愛せ!」核心を突くメッセージをユーモアたっぷりに発信する蹴球革命は、瞬く間に全国を席巻し、全国各地に信奉者を生み出すことになる。そして遂に彼らの想いは結実した。

著書『KFG蹴球文化論』サッカー本大賞2017優秀作品賞受賞を皮切りに、ラジオNIKKEIでレギュラー番組『蹴球革命ラヂヲ』を配信。そして、雑誌『フットボール批評』で連載を開始。

今回のインタビューは、近日発売された、最新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命行脚編〜』の見所と”著書にまつわるこぼれ話”を紹介。シリーズ最高傑作と豪語するロック総統の肉声を3回に分けてお届けする。

第1話『ロック総統が推す”今そこに愛すべきスタジアム”』
第2話『ロック総統が語るJリーグ論〜常勝クラブには不変のチーム哲学がある〜』

〜同志諸君 結集セヨ コレハ革命デアル〜

→新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命的行脚編〜』と特設WEBページ

ロック総統が今後期待しているクラブとは?

”知る人ぞ知る、知らない人は全く知らない”ロック総統

――そういった意味を踏まえて、ロック総統から見て今後期待できるクラブはあるのでしょうか。

(ロック総統) 頑張って欲しいなぁというクラブは大宮と今度J1に上がる長崎ですかね。

 

――長崎は今シーズン、高田社長の就任が話題になりましたね。

(ロック総統) そうですね。ただサッカーはそんなに甘くないので。高田さんも何億も何十億も投資始めたら、本業が傾いちゃいますよ。Jリーグは利益還元祭もなく金利手数料も払ってくれるほど気前も良くないので(笑)

 

――大宮はなぜでしょうか?

(ロック総統) 大宮は単純に石井(忠正元鹿島監督)が行ったからです。大宮も本当にもったいないクラブですよ。ブレちゃうんです。お金があるのに。いや、お金があるからブレちゃうんだよな。お金はあるのに使いきれていない。浦和と対照的なクラブの色が出ているのに。NTTグループが、湯水のようにお金を使いながら儲からない事業を何とかいろいろ工夫していて、浦和にはできないような海外戦略みたいなことをやっているのに。いまいち成績も人気もイケてない。でも、僕はどちらかというとイケてないクラブが好きなんですよ。隙のないチームはあんまり面白くない。頑張ってほしいのは、隙のあるチームですよ。

“プロ風実業団”と“実業団風プロ”

インタビューが行われた神奈川県大和市の美容室『ガナーズ』

――レイソルなんかは隙の無いクラブに入るんですかね。

(ロック総統) レイソルこそが日立の実業団ですからね。だって「世界ふしぎ発見」の最後のエンドロールで日立グループは“柏レイソルを応援しています”って出るじゃないですか。アレ、めちゃくちゃ違和感ありますよ。ほらね実業団って感じ。日本には、実業団なのにプロクラブと名乗る“プロ風実業団”、“実業団風プロ”が多すぎる。ガンバもそうですし、セレッソもそうだし、名古屋も大宮も磐田もそうでしょう。プロクラブっぽいプロクラブは鹿島と浦和だけだと思いますね。

僕は鹿島が出てきた頃からずっと定点観測しているので、鹿島の良さも悪さも限界も何となく見えていますが、他のチームのことは、鹿島ほどあんまりよく知らないんですが、長年見てきた勘が働きます。個々の補強はダメだなと・・。まぁヴィッセルがポドルスキー連れてきたよ、それで動員がめちゃくちゃ増えているのかというとそんなことはないですよね。ただあそこは楽天さんがサッカーをコンテンツにして儲けようとしているところがあるのでそれはそれでいいとは思うけど、まあ、サッカーは儲かんないですよ。

 

――楽天はバルサの胸スポンサーにもなりましたしね。

(ロック総統) そういった意味では、サッカーをコンテンツにして儲けようするベンチャー企業ならおもしろいですよね。楽天さんがベンチャー企業かどうかは別として、そういう右から左へ億単位の金を自由に動かすことが出来る金持ちがいない。日本のクラブは一人の大金持ちが私有財産の様にクラブを持つということができないんですよ。

日本では個人ではなく会社が一番金を持っている。だから実業団のような子会社みたいになってしまうのはある意味しょうがない。イタリアとかイングランドもそうですけど、富豪が自分のサッカーチームを持っているんですよね。それをやっているのがおそらくヴィッセルだけなので、そういう意味ではちょっと毛色が変わってて面白いですよね。

80年代後半から90年代初頭のいわゆる実業団というリーグでやっていた頃、クラブは広告塔であり福利厚生でした。実業団と聞くとちょっと古臭いじゃないですか。だけど日本のスポーツの多くはほぼ実業団ですよ。終身雇用のシステムの中で実業団という形態はスポーツを振興させる意味では悪くない選択肢だと思うんです。日本ならでは良いシステムですよ。

 

――特有なんですね。

(ロック総統) 日本特有ですよ。日本がメキシコ五輪で銅メダルを獲ったことをよく賛美するじゃないですか。当時アマチュアという形ではイングランドやドイツやブラジルではメシが食えないんですよ。だけど当時のチェコスロバキアやルーマニアやポーランド、ソ連や東ドイツといった東ヨーロッパの国々は、国からのお給料でメシが食える。それをステートアマ、国のアマチュアという意味ですが、アマチュアの名前でカモフラージュされたプロですよ。他に仕事をしていないのですから。

当時の日本は、釜本さんがヤンマーに所属していました。それは実業団がお金を払っているプロですよね。セミプロです。だからあの時メダルを獲るということはそれほど不思議なことではない。アマチュアの名前で飯が食えていたサッカー選手は、世界で日本とソ連を中心とする共産諸国だけでした。そのことをすっかり忘れてしまっているのですよ。前にも本に書きましたけど、Jリーグが実業団からプロクラブを作った部分はサッカー振興ひとつの功績としてはあったかもしれないけれど、実業団サッカーを絶滅危惧種にしてしまった部分においては結構罪深いと思います。

実業団を残しつつ、Jリーグとの両方の発展をさせていくことをしないでJリーグだから応援するという。特に地方に多いのですが、別にアマチュアだから、実業団だから、Jリーグを目指さないから、そのサッカーがダメかといったら、当然そんなことは無いし、実業団がもっと地域に貢献できるやり方さえあればもっとできたはずです。今のJリーグを中心とする考えはそこを大きくはき違えている。

Jリーグ隆盛のために必要なこと

――これまでJリーグが歩んできた25年の道のりは順調ではないと。

(ロック総統) Jリーグを作ってきた人たちは順調だと言うかもしれないけれど、この部分は上手くいっていないよねという人たちがあまりにも少なすぎる。さも上手くいっているように見せている部分は多々あるので、そこら辺はやっぱり言うべきところだと思う。Jリーグ側が言わないんだったら誰かが言わなきゃいけない。それが僕のサッカー理念「今そこにあるサッカーを愛せ!」です。

 

――この先のJリーグについてはどんな想いがありますか。

(ロック総統) これからはアマチュアがしっかり隆盛していかないといけない。アマチュアでメシを食う人達の分母が広くないと。プロではメシ食っていけないと思っているので、アマで食うやり方の一つとして実業団のような形がもうちょっと認められてもいいんじゃないかと思う。

どうして実業団がダメだと言われてしまうのか。それはチームの名前を企業が名乗っているから。だからJリーグに入れないよという風になっているわけで。企業の名前を出さないことが本当にJリーグにとって良いことなのか。

その根底で考えると、別に企業を名乗っているクラブは世界中にたくさんあって、オランダだってフィリップスのチームがあるわけだし、バイヤーレバークーゼンのバイヤーだってバイヤー製薬のチームなわけだし、ヴォルフスブルクだってフォルクスワーゲンのチームだし、レッドブルズなんて露骨なのもあるわけですし。皆わかっているわけですよ。

企業チームを名乗ってもしっかりとしたクラブであるわけだから、そこを大前提として大きく崩してしまうとトップリーグはいいかもしれないけど、下部なんて何のメリットも無いですよ。そこはネーミングライツでも構わないので企業のチームとして名乗る。(例:ジョイフル本田つくばFCとか)だけど地域にもしっかり貢献するよというやり方さえあれば、もうちょっとアマは振興するのかなと思いますけどね。

今季、長崎にいた前田悠佑という選手がいるのですが、以前はホンダロックにいたんですよ。彼は特に高校・大学とさしたる選手ではなかったのですが、ホンダロックにきてからはもう王様ですよ。前田がいるのといないので試合にならないと監督が嘆くぐらい大事な選手だった。地方の実業団に所属していてもJ1にいける。このような流れが、もっと日本中にあれば良いと思う。

例えば、浦和レッズ対V・ファーレン長崎で、V・ファーレン長崎のボランチにいる前田悠佑って前所属はホンダロックか、あの宮崎で一番強い実業団ね。というように浦和のファンがしっかり理解できるぐらい、アマチュアに対する知識の深さがあれば、日本のサッカーは変わるだろうね。野球ファンだと名前の知らない選手が活躍しても、そこで出身が「PL学園」とか「Honda」とわかれば、なるほどこいつは間違いない選手なんだなと、多くのファンが共通認識できる雰囲気がある。浦和のサポーターが「HondaFC」はやるほうのホンダ、「ホンダロックSC」やらないほうのホンダと正しく理解するようになってくると、日本のサッカー文化は深みが増すと思いますよ(笑)

 

→新刊『KFG蹴球文化論(参)〜革命的行脚編〜』と特設WEBページ

 

――本日はお忙しい中ありがとうございました。

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<関連記事>

今そこにあるサッカーを愛せ!サッカー本大賞作品賞受賞 KFG蹴球文化論<錦糸町フットボール義勇軍 独占インタビュー>vol.1

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錦糸町フットボール義勇軍
2014年春、日本のフットボールカルチャーに『革命』を起こすべく立ち上がった革命戦士。偉大なる伝道師『ロック総統』、その忠実なるしもべ『ライト曹長』、策士『オットナー参謀長』を中心とする、居住地域と支援蹴球団の枠に囚われない全国の同志義勇兵の総称。今夜も人知れず地下アジトで傷をなめあう非力なレジスタンス集団。その崇高なる理想は他ならぬ日本サッカー全体の『エンタメ的発展』。経費は録音用革命電池と革命飲料のみ。Podcast収録のために、都内の雑音なき録音可能スポットを求めて日夜さまよう。おじさん達。体力なし。

著書『KFG蹴球文化論』ラジオNIKKEIレギュラー番組『蹴球革命ラヂヲ』雑誌『フットボール批評』で連載。[ブログ]革命! 錦糸町フットボール義勇軍 

Podcast:革命!錦糸町フットボール義勇軍

 

「結集せよ同志諸君!これは革命である!」我が国のフットボール文化を憂い立ち上がった2人の革命戦士。今宵も錦糸町アジトよりこっそり地下放送…

 

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